健康トピックス 「過食症」

本人も家族も最初の思いとは違って、だんだん要求がエスカレートして行く事が恐いので
エスカレートしそうな要求には必ずリミットセッティングが必要です。
「ここまではOKだけど、それ以外は無理」と約束させることです。

一方で、別の共通の話題を探して家族の風通しを良くして
共通の話題で盛り上がり本人の発言力、表現力、主張力、交渉力をつけていくことです。

充分に話し合えるほどに家族の風通しが良くなったら互いの言い分を話し合い、
親の言い分も言いながら子供の妥協案を引き出させる事が大事です。
家族で話し合って、例えば、「我が家のルール」を作ることです。
ここで大事なことは、親の押しつけルール厳禁!です。

「過食」やその他の「しがみつき」をしている人は不安↑でイライラ↑ですので、
「何気ない一言」でカチンときて怒りに火をつける事があります。
親にしてみれば理解できず苦しむ結果になるので注意が必要です。

本人の発言に関して実害のない限り、「それは違うやろ!」と思うような事でも、
一度「そうやなあ」と受け止めるようにして否定せず「聞く」ことです。
まずは、主張できるのは良い事と考えましょう。
ただし、暴力や経済的な実害やエスカレートしそうな要求には「ピシッと」拒否するか、
「やんわり断る」か、「リミットセット」のいずれかを選択することになります。
これはケースバイケースです。
「かまって」「淋しい」と「ほっといて」「うるさい」の相反する心理がありますが、
「かまってモード」で親が付き合いきれない時は、「NO」と言ってOKです。
ただし、言い方が大事です。
「うーん」と言いつつ、「間」を置きながら、やんわりと(理由を言って)断ります。
(言い方には工夫が必要)

ケースバイケースの場合、対応に困った場合、一度だけやってみてどうなるか?
そこから何が見えて来るか?それによって今後の対応を考える一歩になります。

     

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摂食障害など問題行動を起こす背景には、
干渉されたくない気持ちと
心配させたくない気持ちが入り乱れて、
「見て見て!」「隠す」などになることがあります。
こんな時は親の気づかいが裏目に出る事が多く、
親の考えやアドバイスは厳禁です。
言ったところで受け入れる余裕なくうっとうしいだけなのです。

また、何かを親のせいにするケースでは、
自分で重荷を引き受けられないため、甘えや依存心によると考えられます。
これは親が悪いわけではありません。
下手な慰めはエスカレートする恐れあるためNGです。
「(親のせいにするのでなく)自分の問題だ!」と一度だけピシッと言ってもいいのです。
その後は、その問題以外の会話で親子の風通しを良くすることがよいのです。

当人の「どうしたら?」という質問には
基本的に答えを出さず「自分で考えるように」しむけます。

何かに対して下手な慰めは逆効果です。
まずは一度受け入れて、共感して、自分の考えや意見は封印します。

正論が通じない事が多いので、また、逆効果も多いので、
親(サポーター)はまず「聞く」事から始めます。

良かれと思ってやって逆効果は良くある事と知ることです。

摂食障害などで思いきった荒療治(一切お金を家に置かないなど)は
功を奏する事もありますがマイナスに行く事もあるので覚悟がいります。
対処した初期は暴れるかもしれないので相当の覚悟が必要です。

また、摂食障害の人は「太ったね」とか「やせたね」という言葉に
敏感になっているのでその事は触れてはいけません。
本人がその事に触れると親(サポーター)は自分の考えを封印して共感しておくだけに留めます。
「はあ、そうかぁ」くらいで、中途半端に答えるようにします。

否定はせずに、自分で問題を解決する力を伸ばしてあげる事が肝要なのです。

     

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問題行動を解決する場合、
本人と向き合うことが大事なのですが
親やサポーターが鼻息荒いとダメです。
あくまでも本人のペースに合わせる事です。

本人の「こだわり」以外の事で、本人の喜ぶ話題で親子の会話を増やしていくこと
これが糸口になります。

親子の関係が良くなると、良い治療のスタートがきれます。
話題を探して「乗って」来たら聴く事、
逆に、嫌な素振りや乗ってこなければ即STOP。
しつこくならないように、あきらめずに話題を探す。
こうして糸口を探すのです。

親子の関係改善が第一段階。
ここで会話が増えれば糸口が見つかります。
本人が親を信頼して言いにくい事や秘密を打ち明けてきても、
親が否定せず傾聴してスパークを誘発するのです。

親(サポーター)が恨まれるような事を言う必要はありません。
世間が教えてくれるのを待ちます。

本人を説得しても受け入れられる事はありません。
支援者はそれを良く理解して行動する事です。
例えば過食症や拒食症の人に
「太っている、太ってない」の押し問答をしても意味がない。
逆に「わかってくれてない」と思うだけ。

お互いの思いをぶつけても平行線にしかなりません。
共通する問題の優先順位は何かを考えて、
核心には触れず、琴線に触れず、
まずは、親(サポーター)の考えを封印して本人の話に耳を傾ける事です。

本人のプレッシャーになる事は話題にせず、
リピート&雑談の主導権を本人にとらせる事です。

基本的に否定せず、親(サポーター)の考えを押し付けず、
本人のこだわりや主張をリピート又は相づちで認める事。
認められたら自己肯定感が上がるのです。
例)「そうか、それが苦手なんやね。」


