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目を凝らす。耳を澄ます。
目や耳の本分は、遠くを見聞することに発揮されます。
逆に、あまりに近すぎるものを見たり、近すぎる音(=大きな音)を聞くことは、
目や耳にとって大きな負担になります。

けれど、耳は目と違い、あらゆる音に対して無防備です。
特定の音だけを聞かないように耳を閉じることはできません。
そういう点で、耳は人の手が及びにくい存在ですが、漢方ではそうした存在がに相当します。

東洋医学における腎は、他の五臓と異なり、
この世に生まれ落ちたときに借り受ける存在といわれます。
借り受けたもの(腎精)が尽きる=人生が終わるという訳です。
それゆえ、長く安泰でいる為、年を重ねても壮健でいる為には
腎を大切に守っていく必要があります。

そうした腎と縁深い部分が、他でもない耳です。
腎と同じく耳も人の手が及びにくい存在ですが、
それがどうして、外側に剥き出しで通じているのは不思議な話だと思います。

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昔と違って今の時代は、大きな音を耳に当てたり、
人工的な音を耳に入れることが多くなりました。
そのこと全てが耳に悪いとは言いませんが、
耳の不調は一旦起きると、後戻りが難しいこともまた事実です。
それを未然に防ぐためには、自主的に耳を守るしかありません。

漢方では、耳を費やすことは腎の熱中(=熱が中る)と考えます。
熱中が続いた腎は、やがて干上がってしまいます。
腎は水(潤下の性質)を象徴するだけに、干上がる事はとても苦手です。

耳をよく使う時に服用しておきたい漢方薬とは即ち、耳に中る熱を整える漢方薬を意味します。
それには例えば、小柴胡湯や釣藤散、加味逍遥散などに一服の価値があります。

気持ちが定まらない。訳もなく情緒が不安定になる。生理に伴って憂うつになる。

特別な原因や理由が無いのにも関わらず、気持ちが不安定になる。
そういう病状は、俗に気分症と呼ばれます。

気分症は他のストレス障害(神経症)と異なり、それを招く原因
(ストレスや精神的障害)が存在しないことが大きな特徴です。
その影響のせいか、気分症を抱えた人は「何となく・・・」とか
「無性に・・・」と訴えるケースがよくあります。
また実際は、「気分症を抱える」ということに対してストレスを感じますが、
そのストレスを発散しても気分症自体は残るので、同じ状態を繰り返します。

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漢方では、人の体には五気(肝気・心気・脾気。・肺気・腎き)が通じると考えますが、
気分症は特に、心気や脾気の鈍さを反映します。
(対して、ストレス障害や更年期障害は、肝気や肺気の滞りを反映します。)

また五行では、心は火(=炎上の性質)を、脾は土(=土肥の性質)を象徴する部分ですが、
これらを脅かす存在として、水(=痰飲)があります。
水をかけると、火の勢いは弱まります。水を含み過ぎた土は、泥になって流れます。
わかりやすく言うと、気分症を抱える人は
心(火)や脾(土)の働きを脅かすほどに、湿り気を帯びた状態にある訳です。
(逆に抗って、心(火)が盛んになる場合もあります)

ちなみにこの「水」は、口から摂る水分や
おしっことして出す水分、からだの浮腫とはまったく別の存在です。
あくまで水が持つ「火の勢いを鎮めて、土を泥に変える」という性質を「水」と呼ぶ訳です。

気持ちが不安定な時に服んでおきたい漢方薬とは即ち、
痰飲や痰濁を伴う気の巡りを解消する漢方薬を意味します。
それには例えば、半夏厚朴湯や柴胡加竜骨牡蛎湯、抑肝散陳皮半夏、
あるいは苓桂朮甘湯や甘麦大棗湯に一服の価値があります。

根が真面目。几帳面で完ぺき主義。責任感が強い。

真面目な性格は人の魅力でもあり、仕事をする面や目標を達成する上でも強い武器になります。
けれど一方で、真面目な人が悪転して気を病むと、五月病や鬱病に陥りやすいともいわれます。

「自分の性格は真面目だ。」
そう認識できるほど真面目な人は、ずばり理性が強い
理性が強い人は、いつも本能や煩悩を抑えています。
ときにそれが「抑圧」というレベルに達しており、当人はそれに気づきません。
けれど抑圧された本能は反発するか、脆弱になるかのどちらかです。

①真面目な人間は、キれると怖い。
真面目な人の本能は、普段から抑圧されているだけに、
鬱屈が過ぎたり、理性が緩むと溢れ出し、あらぬ方向へ向かいます。
弾けた本能が逆に理性を傷つける場合もあります。

②真面目な人間は、感情表現が下手。
人の本能は、直に感情へ伝わります。感情=本能の図式です。
けれど理性が強い人は、本能を介して理性も感情へ伝わります。
その場合、理性が及ぶ分だけ本能や感情が歪になります。

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真面目を被れば、理性と本能の調和が乱れ、
ときに理性が空回りして、本能が歪曲するようになる。
漢方では、人の理性的な面は肝に、本能的な面は心に宿ると考えます。
肝は木の伸張(枝葉が伸び広がる様)を、心は火の炎上(燃え上がる様)を象徴します。

