70歳代 男性
もう2,3年、〇〇〇〇を取りに来るたびに、腕をまくって皮膚を見せる。
見るも無残な紫斑が広がっている。知らない人が見たら、離れてしまうだろう。
主治医も毎月その腕を見ているはずだけど、治療はしてもらえない。それどころかご自分の腕を見せて私と同じだと言うらしい。先生と同じ紫斑だが理由が違う。先生は脳梗塞か何かの既往症があり、血栓を防ぐためにアスピリンか何か飲んでいるらしい。だから出血するのは当たり前だ。でもその男性は血栓症はない。要は「治せない」と言うことを言っているに過ぎない。
ついに諦めたのか、「漢方薬で治る?」と尋ねられた。当然僕は「そんなものはやってみんと分からん」と答えたが、処方はとっくに決めていた。そして20日分飲んでもらって今朝、いつもの〇〇〇〇を取りに来た時に、紫斑の話題が出ないから尋ねると、腕をまくり上げて見せてくれた。すると新たな紫斑は1か所もなかった。以前のものが枯れて少し茶色の部分が残っているが、これでは素人にはわからないだろう。真夏でも長袖の服を着て隠していたが、今なら見せられるだろう。本人もかなり良くなっていることは認めたが、お礼の言葉は一切出ない。ある優越的な職業の人だから、そういう言葉は忘れたのだろう。僕はこちらから購買を促すことは決してしないから、続けて飲めとは言わない。しかし僕が懸念しているのは、20日飲んだだけで、将来の血栓を防ぐ予防効果はないから、いずれ皮下出血が再発し、それが脳に飛んで脳梗塞などを起こさないかと言うことだ。