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疲れの裏に乱れあり。

からだに蓄えた水(すい)というのも、
それを取り巻く環境や習慣などにより、病や症状の種の一つになりえる。
前回は、そういう話をしました。
そういうものに影響されて、からだの水はけが悪くなる。

そうして、さまざまな症状が現れやすくなる。

ただ、水(すい)にまつわる問題は、環境や習慣以外によっても影響されます。
以前からたびたび話題にしている「老い」もその一つ。
環境や習慣によって悪化してしまうのに対して、
齢を重ねることに伴い、衰えていく。
「悪化するのと衰えるのは、大きく異なる」と考えるのは、
果たして私だけでしょうか。

そして、人体の水はけは、
五臓六腑における脾・肺・腎の働き

脾:体内に水を取り込む
肺:吸収した水を全身に運ぶ
腎:濁った水を外に出す

によって支えられており、
各々の働きが鈍ることで、特徴的な症状が現れます。
またそうして体内に滞溜した水は、気や血など他の要素にも影響を及ぼし、
動悸やうつうつ感、生理痛、冷えなど心身の不調につながる場合も少なくありません。

そのような「水に端を発して生じる諸症状」に対して、
よく用いられる生薬に伏苓(ブクリョウ):サルノコシカケの一種があり、
水を利する働きに加えて、心神を安ずる効能を有しています。
「利水」と「安神」。
一聞すると、互いの効能は結びつかないと思われるかもしれませんが、
そのような部分にこそ、漢方の妙があると思うのですよ。

疲れの裏に乱れあり。

老化にしたがって現れる「毒素」にまつわるトラブル。
これからの季節に顕著になる毒素といえば、
やはり「水(すい)」ではないでしょうか。

漢方でいうところの水(すい)と、
日常的に飲む水(みず)とは、少し意味合いが違います。
簡単に言ってしまえば、漢方の水(すい)は、からだの一部。
対して、水(みず)は自然界の一部。
然るに、からだに取り入れた水は、
この水(みず)と水(すい)の中間のような状態、
自然と人体の両掛けのような状態といえます。
然るに、誤った水(みず)にまつわる習慣は、人体の水(すい)に影響を与えます
反映されてしまう。それは良くも悪くも仕方がない事でしょう。

そして、水にまつわるトラブルが増加するのが、これからの暑い季節です。
暑い季節ですから、水分摂取が増える。
汗をかきますから、当然のことでしょう。
けれど一方で、水分摂取が増えるという事は、
人体の水(すい)に波風が立ちやすくなる。

即、トラブルが生じるというわけではありません。
ただ、トラブルが生じるリスクが大きくなる。

簡単な話、からだに水を取り入れることは、
からだの水かさを増やすことに通じる
わけですから、
かさが増えた分だけコントロールは難しくなります
ただ、それを回避するために、水分摂取を控えるという理屈は、
少なくとも夏には通用しませんよね。

疲れの裏に乱れあり。

前回の引き続き、老化と毒素について。
毒素というと、文字通りの毒(ポイズン)と捉えてしまうかもしれませんが、
漢方では、からだに負担をかけるものの総称を毒と考えます。
言いかえれば、毒性が限りなくゼロに近い毒
ただそのような毒でも、塵も積もれば何とやらで、滞積することによって災いと転じる。
そういうもの、そういう性質が漢方でいう「毒」であり、
それに伴って現れる症状などは、さしずめ毒証といったところでしょうか。

ちなみに「中毒」は毒に中(あた)ることの意。
漢方でいうところの毒には、この中(あた)るという考え方はありません。
ただ一方で、解毒という考え方はあります。

加齢と伴い、からだにそのような毒素がたまりやすくなる。
言い方を変えれば新陳が悪くなる。
その背景には現代の生活習慣が影響している。
前回はここまでお話したと思います。

少し脱線しますが、こういう話をする上で、
私が個人的に念を推しておきたいのは、
生活習慣とか様々な健康法とか予防法などは、
良くも悪くも一つのリスク・マネージメントという点。
ある習慣に陥れば、ある症状が出る・・・のではなくて、出やすくなる。
ある予防法を心掛ければ、ある症状が出ない・・・のではなくて、出にくくなる。
インフルエンザとその予防で考えると自明の事と思います。
けれど、「じゃあ、予防接種とか手洗い・うがいって、やっても意味無いじゃん・・・。」
とは、実際にはなりませんよね。
それはそれで、リスク・マネージメントとして、一定の役割があるわけです。
ですが感染症でいえば、医療関係者と一般の方ではリスクの程度は大きく異なります。
そこではやはり、医療関係者は、一般の方以上に予防に、気を配っている。
それもまた事実です。

