40歳代 女性(過敏性腸症候群 腹鳴型)
過敏性腸症候群で電話相談してくださった女性は、既に病院にかかっていて治療を受けている。と言うか、僕の所に相談してくださる方のほとんどは、病院どころか地域で有名な漢方薬局さんの相談後のことが多い。50年前に田舎に帰って来た時からそれはハンディーとして覚悟している。
その女性が、今かかっている病院でも漢方薬を頂いていて、運悪くそれが効果を感じられないらしい。でも先生は落ち着いたもので、候補の薬は20種類くらいあるから、おいおい試していけばいいと言われたらしい。恐らく製薬会社が作った表を見ながら、順番にお腹の薬を試していくのだろう。それではドラッグストアに陳列されているお腹の漢方薬をとっかえひっかえ試していくのと変わらない。漢方薬の生薬原料が枯渇している時に全くもったいない話だ。
こういった時には、半世紀前にもう少しまじめに勉強してお医者さんになっていればよかったと思う。なぜなら、20種類もの薬を悠長に試してくれるのは、相手がお医者さんだからだ。僕らの世界では絶対あり得ない。10年20年悩んでいるものでも、ほぼ一発勝負。その上2週間で結果を出さないと、「別れのサンバ」の世界なのだ。初発の時にお世話させていてだければどんなに楽だろうと思うが、僕らにはめったにそんなチャンスはない。
あの頃、もう少しだけ顔が良ければ俳優になっていたし、もう少し声が良ければ歌手になっていたし、もう少し悪賢こかったら政治家になっていたし、もう少し頭が良ければ医者になっていた。しかし、このもう少しに恵まれなかったばかりに僕の今がある。
ツイート |
更新日: 2023/11/10 |