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無月経とは?

まず月経周期とは、月経が始まった日を1日目とし次に月経が始まる前日までの日数を指します。この周期には個人差があり、25~38日であれば正常です。

このうち、妊娠以外で3か月以上月経が来ない状態を無月経(続発姓無月経)と言い、婦人科ではよく見られる疾患です。主な原因としては、過度なダイエットやストレス、肥満、環境の変化などにより女性ホルモンのバランスが乱れることが挙げられ、また稀に女性ホルモンの調節を司る脳下垂体に腫瘍ができた場合や内科系のその他の病気が原因になっていることもあります。また、18歳以上になっても一度も月経のない場合は原発性無月経と呼ばれます。(無月経に関する詳しい解説はこちらリンク )

今回は富士堂にいらした、多忙のため続発性無月経になってしまった30代女性の漢方治療症例をご紹介したいと思います。


症例

東京都在住 女性(初来店時33歳) 生理不順の時ピル服用経験あり

31歳頃、元々生理不順気味だった生理が仕事の忙しさにより半年以上にわたり来なくなったそうです。

病院からホルモン療法を勧められたものの副作用なども心配なのでそれはできれば避けたいと思い、自力で生理が来るようにできないか、とご来店されました。

他店ですでに1年間、漢方薬を服用したが、生理はまだきていないとのことでした。


症状について

ストレス・多忙による発作があり、視床下部機能不全が原因と考えられます。
冷え症で下痢しやすい。 BMI:17.5
おりものがほとんどない。
FSH:4.7・LH:2.2・E2:18・PRL:16.6


具体的な漢方治療

気鬱・気滞・血虚が見られるため、理気と補血をする方針で治療することにしました。

実際にお出しした漢方薬:加味逍遥散鹿茸大補湯

食事/生活アドバイス:大豆を多く摂り、有酸素運動をするように。


漢方服用後の経過

9カ月で周期が安定し、経血量も正常に。

<服用1ヶ月目>
生理はまだ来ないが、体が温まり、おりものの量が増えた。
子宮内膜が成長したと判断し、活血のために折衝飲を生理予定日に合わせて、10日分追加。

<服用2ヶ月目>
約2年ぶりに生理が来た。量は少なく、2日間で終わった。

<服用4ヶ月目>
45日周期、2回目の生理。経血量・おりものの量ともに以前より増えてきた。

<服用6ヶ月目>
42日周期、3回目の生理。
生理3日目にしたホルモン検査結果はFSH:6.7・LH:5.2・E2:43となり初めてご来店されたときよりかなり数値が上昇してきた。
ストレスを溜めないようアドバイス。

<服用7ヶ月目>
35日周期、4回目の生理。ほぼ以前の順調だった頃の経血量になり、生理期間も6日になった。
漢方用量を半分に減量し様子を見ることに。

<服用9ヶ月目>
32~35日周期で安定、経血量も正常に。
漢方用量を1/3に。なくなり次第、漢方治療を卒業することに。


担当の先生からのコメント

自律神経とホルモンバランスを調整することで、完全に回復した一例です。
元々、多忙故の無月経だったこともあり、生活リズムを改善することも、回復に繋がる大事なポイントのひとつだと言えるでしょう。

担当: 中医師 張冬リンク 先生

<参照文献>
鶴賀哲史.ヘルスケアラボ.(2016)”月経不順・無月経”, 女性の健康推進室ヘルスケアラボ
https://w-health.jp/monthly/menstrual-problem/リンク  [2022.05.18]

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子宮は袋状の一つの筋肉からできており、子宮筋腫とは子宮の筋肉にできる良性の腫瘍のことを指します。婦人科系疾患の中では最も多く、30代以降の女性の20-30%に見られます。
悪性化することは稀ですが、放置すると大きくなることもあり、その痛みにより日常生活や妊娠出産など、女性の人生に大きく影響を及ぼします。
子宮筋腫の治療ではライフプランに合わせ、自分に最適な方法を見つけていくことが大切です。
副作用のため西洋薬での治療が合わない人や手術を先送りしたい人、閉経が近い人などには、特に漢方薬での治療がおすすめです。