そして、老い・老化というのはある種、
行き着く先というか結果が決まっているものです

齢を重ねると、こういう症状が出やすくなり、健康上では、こういう病が現れやすい。
けれどもそれは「万人がその通り」であって、
「貴方がその通りかどうか」は定かではありません。

ですから、万人に当てはまる老いへの対処も大切ですが
より貴方の老いにあった対処法:リスク・マネージメントが重要になってくるわけです。

男なのか、女なのか・・・
夏が過ごしやすいか、冬が過ごしやすいか・・・
仕事をしているのか、そうでないのか・・・
家族はいるのか、いないのか・・・
趣味はあるのか、ないのか・・・

そのようにして実に多様な事象が、
人生に影響を与え、貴方の老いは成り立っていくと思うのですよ・・・。

疲れの裏に乱れあり。

人間の老化で、最初に挙げられる症状は
デトックス:体から毒素を排出する能力の衰えです。
即ち、齢を重ねることにより

・汗が出にくくなる
・昼間の排尿が減り、夜間尿になる
・胃腸運動が失調して便通が悪くなる

というような傾向が強くなり、
からだにとって悪いものが溜まっていく。
言い方を変えれば、新陳(陳とは古いものの意)が悪くなる

この事は漢方でも古くから考えられていることで、
水毒やオ血(血が滞る)といった病態も
体内に毒素が滞留しやすい一つの状態を意味しています。
では毒素が滞留する原因は、どのような点に起因するのでしょう?

一つには生活習慣が挙げられます。
今日の老化は、多分に生活習慣病としての側面を含んでいます。
例えば、空調に頼った快適な住環境に代わるかたちで、
汗をかく習慣が失われれば、それに頼った新陳代謝は自ずと低下します。
そのような状況の中、水を服むことによって涼を得れば、
さらに体内に水分が滞留しやすくなる。
すると、汗による排出が行われない分、相対的に排尿の割合が増える。
そしてそれはしばしば夜間尿に現れてくる。

このようなとき、夜間尿が増えたことは、水分の取り過ぎに因るものだとして、
中には水分摂取を控える方がいるかもしれません。
ですが「清をもって濁を制す」。
清の入を抑えることは、濁の出に影響する。
すなわち、水分摂取を過度に抑えることは、体内の水分代謝にも影響して、
湿や痰のような濁水が溜まりやすくなるというリスクも含んでいます。

水をほどほどに服んで、汗をほどほどにかく。
そのような基本的な営みによって、
からだ全体の水分代謝が実は支えられているのですよ。

疲れの裏に乱れあり。

多くの方が「齢を取ったなぁ・・・」と感じる状態の一つに
「からだがついていかない」という訴えがあると思います。

俗にいう、やる気とか気概に、からだがついていかない、この状態。
これが続くことで、中には気概を無くしたり、やる気を失うといった、
心そのものが小さくなるケースも少なくありません。

東洋医学の考えに、心身一如:心と体はつながっており、
良い影響も悪い影響も互いに反し合う、という考えがあります。
上記のような、からだにがついていかないというトラブルでは
からだの衰えに、しばしば心が引き込まれてしまう。
そうして、からだの不調が心の不調に伝わる。
また、からだが衰えずとも、定年退職でしばしば見られるように
積極的な生活から消極的な生活にシフトすることで、
意欲がすっかり衰えてしまうのも同じような話だと思います。

病は気からと言います。
多くの方はこの意味を、「気の乱れや衰退が病を起こすきっかけになる」
と一方通行に思いがちですが、果たして、逆の事も言えるのではないでしょうか

すなわち、病を退けるには、気の充実が突破口になる
西洋学的な治療でもその通りでしょう。
そしてそれは、老いに対しても同じ。
からだは齢を重なることで老いやすくなります。
ですが心は本来、老いとは無縁と私などは考えています。


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