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汗をかきやすい方にとって、今の暑い季節は、やはり過ごしにくい時期です。

この時期に盛んになる発汗には、暑さが多分に影響しています。
すなわち、暑いから汗をかくという反応です。
ですが実際は、それ以外の場面でも汗をかきます。
激しい運動をしてもかきますし、辛い食べ物を食べてもかきますし、
はたまた緊張してもかきますし、かぜを引いたときにもかきます。
いずれもかいているのは「汗」という同一のものなんですが、
その成り立ちというか経緯は、それぞれです。
いいかえれば、発汗による作用・効果がそれぞれ異なるわけです。

最初の話に戻りますが、今の暑い季節にかく汗は、暑いからかく汗。
ですから汗には「熱を冷ます」という作用がこめられています。
冷ますという目的ですから、汗は広い範囲で、
即ち、からだ全体でかいた方が理に適っています。

また、暑いからかく汗には、
外からもたらされる暑さだけでなく、体内で生じる熱も影響しています。
運動によって生じる熱や、免疫反応による発熱がこれに当てはまります。
ちなみに、外から発せられる熱を外熱、内に発する熱を内熱と呼び、
暑さによる発汗は、この外熱と内熱の足し算によって決まってきます

ちなみに、からだが弱ったからかく汗というのもあります
そもそも、汗をかくというのは垂れ流しの現象ではありません。
発汗するほどに消耗していきますから。
必要以上にはかかないように、肌膚によって調節されているわけです。
ただ、あまりに消耗しすぎると、からだが弱ると、その制御がうまくできなくなる。
すると、垂れ流し様になってしまうわけです。
そしてこのタイプの汗は、寝汗として現れるのが特徴です。

起きている時は気配がある。つまり、肌膚へ気を配っています。
しかし就寝中は気配がない。つまり、肌膚への気の供給がストップしている。
気の抜けた肌膚は、疎かになるので、そこから汗が垂れ流しになる・・・というわけです。

小難しい話ですが、私たちが今の資本社会の中で生きていくには、
健康であることとは別に、経済力が必要です。

ただ単に金銭を持っていることは経済力があるとはいいません。
(もちろん金額にもよりますが・・・)
継続的に手元に金銭が入ってくる、もしくはそういう手段をもっている。
そういう継続的に金銭が入手可能な状態を「経済力がある」といいます。
例えば、100万円を持っている。
これだけでは経済力があるとはいいません。お金をもっているだけです。
ですがその100万円を活用して、なにか事業をして、
毎月決まった日に5万円ずつ貯金を積み重ねていく。
これを経済力があるといいます。
経済の上で、なにかを経営していくときには、
この経済力が必須の条件であるといわれています。

そして、この考え方は、健康にも当てはまると思うのです。
さしずめ健康力といったところでしょうか。
ある意味、若いうちは健康なのは然るべき。
元気なうちは健康なのも然るべき、
そして、暖かい季節に調子が良いのも然るべきでしょう。
それだけの元手、蓄え、状況が揃っているのですから。
先で述べた100万円を持っている状態がこれに当たるわけです。

ではその状態から、どういう活動をしていくか。
過ごしやすいから、無理が利くから、夜遅くまで起きているか。
暑いから、しんどいのが嫌だから、涼しい部屋でじっとしているか。

会社を経営していくには経済力が必要。
同様にして、心身を経営していくには健康力が必要
そして金回りがないと、経済力が生まれないように、
健康を回さないと、健康力も生まれません。
ぜひご自身の健康を回してください。
それは、お医者さんにも、お薬にもできないことですから。

この時期に盛んになる暑さ対策ですが、
その方法として、冷たいものばかり口にするのはお勧めできません。
おなかが冷えるから。
たしかにその通り。
ただし、「冷たいものを口にする」に、暑さ対策として高い効果があれば、
それもある程度は仕方がないのかもしれません。
すなわちハイリスク・ハイリターンであれば。
ですが、実際はその通りではありません。
暑さ対策としてはあまり効果がない。効果が薄いと思われるのです。

そもそも、暑さや熱射は、からだの表面を脅かします。
日焼け対策は、まさしくこれに従うことでしょう。
ですから、暑気当たりに陥ったときでも、
症状の多くはからだの表面に集中しています。
その予防や対処法として、冷たいものを摂る。
摂りいれた冷たさは当然、からだの最奥であるおなかに蓄えられます。

