高齢者に多い肺炎のうち、特に注意すべきなのが、
細菌が唾液や食べ物と一緒に肺に流れ込んで生じる「誤嚥性肺炎」です。
飲食物や唾液をのみ込む際は、
気管に間違って飲食物などが入らないよう、ふたが閉まる仕組みになっています。
誤って入っても、せきなどで気管の外に押し出されますが、
こうした働きは年とともに衰えてきます。
また、いったん胃に入った食べ物や胃液が気管に逆流し、その中に含まれる細菌が
肺に達してしまうケースもあります。
食後の3時間はなるべく横にならないようにすることが予防のポイントです。
唾液中には細菌類の増殖を抑える成分が含まれていますが、
この成分は年を取ると減少してしまいます。
口の中には約400種類の細菌類がいるとされ、
健康な人の口の中に普通にいる菌が誤嚥性肺炎の原因になると言われています。
特に入院したり、寝たきり状態になったりなどで歯磨きが不十分になると、
歯と歯茎の間などに細菌の塊である歯垢ができやすくなり、
口の中の衛生状態が悪化します。
こうなると嚥下障害とあわさって細菌が肺に入ってしまうのです。
抗生物質が効きにくい耐性菌が出てきて治療が難しくなるケースもあります。
誤嚥性肺炎を防ぐ上で重要なのが、口の中を清潔に保つケアです。
国内の高齢者福祉施設の入居者を対象に、
口腔ケアの有無と肺炎の発症率を2年間追跡したところ、
ケアによって発症率を約半分に減らせたとの報告もあります。
「歯みがき」は大切です。
喉仏あたりを人さし指と中指で優しく触れ、
30秒間に何回、唾液をごっくんとのみ込めるかを調べます。
3回以下だと誤嚥する可能性が高いため、
耳鼻咽喉科か詳しい歯科医などに相談して詳しく調べてもらうことが推奨されます。
最近になって、便秘は命に関わることもある病気だということが
明らかになってきました。 便秘によって心臓の病気や脳血管の病気のリスクが高まることがわかっています。 4日に1回以下しか排便しない人は、1日1回以上排便する人に比べて、 狭心症・心筋梗塞で死亡する危険性が1.45倍、脳卒中で死亡する危険性が 2.19倍になります。 また、便秘によって寿命が短くなる可能性があることを明らかにした 海外の研究もあります。 20歳以上の約4000人を対象に、便秘のある人とない人の生存率を 15年間にわたって調べたデータです。 調査開始から10年の時点で、便秘のある人では 生存率が12%以上の差が出ることが分かりました。 「便秘は体質だから...」とあきらめずに治療することが大切です。 |
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更新日: 2023/01/19 |