子宮筋腫の分類|筋層内筋腫・粘膜下筋腫・漿膜下筋腫
子宮筋腫のほとんどは子宮体部に発生し、悪性化することは稀です。また、筋腫のできる部位によって筋層内筋腫・粘膜下筋腫・漿膜下筋腫の3つに分類されます

筋層内筋腫
子宮筋層内にできる筋腫のことです。子宮筋腫の中で発生頻度が最も高く約7割がこのタイプです。
筋腫を排除しようとすることで子宮の収縮力が強まり、強い痛みを引き起こしたり、月経血の量が多くなったりするなどの症状が見られます。


粘膜下筋腫
子宮内膜の直下にできる筋腫のことです。
筋腫が大きくなるにつれ、子宮内膜が引き伸ばされることで出血しやすい状態になります。これにより、毎月の生理の量が多くなることがあります。


漿膜下筋腫
子宮漿膜の直下にできる筋腫のことです。
筋腫が発育すると周辺の臓器を圧迫することがあります。またねじれることで、激しい腹痛やショックを引き起こすこともあります。
また、これらが複合して現れる場合もあり、どこの場所にできているか、どれ位大きいかで、症状の重さが異なります。


子宮筋腫図説


https://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=8リンク
公益社団法人 日本産婦人科学会.「子宮筋腫」(参照2022-02-22)



子宮筋腫の症状
子宮筋腫と一口に言っても、場所や大きさ、症状の強弱は人それぞれです。筋腫があっても婦人科検診で初めて気づく人もいます。
~こんな症状が見られます~
□月経困難症(生理痛がひどく日常生活に支障をきたす)
□月経過多(生理の出血量が多い)
□過長月経
□下腹部痛
□心理的負担
□頻尿・尿閉
□腰痛
□便秘

■痛み
筋腫そのものが痛むことはありませんが、ひどい生理痛(月経困難症)や下腹部の圧迫による痛みや違和感に悩まされることがあります。
また、生理の出血量が多かったり、8日間以上生理が続き貧血で寝込んでしまったりと、痛みによるストレスだけでなく、仕事を休むことによる心理的負担を抱えてしまう人もいます。


■圧迫症状
子宮筋腫が周りの臓器を圧迫することによる症状も見られ、膀胱や尿管が圧迫されると頻尿や、ひどい場合では尿閉となる場合があります。
また、腰椎やその周辺の神経が圧迫されると腰痛の症状が出たり、腸管が圧迫されると便秘などの症状が出たりします。

子宮筋腫の原因
子宮筋腫は卵巣から分泌されるエストロゲンという女性ホルモンにより大きくなることが分かっていますが、はっきりした原因は分かっていません。
エストロゲンに依存するため、30代から40代にかけての生殖世代にできやすく、閉経すると徐々に小さくなります。


子宮筋腫と妊娠
子宮筋腫は妊娠にも大きく影響します。
筋腫ができる場所によっては、妊娠を妨げ、流産の原因となってしまうこともあります。


子宮筋腫の治療法|経過観察・薬物療法・手術・漢方治療
子宮筋腫になったからと言って必ずしも手術をするというわけではありません。漢方治療も選択肢の一つです。

1)経過観察
症状がない場合、軽い場合では何も処置せずに3〜6か月ごとに検診を受け経過観察をします。

2)薬物療法
GnRHアナログというホルモン剤を用いて、エストロゲンの分泌量を抑えることで子宮筋腫を小さくしていきます。この場合、エストロゲンの量が減るためホットフラッシュやのぼせ、いらつきなどの更年期症状が現れることがあります。
痛みに対しては痛み止めを用いたり、貧血の場合には鉄剤を用います。また、痛みへの予期不安によって痛みが増す場合には安定剤を処方される場合もあります。