真面目な性格が強い人は、木々の静けさに心を晴らす(落ち着ける)ことが大切です。
「木々の静けさ」とはまさしく肝が穏やかなことを、
「心を晴らす」とは心が平静を保つことを指しています。
もちろん、そういった名目で、息(意気)抜きを行うことも忘れてはいけません。

「真面目」に服んでおきたい漢方薬とは即ち、
肝の穏やかさ、心の清らかさを保つ漢方薬を意味します。
それには例えば、抑肝散や釣藤散、あるいは温胆湯や帰脾湯に一服の価値があります。

一口に睡眠障害といっても、入眠障害と熟眠障害ではその特徴が異なります。
「寝つきが悪い」と訴える場合もあり、「眠りが浅いと訴える」場合もあり、
合わせて「寝つきが悪くて、眠りが浅い」と訴える場合もあります。
そして、睡眠障害のタイプが違うのなら、服用すべき漢方薬も異なって然るべき。
・・・果たして、漢方薬はその通りではありません。
異なるタイプの睡眠障害に対しても、しばしば同一の漢方薬で治療に当たるのが
漢方の奥深いところ(同時に一般の方がよくわからないところ)です。

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睡眠障害に用いる漢方薬は数多く存在しますが、
その特長は大きく2つに分けることができます。

①睡眠欲(眠気)を増進する漢方薬
こちらは、前回のトピックスリンク を参照下さい。

②睡眠欲(眠気)を開放する漢方薬
睡眠欲(眠気)に対する最大の障害は理性です。
何らかの理由で就寝時に理性が続くと、眠気を塞ぎ、寝つきを悪くして睡眠を妨害します。
また、起きている時に働く理性が強すぎると、その理性に増長され、
本心とは違うところで「夜でも起きていたい」という不自然な欲求に包まれ、
「体は休むも、心(頭)は休まらず」という乱れた状態に陥ります。
その状態が長く続けば、本来あるべき睡眠欲(眠気)も阻害され、脆弱になっていきます。

漢方では、自然に発生する眠気を促すのは、気の役割と考えます。
体を巡る気が正常に整うことで、自然な眠気が開放されていきます。
睡眠欲(眠気)を開放する漢方薬には、行気の漢方薬がこれに相当します。
それには例えば、柴胡疎肝湯や柴胡桂枝乾姜湯、
桂枝加竜骨牡蛎湯などに一服の価値があります。

ストレスや夜更かし、昼夜逆転の生活など、特定の原因を反映した
睡眠障害では、眠気が塞がって発生するケースが多くなります。
その逆に、年齢や生理に伴って出現した自然なもの、
あるいはうつ病など他の疾患を反映した睡眠障害では、
肝心の眠気が乏しくて発生するケースが多くなります。

個人的な見解ですが、現代人特有の不眠症は眠気を病むことに基づくと思います。
「眠気を病む」とは、発揮するべき「眠気の絶対量」が少なくなることを指します。

一時的に眠気が塞がることは、誰にでも起きる場合があり、それ自体は病気ではありません。
いわば、出したいんだけど、塞がっちゃって・・・という状態です。
対して、けれど眠気を病んでしまうと、
「塞いでいないのに、出が悪い」という困った状態が起こります。
漢方では、そうした状態を「正気の虚損」と見立てます。

一口に睡眠障害といっても、入眠障害と熟眠障害ではその特徴が異なります。
「寝つきが悪い」と訴える場合もあり、「眠りが浅いと訴える」場合もあり、
合わせて「寝つきが悪くて、眠りが浅い」と訴える場合もあります。
そして、睡眠障害のタイプが違うのなら、服用すべき漢方薬も異なって然るべき。
・・・果たして、漢方薬はその通りではありません。異なるタイプの睡眠障害に対しても、
しばしば同一の漢方薬で治療に当たるのが漢方の奥深いところです。


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睡眠障害に用いる漢方薬は数多く存在しますが、
その特長は大きく2つに分けることができます。

①睡眠欲(眠気)を増進する漢方薬
「眠たい」と感じるときに伴うのが眠気と思いがちですが、それは「入眠」の気で、
眠気には他にも導眠の気、安眠(熟眠)の気が存在します。
眠気は大きくなるほど、それを満たすことで充足感も高まりますが、
疲弊して弱った体では、十分に睡眠欲を高めることができません。
眠気が乏しい睡眠は、どれだけ繰り返しても満たされることはなく、
「よく寝た」と感じることもできません。

漢方では、自然に発生する眠気を増幅するのは、血の役割と考えます。
簡単に言うと、眠気の源に当たる存在が血であり、血の働きが整えることで、
多くの眠気を、長い時間、安定して生み出す事ができるようになる訳です。

睡眠欲(眠気)を増進する漢方薬には、いわゆる補血の漢方薬がこれに相当します。
それには例えば、当帰養血精や滋陰降火湯、七物降下湯などに一服の価値があります。

(文章が長くなるので、以降の話は次に行います)



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