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寒冬を経験した体には、少なからず「冷え」が溜まります。
冬に溜めた「冷え」は、春の訪れと共に取り除くことが肝心です。

「冷え」とは、皆さんご存じの冷え症とは、少し違います。
体の活動や代謝・循環が停滞して起きるのが「冷え」であり、
体を積極的に温めたり、血行を整えたりすることで解消されます。
逆に、そういった方法だけでは解消されないのが冷え症です。

「冷え」が溜まりやすいのが、即ち冷え性です。
春先は寒暖の変化も大きい為、この冷え性に苦しめられます。
気温が下がると鼻炎や関節痛に悩まされる。
寒冷に伴って皮膚が痒くなり、蕁麻疹が出現する。
そういった悩みもまた、冷え性を反映しています。

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漢方では、冷え性は風寒に弱い状態(=風寒の虚)と解釈されます。
風寒とは簡単に言うと、人の周囲に存在して冷えを招く存在のことです。
これには冷たい風や冬の気温・気候だけでなく、脱衣所の寒さや湯冷めなども含まれます。
ただ実際は、「寒っ!」という体感が必ず伴う訳ではありません。

「風寒に弱い」という状態には、実は2通りの解釈があります。
①風寒という存在に弱い(負けやすい)という場合
風という存在に弱くて、体が寒に傾くという場合
寒に傾くことは、寒さを訴える状態と同じではありません。
簡単に言うと、温めると快方に向かう(及びそのような症状を伴う)状態のことです。

現代医学的な視点では、「風という存在に弱く、体が寒に傾く」とは
自律神経が不安定な為に、体表・抹消の血管が刺激されやすい状態と解釈されます。
つまりは、寒い風に触発されて、血管が収縮しやすい状態と
自律神経が不安定で、血管が緊張しやすい状態は、漢方的には全く同じという訳です。

冷え取りに服んでおきたい漢方薬とは即ち、
停滞した代謝・循環を促すと共に、血管の不自然な緊張を解消する漢方薬を意味します。
それには例えば、桂枝加黄耆湯や黄耆建中湯、
あるいは柴胡疎肝湯や当帰芍薬散などに一服の価値があります。


春に迎える、お花見のシーズン。
夜の花見も乙なものですが、主流はやはり明るい時間の花見。
そして花見をする上で大切なのが、やはり目の役割です。

桜の色彩を愛でたい一方で、春の季節は目にやさしくありません。
風に舞う花粉やPM2.5然り。日光の紫外線然り。木の芽時然り。

東洋医学では、肝は目に開く・目は肝に通じると言われます。
表面的・実害的な刺激は、目を直撃しますが、
肝の失調(自律神経系の乱れや肝機能障害)も、目を裏から攻め立てます。
春に増える飲酒の機会も、それに拍車をかけることでしょう。
そうして目に影響が及ぶ点も、春の季節ならではのことです。

でもどうせなら、春の風景を思う存分(それこそ目一杯)楽しみたい。
すっきりと澄んだ目で桜を愛でたい。
それが春を迎え、花見を楽しみたい人の本心でしょう。

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漢方では、目を明らかにする(目を澄ます)には
肝の気を清め、肝の血を巡らせることが大切だとされます。
目を直接襲う刺激は肝の気を乱し、肝臓の失調に伴う諸症状は肝の血を滞らせます。
けれど気と血は互いに通じ合っていますから、
片方の失調を招くと、もう片方も乱れてしまいます。
そのことは裏を返すと、目が刺激を受けやすいかどうかは、
刺激の有無だけでなく、肝の状態を反映した
目の感受性・敏感性にも依存するという事です。

花見に服んでおきたい漢方薬とは即ち、
肝を強くして、目を活かす(=本来の働きを整える)漢方薬を意味します。
それには例えば、洗肝明目湯、杞菊地黄丸、明朗飲などに一服の価値があります。

東洋医学では、人の体には五臓があると考えますが、
同様に儒教では、人の心には五徳があると考えます。
東洋思想という点で、五臓と五徳には関連があります。

五臓:肝・心・脾・肺・腎    五徳:仁・義・礼・智・信

肝は「仁」に通じます。仁は、慈愛や優しさのことです。
肝を疎かにすると、イライラ・興奮が強くなり、優しさから遠ざかります。

肺は「義」に通じます。義は、道義や規律のことです。
肺を疎かにすると、呼吸が乱れ、正道(本来あるべき状態)から遠のきます。

「仁義」と合わせて言葉にするように、仁と義は互いに支え合う関係にあります。
さしずめ、義をもって仁を果たすとか、仁を通じて義を保つような繋がりです。
同じような関係が、肝と肺にもあると推察されますが、
仁義を求められる場面は、やはり、対人関係だと思います。

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心は「礼」に通じます。礼は、礼儀や謙虚さのことです。
心を疎かにすると、気が緩んで、本来持つべき謙虚さから遠ざかります。

腎は「智」に通じます。智は、判断力や中立さのことです。
腎を疎かにすると、知識に疎くなり、正常な判断から遠のきます。

脾は「信」に通じます。信は信用や誠実さのことです。
脾を疎かにすると、疑い深くなり、誠実さから遠のきます。

仁義と同様に、「礼智」も合わせて用いる場合が多い表現です。
主観ですが礼や智、信は、自己に対する戒めのように感じます。

「人の振り見て、我が振り直せ」ではありませんが、
他人の振舞い(=他人の仁義)に触発されて、自分の振る舞い(=自分の礼智信)を律する。
仁義と礼智信は、そういう関係にあるのだと推察されます。

逆に考えると、精神的ショックを受けた時、うつや神経症に陥った時には
自己の礼智信も疎かになりがちだと思います。
そういうときこそ、一人で悩まずに
周囲の人のやさしさ(=仁義)に触れる事が大切なのではないでしょうか?