3)手術
外科的手術によって筋腫核を取り除きます。不妊や流産の原因となったり、腫瘍の悪性化が疑われる場合には、手術によって子宮筋腫を取り除きます。

4)漢方治療|桂枝茯苓丸など骨盤まわりの血流を良くする漢方薬
子宮筋腫はエストロゲン依存性であるため、エストロゲンが分泌されている以上、放置すると大きくなる可能性があります。また、子宮筋腫が大きくなったり複数できることで、子宮が変形し収縮が妨げられます。
筋腫を排除しようと子宮の収縮が強まることで、強い痛みを引き起こしたり、生理中の出血量が多くなることがあります。
また、経血の通り道が塞がれて生理が長く続いてしまうこともあります。この状態を漢方では「瘀血(おけつ)」=血液の流れがスムーズではない状態、と捉えます。
子宮筋腫による瘀血が見られる場合は骨盤周囲の血流を良くする漢方薬を使って治療していくことがあります。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)や折衝飲(せっしょういん)、牛膝散(ごしつさん)などの漢方薬がよく用いられます。
また、瘀血は冷えやストレス、栄養不良により二次的に引き起こされることもあり、冷えを改善しながら血の巡りを良くする温経湯(うんけいとう)、リラックスさせながら血の巡りを良くする血府逐瘀湯(けっぷちくおとう)などの漢方薬が用いられることもあります。
また、栄養不良の場合は桃紅四物湯(とうこうしもつとう)などの漢方薬を用います。


漢方治療2症例
ここでは子宮筋腫に伴う様々な症状が改善した2つの症例をご紹介したいと思います。
□症例1□ 40歳女性
<主なお悩み>
子宮筋腫があり、大きいもので4㎝と5㎝、他小さいものを含めると20個あるとのこと。
2年経過後徐々に大きくなっていることを気にされており、子宮筋腫による頻尿、下腹部の違和感、生理時の経血量が多いことからくる貧血症状などがあり、来局されました。

<その他の症状>
また、その他の症状として下記も見られました。
-貧血検査値で指摘される(動悸なし、息切れなし)
-疲れやすい(常に疲れている)体温36℃
-冷えあり(手足先)疲れると手の平の付け根が痛くなる
-睡眠問題なし11-7時まで(途中で起きることもある)

(生理の状況)

-生理期間中は貧血で顔が真っ青になる 出血量多い(夜用ナプキンを2-3時間で交換する)1-2日目が特に多い
-生理痛はない 貧血による頭の重さがある
-生理前にいらいらすし、胸が張る
-子供の受験によるストレスで胃痛がする。今も疲れたりストレスが溜まると胃が痛くなる
-仕事のやりとりでカッカしていることもあり普段からストレスが強い
-朝はお腹が空かず、夜に食べ過ぎる。晩酌にワイン2杯
-排便は2日に一回、バナナ型
-逆流性食道炎を指摘されたが、げっぷ(-)胸やけ(-)
-食べるのが速く、汗を全くかかない
-花粉症などアレルギーはあるが今は落ち着いている。口渇あり、皮膚乾燥

舌診:舌紅 辺尖紅 薄黄苔 るい瘦 暗 扇動
腹診:胸脇苦満 心下硬 小腹不仁
脈診:細弦

⇒処方 桃紅四物湯+加味逍遥散+四逆散 (煎じ薬)

▶3週間経過後
貧血症状の改善が見られ、また疲れやだるさ、肌の乾燥も改善。
また、硬かった排便が柔らかくなり、頻尿症状も改善し、胃痛も軽くなった。
疲れにより「食べないといけない」という強迫観念があったが、疲れが取れたことにより、暴飲暴食が治まったそう。また、食前に漢方を服用することで、食べ過ぎることを防げるとのこと。生理が軽くなった。
冷えは改善されていない。(主に下半身に冷えを感じる)