経済的実害や例えば、過食症の子が「お母さんが食べて!」といった
本人の解決につながらない要求は「鵜呑み」せず、
条件をつけて(例えば、「今回だけ」とか)受け入れるか、
やんわり断る事。要求のエスカレートには気をつけないといけません。


ストレートに聞かない事。
話題を振って誘い水をして教えてもらうというスタンスで行くのです。

話合いができるように持っていく事。
そのために、「待つ」「リピート」で理由、理屈を言わせるように仕向けるのです。
例えば、本人のせいで家族が困っているとします、
話合いができるなら、
何回も話し合って本人の譲歩案を引き出す。
話あえて「我が家のルール」を作る事に成功したら良い。
ルールは押し付けたらNGです。

           

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親に気に入られようと「良い子」を演じてきて、
成長とともにそれが苦しくなって
社交障害や摂食障害など
問題行動になってしまっている人は多いものです。

その解決エッセンスの一部を紹介します。

・本人が来院できない時は
 家族にアドバイスして本人の治りたい気持ちと
 表現力を上手く引き出させるようにする。

・本人が「治りたい」と思う事、
 家族が「治してやりたい」と思う事。
 その強い気持ちが大事。

・良い子を演じる事で自分の居場所を確保してきた子が、
 良い子を止めるのは容易い事でない事を家族は良く理解する事。

・本人の発言力を高める事が大事。
 自分の持ち味を理解して伸ばすように持っていく。

・「言いたい放題のわがまま」と「本質を伸ばす自己主張」は違うので、
 客観的に受け入れ難い事については、言い方を工夫して拒否してOK。
 話し合えて本人から譲歩案を引き出すことができれば、なおOK。

・「本質の自分」と「今までの演じていた自分」とのズレからくるストレスや窮屈さがある。
 自分でも「何とかしたい」と思っても「何ともできない苦しさ」がある事もある。
 ここを理解しないといけない。

・摂食障害の場合、「ズレ」の隙に「やせ願望」が入り込んで、
 痩せる事=自分らしさという満足感で満たされると抜けだしにくくなる。
 別の「自分らしさ・生きがい」を探さないといけない。

・健全に自己主張する事が大事。自分らしさとは?
 それを見つける事が大事。

         

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拒食症や過食症で悩んでおられる方の御家族へ

拒食症や過食症といった摂食障害で悩んでおられる方は、
子供のころ、親に気に入られようとして、
「良い子」を演じていた自分が、
成長とともに「本来の自分」が出てきて
その狭間でどうも感じ方や感覚がちぐはぐになって
たまたま「痩せる事」に活路を見出したというか
「痩せる事が自分の生きがい」
とでもいうようになってしまっている方が多いと感じます。

ここから脱出するには、
自分の持ち味に気づいて「自分に合った生き方」を見つけて
それを伸ばす事が大事です。
すなわち、しがみついている事(体重など)以外で
自分に合ったものに出会う事が大事となります。


摂食障害の人は、
親に心配かけたくない思いと
太りたくないという思いとの葛藤があります。

ですので、親の前では心配かけたくないという思いで
食べるふりなどの演技をする事もあるので注意が必要です。

拒食症の人は、
内科的データで異常ない事、
体重が必要最低限キープできている事が絶対条件です。
必要に応じて入院も視野に入れなければいけないので、
内科医との連携は必須です。

また、拒食症の人は固い意志で食を拒んでいるという事を
親(サポーター)が理解するという所からのスタートになります。
本人は痩せている事に満足しているため
治療には乗ってこない事が多いものです。
これを親(サポーター)が悟って
「食べなさい」ではないアプローチをできるようにしないといけません。

それと、本人が「入院しないで済む」という体重を
自分の意思でキープする事が大事です。
そのために入院の必要性は○○キログラムという設定をし、
それを本人に了承してもらって
体重を維持させる事が命を守る原則となります。

過食症の人は、根は強力な「やせ願望」「太る事への恐怖」があります。
過食→拒食、拒食→過食などいろいろ、
過食で太っているパターンもあれば、
過食しても吐いたり下剤で痩せている人もいます。

過食して、吐く・下剤で出す などで
痩せて体も心もボロボロになるケースも多いものです。

拒食症の人は感情の波が少ないですが、
過食症の人は感情の波が激しいと感じます。

過食症の人は、いつも「自分は太っている」という思いがあって、
家族の「普通やで」という言葉に
自分をわかってくれないという思いに不信感が募り、辛く苦しんでいます。

また、食べて、吐いて、罪悪感や自己嫌悪になって落ち込む事も多いものです。

太る恐怖が常にあって下剤に頼ることで「痩せている」をキープしている人は
用量オーバーで一種の自傷行為でありこれは楽観視してはいけません。
体内のミネラルバランスが崩れて命の危険すらありますので
こういう人はデリケートに扱う必要があります。

過食症の人は感情の波が激しく、不機嫌、家族を巻き込んで
「太る恐怖」から逃れるために
不安から家族にあたったり暴力をふるったりということもあります。
「食べたい、でも痩せたい」が常にあるので、
ここから意識をはずして別の所に興味が行くような
「生きがい」「自分らしさ」を見つける事を手伝うのです。


「夢中になれるもの」「生きがい」を見つける事で
「食」に対するこだわりやしがみつきから脱出させることができます。


いずれにしても、簡単ではありません。
少しづつ、山を一歩一歩上っていくようなものです。
その山道は山あり谷ありの「波」があります。
一喜一憂せず、長期戦で闘っていきましょう。

     

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