受験をしくじった。落ち込んだ。結果に満足できなかった。

時代は少子高齢化と言いつつも、進学を選ぶ学生の前には、
昔も今も受験競争が立ちはだかります。
そして受験である以上、成功を修める人の傍らには、必ず失敗に涙する人が存在します。

合格への期待が大きいほど、失敗に対するショックは大きくなり、挫折感も強くなります。
強い挫折感は頭での理解(理性の範疇)を越えて、心理面(本能の範疇)に及びます。
そして心に生じた(負の)感情は大きく膨らむほど、コントロールするのが難しくなり、
強すぎる感情の波に心は苛まれ、脆弱・繊細になっていきます。
これら一連の流れを指して、しばしば
メンタルが弱くなる(傷つく)」という表現を用います。

精神的ショックが大きくて、メンタルが傷つく場合、
その人が本来持っているメンタルの強さは、あまり関係ありません。
強いメンタルが弱るには大きな傷が必要で、弱いメンタルは小さな傷でも弱ります。
そのどちらが病状として重いかは、簡単に比べる事はできません。

問題の中心は、メンタルが弱くなった=傷ついたという点に存在します。
メンタルケアも、傷ついたメンタルを回復させることが本分であり、
メンタルそのものを強靭にする訳ではありませんから。

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漢方では、人のメンタル(精神活動)は、五臓の働きによって支えられると考えます。
簡単に言うと、メンタルには攻め手(向上心や探究心などの精神)と、
守り手(自信や注意などの意識)があり、前者は肝や肺が、後者は脾や腎が担います。
大きな挫折感は果たして、攻め手だけでなく守り手(脾・腎)にまで影響が及びます。

また一方で、五臓には六腑が伴います。五臓と六腑は表裏の関係にあり、
五臓の肝・肺がメンタルの攻め手を担う一方で、
六腑の胆・大腸はメンタルの守り手に寄与します。
(たしかに、メンタルが弱くなると、妙に恐がる共におなかを下すことが増えると思います)

精神的ショックが大きく、メンタルが傷つく場合、
その矛先は脾や腎(あるいは胆・大腸)に及びます。
この場合、受験のショックに服んでおきたい漢方薬とは、
脾や胆を守る(弱るのを防ぐ)漢方薬を意味します。
それには例えば、帰脾湯や温胆湯、
あるいは香砂六君子湯や補中益気湯に一服の価値があります。

膀胱炎を繰り返す。治ったと思ったらまた起きる。治りが遅い。

女性を悩ませる膀胱炎は、冬の寒気や夏の冷房に誘発される側面があります。
西洋医学も東洋医学も、膀胱炎に対して「感染」を
キーワードに治療を行う点は同じですが、洋薬では抗生物質を用いるのに対して、
漢薬では尿の出を良くして、自浄を促す方剤を活用します。
ちなみに、尿でなく汗の出を良くすれば、かぜ(感冒)の対処へと移行します。
(実際は、尿の出も良くなる傾向にありますが・・・)

漢方では、膀胱炎とかぜ(感冒)は発症部位や特徴は違うけれど、
「外から邪が襲う」という点では同じと見立てます。
同様にして、「かぜを引きやすい」と「膀胱炎が起きやすい」も、実はよく似ており
「呼吸器が弱い人は、かぜを引きやすい」ように
「下腹部や尿路が弱い人は、膀胱炎を起しやすい」という訳です。

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ちなみに五臓六腑で考えていくと、呼吸器は肺に属し、
女性の腰周り(子宮の位置)は肝に属します。
外邪が肺を襲うと、呼吸器に炎症や痰を招き、
同様にして肝を襲うと、泌尿器に膀胱炎や湿を招くという関係にあります。

ただ実際は、下腹部や尿路を直に寒さに晒すということはありませんから、
「尿路が寒冷(の邪)に襲われる」は「下腹部に冷えを抱える」へと転化されます。
即ち、肝の働きが鈍い人は、肝に魔(感染)が差しやすいという訳です。

膀胱炎を繰り返す時に服んでおきたい漢方薬とは即ち
尿路周辺の血行を整え、冷えを改善しつつ、
尿路の炎症や湿の停滞を防ぐ漢方薬を意味します。
それには例えば、五淋散や当帰芍薬散、芎帰調血飲、
あるいは補中益気湯に一服の価値があります。


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