⇒処方 桃仁四物湯+逍遥散+桂枝茯苓丸+枳実 紅花 (煎じ薬)

▶更に4週間経過後
自覚症状として「顔色が良くなった」とのこと。
生理の量が減り、生理時の貧血が改善されて更に調子がいい。お腹の張りが改善し、お腹がへこむ。
生理前のいらいら、日常でのいらいらがなくなる。肌の調子がいい。
この方は現在も漢方薬での治療をしていますが、以前と比べ明らかに生活の質が良くなったという症例です。今後のライフプランに合わせて、治療を続けていく予定です。

□症例2□ 30代女性
<主なお悩み>
過労で寝込む。痛みで動けなくなり、婦人科でチョコレート膿腫(右22×37/左21×37mm)が判明し、ピルを服用し小さくなったがコロナの影響で婦人科に行けなくなったとのこと。
また、子宮筋腫(漿膜下筋腫、左腰のところにできている)が現在6cmで、病院からは手術を勧められたが手術を希望しないためご来局されました。
左側を下にして寝ると、じんじんするような痛みが出る。痛み止めを服用すると落ち着くそう。

<その他の症状>
生理…1日目は痛み止めを服用、経血量は少なく3日程で終わる。
2-3年前は貧血があったが食習慣の改善により貧血は治っている。

生理周期30日
生理中…のぼせやすくなる 汗ばむ
生理前…少しイライラし、甘いものが食べたくなる。胃痛がすることもある。
-足のむくみ、口渇あり
-足の指先まで血がめぐっていないため黒くなっている

舌診:潤 るい痩 胖大 紅
腹診:胸脇苦満 心下痞
脈診:細数

⇒処方 折衝飲+桂枝茯苓丸 (煎じ薬)

▶17日後
腹部の鋭い痛みがなくなる。寝起きにちくちく痛い感じ。冷えが解消され足が黒く変色していたのが治る。生理前の不快感なくなったそう。

▶更に2週間後
ちくちくした痛みも治まる。
また、生理中は手放せなかった痛み止めが要らなくなる。
生理前の胃痛は無くなったが、いらつきはまだ残っている。胸の張りも少しあり、生理中の眠気もある。

⇒処方 折衝飲+桂枝茯苓丸+四逆散 (煎じ薬)

現在も漢方薬は継続中です。子宮筋腫による痛みが日常生活にまで影響を及ぼしていましたが、痛みの諸症状が改善されて生活の質があがった症例です。

子宮筋腫の人にオススメしているセルフケア「血の巡りをよくしよう!」
骨盤周囲の血の巡りを良くしていくことが大切です。
大腰筋をしっかり動かすように意識して、ウォーキングなどの運動を日々の生活に取り入れるようにしましょう。
また「冷え」も血の巡りを悪くする原因となるため、なるべく体を冷やさないよう心がけてください。太ももなど大きい筋肉の露出を控えたり、足首周りを冷やさないようにしましょう。また冷たい飲食は避けるように気をつけましょう。

おわりに~一人一人のライフプランに合わせて最善の治療方法を~
女性の就労に伴うストレスレベルの増加や食生活などライフスタイルの変化によって、婦人科系疾患は年々増加傾向にあります。子宮筋腫の場合、妊娠希望、閉経間近などその人のライフプランに合わせて、自分に一番合う治療方法を見つけていくことが大切です。
治療の際はその人にとって最良の漢方薬を選ぶだけでなく、今後のライフプランとともに、それに沿ったライフスタイルも合わせてご提案いたしますので、お悩みの方は是非一度ご相談ください。

薬剤師 田村英子リンク

<参考文献>
百枝幹雄(2013). 子宮筋腫. 子宮筋腫・子宮内膜症・子宮腺筋症 診療マニュアル 診断と治療社
医療情報科学研究所(2018). 子宮筋腫. 病気がみえるvol.9 婦人科・乳腺外科 メディックメディア



