体がだるい、朝スッキリ起きれない、食欲がない、下痢・軟便が続くなど、夏バテ(夏負け)の方が増える季節になってきました。
西洋医学では、夏バテに対して、ビタミン剤や消化剤、下痢止めといった対症療法的な薬しかないため、効果もあまり期待できないようです。
東洋医学では、夏バテに伴うだるみや食欲不振を始めとする諸症状を、各人の体力や体質、性格、生活様式などを総合的にとらえ、根本から治していきます。したがって、同じような症状でも様々な薬を使い分けていきます。
【よく用いられる漢方薬】
夏バテには胃腸の調子を整える高麗人参や血行を改善し滋養強壮作用のあるとうき当帰(とうき)、暑さで弱った肝臓の熱を取る柴胡(さいこ)が入った漢方薬がよく使われます。
もちろん、冷たい飲食物の取りすぎ、過度の冷房に注意して十分な休息や睡眠を取ることを心がけてください。
・清暑益気湯(せいしょえっきとう)
夏バテによる倦怠感や食欲減退に最もよく用いられる漢方薬です。
のどが渇き汗が出てだるく、軟便や下痢傾向の方に合います。
・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
清暑益気湯の場合と同様な症状ですが、普通便から便秘気味の人に用います。 寝汗をかいたり、微熱を伴う方もいます。
・柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
みぞおちからわき腹にかけてのはる感じや圧痛があり、口の中が苦かったり粘ったりします。食欲が落ち、特に午後からだるく、便秘気味です。微熱がある人もいます。肝臓の熱を取る作用があるので、肝炎に対しても有効な漢方薬です。
・半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
アイスクリームやスイカ、ジュースなど冷たい飲食物を取りすぎたことによる食欲不振や下痢に汎用される処方です。ガスがたまりやすく、お腹がゴロゴロ鳴ったりします。食後に眠くなったりだるくなる傾向にあります。のどはあまり渇きません。
・五苓散(ごれいさん)
下痢気味で、のどがとても渇きますが、尿量は少なく、時に吐き気や嘔吐を伴う場合に用います。熱中症にも使われることがあります。
「あの日の発作から、なんだかずっと不安で・・・」
こんな経験はありませんか? 【症状の見方】 突然、動悸や呼吸困難、不安感におそわれる。 パニック障害は電車や飛行機などの乗り物、映画館やレストラン、人ごみなどで呼吸困難や動悸、めまい、はき気、ふるえ、冷や汗などと共に強い不安と恐怖に襲われる症状をいいます。 何の前ぶれもなく突然起こるのが特徴です。一度、発作が起きるとまた再発するのではないかという予期不安で、仕事も手につかず外出もできない方もいます。うつ状態を伴う人もいます。 パニック障害は実はそれほどめずらしい病気ではなく、アメリカでは100人に3人の割合で発症しており、日本でもほぼ同率の患者さんがいると考えられています。今後、パニック障害に対する認識と理解が深まってくれば、患者数はさらに増えると考えられています。 【西洋医学的な考え方】 薬物療法と共に認知・行動療法を行うことも 西洋医学では、抗うつ剤や抗不安剤を投与して発作が現れるのを抑えます。 自律神経の緊張を緩める自律神経訓練療法やカウンセリングを中心とした認知療法、繰り返しその状況を体験することによって徐々に不安を解消する行動療法なども合わせて行うと効果が上がるようです。 【漢方的な考え方】 気の異常を整え、興奮を鎮める 漢方では、パニック障害は主に気の異常から起こると考えられています。このため気のバランスを整える処方がよく用いられます。よほどの重症でない限り、漢方薬を服用することで症状が改善されていきます。 【よく用いられる漢方薬】 漢方では患者さんの症状や体質に応じて、様々な漢方薬を使います。 一度、相談に来てみてください。 ・柴胡加竜骨牡蠣湯 (さいこかりゅうこつぼれいとう) 比較的体力があり、不安、不眠、動悸、めまい、時にみぞおちから脇にかけてのつかえがあって、便秘気味の人に用います。 ・柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう) 体力はあまりなく、神経質で動悸や不眠、不安感、イライラ、寝汗がみられる人に合います。 ・加味逍遥散(かみしょうようさん) イライラが強くて疲れやすく、不眠、不安、肩こり、頭痛などがある女性によく使用されます。 ・半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう) のどに異物感があり、不安感や動悸、めまい、はき気、咳などがある人に。 ・苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう) 立ちくらみやめまいが顕著で、疲れやすく、動悸やのぼせ、尿量が少ない方に。 ・甘草瀉心湯(かんぞうしゃしんとう) 食欲不振や下痢などの胃腸症状を伴うパニック障害に用います。 【自分でできるケア】 ① 規則正しい生活を心がける(早寝、早起き)。 ② ストレスをため過ぎないようにする。 ③ コーヒーなどの刺激物は不安発作を起きやすくさせるので、摂り過ぎに注意。 パニック障害の患者さんは呼吸が速く浅い方が多いようです。気のめぐりを良くするためにも、日頃からゆっくりと深く呼吸をするように気をつけましょう。 肺を大きくふくらませるイメージで! |
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更新日: 2008/07/07 |