トラブルはからだの表面:表で起こるが、
これに対してからだの奥:裏から対処していく

熱する、冷やすという視点から見たとき、
この表裏の隔たりには何の恩恵もありません。
簡単な話、からだの表面に熱するなら
からだの表面で冷やした方がずっと効果的という事になります。
また、暑さや寒さなど温度の変化に対しては、からだの内側よりも、
表面の方がずっと耐性に優れています


ですから、暑気当たりや暑さ対策として、冷たいものを摂るというのは
心地が良い反面で、効果としてはかなり薄いわけです。
ハイリスク・ハイリターンどころか、ハイリスク・ノーリターン
おなかが冷える云々よりも前に、効果が薄いからこそ、お勧めしないわけです。

補足ですが、私は冷蔵庫はそもそも、
食卓に冷たいものを供給する為に作られたわけではないと認識しています。
冷蔵の文字通り、冷やして貯蔵することで
食料が腐りにくく、長期にわたり安全に保管できる。
それがいつの間にか、冷たいものを供給する部分だけが
強調され、特化しているように感じてなりません。

暑気当たりと夏バテ。

暑気当たりは文字通り、過ぎた暑さが、からだを傷つける事によります。
漢方でいうところの、からだを傷つける邪気が暑気(暑さ)であるわけです。
したがって、暑気当たりで必要になるのは、暑さ対策です。
そして水分補給も冷房も、炎天下での活動自粛も、暑さ対策の一種といえます。

ただ、暑さ対策というのは、「とにかく暑さを遠ざけよ」というものではありません。
むしろ暑さを制する、暑さを上手くコントロールする。
夏ですから、ある程度の暑さを感じることも大切です。

一方で、夏バテは、暑さに対する抵抗力の低下によるものです。
もっと簡単に言えば、暑さに強いか、弱いか
暑さに弱くなるほどに、夏バテに陥りやすくなるわけです。

運動におきかえると、わかりやすいかもしれません。
同じ運動をしても、全く疲れない人がいる一方で、息が切れてしまう人もいます。
ここでは「運動=暑さ」、「息が切れる状態=夏バテ」です。

では、どのようにして暑さに弱くなるのか。
それには、水はけの悪さ、湿気の多さが影響しています。
これも経験があると思いますが、
例え気温が同じであっても、湿度によって
実際に体感する暑さというのは変わってきます。
日本よりも暑い風土で生活してきた外国人が、
にもかかわらず、来日してその暑さに負けてしまうのもこの湿気の所為。
湿気を帯びた暑さは、それだけからだに堪えるわけです

暑くて汗をかきやすいから水分補給は欠かせない。
たしかにその通りですが、夏バテ対策を考えれば、
同時に水はけを整えることも重要になるわけです。
水分を摂取しながら、水はけを良くする。
これだけでは、なんとも矛盾した内容に聞こえるかもしれませんが、
実際はその矛盾をやってのけるのが、人体の巧みだと思うのです。

そしてその巧みを最大限に活かすのが漢方の千恵だなどと、
私などは常々に感じています。

唐突ですが、暑気当たりと夏ばては、別モノです。
この2つを混同している方、けっこう多いのではないかと思います。

夏のあいだは水分補給や冷房の利用が励行されますが、
これは暑気当たりを防ぐ為で、そこには夏ばては全く関わっていません。
ですが場合によっては、暑気当たりを予防する為の行いが、
夏ばてを助長することも考えられるわけです。

熱中症、暑気当たり、暑気負け。
これらはいずれも、過度の暑さによってからだが傷つけられた状態を意味します。
暑さはからだを覆うような形で存在していますから、
症状は表証:からだの表面の症状に始まり、
果ては裏証:からだの内面の症状へと移行していきます。
暑さが終いには内臓、特に消化器系に到達するわけですね。
ちなみに、からだを寒気にさらした後の状態、俗にいう『かぜ』は
からだを傷つけるものが寒と熱で正反対ですが、現象としては良く似ています。

一方で夏バテというのは、
暑さへの抵抗力が弱い(もしくは弱まる)ことに端を発します。
先ほどの暑気当たりでは、暑さの程度が症状を助長しますが、
夏ばての場合は、暑さの度合いよりもむしろ、
その暑さに対する抵抗力の低下が、症状を呼び込むわけです。
この抵抗力は俗にいう『スタミナ』に由来すると考えられます。
では、その『スタミナ』が、先に述べたような水分補給や冷房の利用で
培われるかといえば、残念ながら答えは『ノー』でしょう。

暑さに対する抵抗力、それについての見解は
なかなか長くなりそうなので、また後日にしますね。


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