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舌痛症とは、文字通り「舌が痛い」という症状が主になり、全人口の0.7~3%が発症すると言われています。病院を受診しても原因が分からず、色々な治療法を試したが治らない、というケースが多く、治らないまま放置しているうちに、症状が徐々に悪化してしまうケースも少なくありません。痛みが長引くことで、精神的な不安感が強くなったり、ストレスを感じたりする人もいます。また、器質的には問題がないため、「問題なし」と片付けられ、気持ちのやり場をなくしてしまう人も中にはいます。こうした原因不明といわれる症状に対して、個人の体質を見極めた上で体を整えていく漢方薬が有効的な手となる場合もあります。

■舌痛症はどんな病気?
「国際頭痛分類第三版」の定義によると、舌痛症とは「舌自体に潰瘍や炎症などの器質的な問題はなく、連日2時間以上にわたって繰り返す痛みが3か月以上続く状態のこと」を指します。
舌の痛みを伴うものに下記に示すようなものがありますが、これらの舌に痛みを起こしうる全ての病気を除いたものを「舌痛症」とします。
舌痛を伴う病気一覧


口腔回りには三叉神経や顔面神経が広く分布していて、口の中の感覚や顔の表情を作るために、機能しています。また、口の奥の方には舌咽神経や舌下神経も広く分布しています。口腔内の痛みを引き起こす原因となるのは三叉神経や舌咽神経などですが、「舌痛症」の場合はこれらの神経による痛みを除外して診断していきます。このような神経による痛みの場合、カルバマゼピンなどの抗てんかん薬などが用いられることがあります。

■舌痛症の症状
慢性的な痛みや痺れが主な症状ですが、痛みの表現は人によって異なります。「ヒリヒリする」「カーッとした痛みがある」「ピリピリする」など、様々な表現がみられます。また、口腔内の乾燥感を伴う人もいるため「口腔灼熱症候群(バーニングマウス症候群)」とも言われています。痛む部位は移動することもあり、食事中は痛みを感じないという人もいます。
この様な症状がよくみられます
✓見た目には何も問題ない
✓舌がヒリヒリして、灼熱感を伴う痛みがある
✓ピリピリ感、痺れを伴う
✓口の中の乾燥感を伴い、粘つく、ザラつく
✓食事の時に特にしみるわけではなく、食事中は舌痛症であることを忘れる。


■舌痛症の原因
舌痛症のはっきりとした原因はまだ解明されていませんが、更年期や心身症、食事の偏りと何らかの関係があるのではと指摘されています。
舌痛症と更年期
舌痛症は更年期以降の女性に多く見られます。男性より女性の発症率が高く、女性の有病率は男性の8~10倍とも言われていますが、特に女性ホルモンとの関係性は分かっていません。
舌痛症と心身症
舌痛症は心身症の一つとも考えられていますが、舌痛症を抱える人の多くに、元々不安感が強い傾向があります。
食事の偏り
食事の偏りによる亜鉛やビタミンB類の不足により、舌の炎症を呈している場合もあります。亜鉛やビタミンが不足しているか否かの判断は、その他症状と血液検査によって総合的に判断されます。
 
■舌痛症の治療
舌痛症はその内3%が自然治癒すると言われていますが、多くは長期化してしまいます。痛みにより生活の質が著しく下がることもありますので、適切な治療を行う必要があります。
このような原因不明の症状に対する治療は漢方薬の得意とする分野でもあります。

■舌痛症に使われる漢方薬
舌痛症には、下記のような漢方薬が使われることがありますが、いずれにせよ「この症状にはこれが効く」というものではなく、体質を伺った上で、どの処方が合うのかを判断していくことになります。

