今回は、不育症の検査の一つについて話したいと思います。
画像にもあるように、授精卵が子宮内膜に着床するのに最適な時期は、LHサージ後6~8日間の時期です。
※LHサージとは、LHというホルモンが大量に脳の下垂体から分泌されることで、排卵が引き起こされます。
他にも卵胞内の卵子が未熟な状態ですので、排卵前になってようやくLHサージによって卵子の成熟が進み、受精可能な状態となって排卵されます。
LH: (黄体化ホルモン)・・・脳下垂体から分泌されるホルモンで卵胞発育、排卵、高温期の維持に働きます
これを検査するのはERA検査です。
子宮内膜着床能検査といいます。
・子宮内膜には着床に適した期間があります。
※着床・・・受精卵が子宮内に接着すること
この期間は個人によって異なるため、この検査で特定することで最適なタイミングで胚移植をすることを目的とします。
良好な杯(AA)移植をしても妊娠に至らない方は、着床のタイミングがずれている可能性もあるので、このような検査で最適な時期を知ることができます。
例えば、胚盤胞は受精してから5日目の受精卵になるので5日目に胚移植するのが標準的になるのですが、ERA検査をすることによって
4日目または6日目に胚移植をするということになります。

中医学では、
受精卵を守るのは“気(エネルギー)”で、受精卵に栄養を与えるのは“血”だと考えます。
この気や血が充実し、しっかり巡っていることが着床とその後の妊娠維持に不可欠であるため、
着床する時期の前からしっかりと気血を充実させておくことが大切です。
また、血流が滞っていることを“瘀血(おけつ)”と呼び、着床を妨げますので、その傾向がある場合は、その傾向を改善します。
以上です。
参考にしていただければと思います。