日によって「今日は何となく体調が悪い」ということ、たまにありますよね。
体の具合が悪ければ、病院へ行って診てもらうのが普通です。
しかし、病院へ行って検査をしてもらっても、特に体の異常が見られないと言われることがよくあります。
目で見て分かる症状や、検査値に異常がなければ、原因を特定することはできません。
症状自体が重いものでなければ「気のせい」で片づけられてしまうかもしれません。
私たちは普段、「気のせい」という言葉を「単なる思い過ごし」という意味で使っています。
しかし、東洋医学の考え方は違います。
東洋医学では「気」を人間の生命活動を担う、目に見えないエネルギーとしてとらえています。
「気」は絶えず体の中を巡っていて、この流れが滞ると体に不調が現れると考えています。
「気」のメカニズムは電気に例えると分かりやすいです。
電気は通常、目には見えませんね。
ですが、身の回りの電化製品は、電気がうまく流れないと本来の機能が発揮できません。
電気が完全に流れなくなると、機械の動き自体が止まってしまいます。
エネルギーの根源である「気」は、
体に栄養を運ぶ赤い液体である「血(けつ)」、体に潤いを与える透明な液体「水(すい)」とともに体の中を巡っています。
ところが気・血・水の巡りは、ストレスや生活習慣の悪化によって滞りがちです。
漢方の治療では、これらが滞りなく巡るように、その人の体質や状態に合った漢方薬を処方していきます。
つまり検査結果に異常がなく、「気のせい」と診断されるタイプの体調不良は、漢方の治療で改善できる可能性が高いということです。
「病は気から」という格言は、まさに漢方の基本を表す言葉なのです。
病は気から
薬草の森 はくすい堂 博多リバレイン店 (福岡市博多区)
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更新日: 2016/11/12 |