〇栄養不良と考えられる場合…十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
〇自律神経の乱れ、イライラや睡眠の質が悪いなどの症状が見られる場合…柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、加味逍遙散(かみしょうようさん)
〇食欲旺盛でのぼせや血圧が高い症状も合わさっている場合…黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
〇口の中が渇く、乾燥が気になる場合…麦門冬湯(ばくもんどうとう)
これらは舌痛症によく使われる代表的なものになりますが、いずれも漢方治療では「木を見て森を見ず」の医学はありません。局所だけ見て判断するのではなく、全体的な体のバランスがどのように乱れているかを見て漢方薬を選びます。

ここで当店にいらした方で、3週間の漢方薬の服用により長い間悩まされてきた舌痛症が改善した症例をご紹介させて頂きます。

【60代女性】
舌先のひりひり感を訴えてご来局。唇や舌の裏に症状があり、食事による舌への刺激はなく、むしろ食事をしていた方が症状は和らぐ。化粧品などは今まで通りのものを使用しており特に変えていないそう。更に詳しくお話をお伺いすると、物事に集中している時は、痛みを感じず、また痛みは疲れやストレスによって悪くなることもないとのことでした。ご本人にも原因が分からず、毎日の痛みによる不快感のせいで気が滅入っている状態でした。

また、この患者さんは舌の症状以外にも次のようなことを訴えていました。
『ここ一カ月は頭鳴りがして、MRIの検査をしたが、特に異常は認められなかった。昨年家族を亡くし、現在は精神的には持ち直しているものの、やはり時々思い出しては悲しくなる。普段から眠りの質は悪く、二時間おきに目が覚めてしまう。
また、足が熱くなり、体の芯から熱くなることもある。排尿に関しては正常ですが、夜間トイレで目が覚める、また、排便に関してはコロコロとした便が出る。食欲は年齢相応で、昔に比べ、量は減っており体力も落ちた。』

腹診:小腹不仁
脈診:細沈
舌診:薄白苔 辺尖紅


このケースでは舌の痛みだけでなく、体が火照って熱がこもる体質や腹診、脈診などから総合的に判断した結果、地黄を用いた処方が良いと考えられました。そこで、知柏地黄丸(ちばくじおうがん)を服用して頂いたところ、3週間ですっかり痛みを感じなくなったそうで、精神的にも落ち着き、気持ちも楽になったご様子でした。

漢方治療には、抱えている症状を改善するだけでなく、全体的に整えて体も心もバランス良くしていくことができるという大きな特徴があります。
原因不明の舌痛症に悩み、病院を数軒受診しても治らずに不安を感じている方は多くいらっしゃいます。そんな方はぜひ、漢方治療もお考え頂くと良いでしょう。

担当 田村英子先生リンク (薬剤師)

参照文献:
JSOMS. 「口腔外科相談室」. 公益社団法人日本口腔外科学会.
https://www.jsoms.or.jp/public/soudan/kouku/itai/リンク (参照2022-04-02)

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富士堂漢方薬局では日々、様々な悩みを抱えたお客様の治療にあたっております。
その中でも比較的多いのがアトピー性皮膚炎蕁麻疹湿疹などといった皮膚症状に関するお悩みです。

「病院で治療したがなかなか治りきらない」「一時的に良くなってもぶり返す」など、長い間悩まされている方が多い印象です。
皮膚表面の治療だけでなく、再発しにくいよう体質改善ができる漢方薬というものは、皮膚病の治療に適任だと言えるでしょう。

ここでは最近、富士堂で実際に治療された方から届いた声や症例などをいくつか紹介していきたいと思います:)


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「先生の言われた通りに、生活習慣や食事に気をつけて、その上で毎日漢方を飲み続けたことで、肌や鼻が良い状態になりました。」

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「ステロイド外用薬はできる限り使いたくないんです...」あきらめずに根気よく漢方治療を続けることで、長年苦しんだ痒みなどが改善に向かった、40代男性の漢方治療の症例報告です。

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