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①『温かさが巡らないことでの冷え』 ②『外側から冷やされることによる冷え』 に続き、『③身体の温める機能低下による冷え』 について書いていきます。

漢方の中では、その”体温を生むエネルギー”は「陽」もしくは「陽気」と言われます。
東洋なんちゃらというものを見かけるときに見る白黒の円のマーク。あれは”陰陽”とよく言っていると思いますが、その陽です
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イメージ的には太陽でもいいです。地球を照らし、温めてくれていますね。

③はその太陽の温める力が弱まっているために冷えを感じてしまうのです。

ただ単に”陽”といっても、身体にはいろいろな陽があります。
五臓六腑などもよく聞くと思いますが、五臓それぞれに陽が存在します。
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例えば自律神経系、わかりやすく言えばストレスとのかかわりが深い臓器と考えられている”肝”にも肝陽というものが存在します。

しかし、この肝陽に関して書けば、今のテーマの冷えとつながる肝陽虚、つまり肝の虚寒は存在しますが、これは身体全体としての陽虚も存在し、その中でも肝の正気が弱まっている際に②での外的要因で寒邪が直接体内を冷やし肝を虚寒へ導いてしまう例で、単純な陽虚だけでなく、実寒との絡みもあり、複雑です。

この場合、使用する方剤は温経湯や当帰四逆加呉茱萸生姜湯や呉茱萸湯が一般的で、全てに入っていますが呉茱萸がキーポイントとなります。

また、他に陽虚は腎陽虚、脾陽虚などがとても臨床例は多いです。

腎は身体全体へ陽気(温かさ、体温)を運ぶための根本的な役割を果たしており、ここが陽気が不足してしまうと身体全体の冷えを生みます。特に腰が痛んだり、冬になると頻尿傾向になったり、夜にトイレで起きる回数が増えるなどの症状が良く見られます。腎の陽気は本当に体中に影響を及ぼすため、これだけではないですが、やはり特に膀胱経へ熱気を送り蒸騰気化を行い、陽気を巡らせているので、夜間尿なんかは訴えられる方は多いです。

この場合は附子剤が基本となり、八味丸などが主となります。また、附子は走って守らずという性質があるために、走るための素材自体が枯渇している場合は腎精から腎陽を補う考えで動物生薬などを使い、腎の陽気を補います。

脾の陽虚は簡単に表現すると消化器官が冷えているかどうかです。ここが冷えていると、食べ物からの栄養・エネルギーを吸収、分配が上手くできずに、身体全体への陽気を運ぶことができなくなり、冷えてしまいます。
感じやすい症状でいえば、冷たいものを飲んだ時、食べたときにすぐにお腹を下すような人はそんな傾向があります。また下さなくても、冷たいものが好きで問題ないと思っていても、舌を見たとき全体が淡く赤味があまりなく、苔も白くべっとりとついていることが多いです。

お薬としては人参湯だったり、附子理中湯などを使うことが多いです。

またお腹をそういったもので冷たくしてしまったとして、お湯を飲んだり温かいものを飲んだからと言ってその虚寒状態が改善されるほど単純ではありません。そこが漢方や人体の深いところですね。

女性  20代  
<主訴>●生理不順(2015年10月) 不正出血後生理が来なくなる(閉経)
仕事の移動でストレスなどがあった。
●偏頭痛(高校生ぐらいから)
    2016年1月から婦人科で通院、薬を飲めば生理がくるが飲まないとこない
    偏頭痛は雨天、疲れているとき夕方~夜に憎悪
    現在 プロゲステロン(黄体ホルモン)副作用 頭痛・嘔気
    プレマリン(卵胞ホルモン)副作用 動悸・不眠・血圧 服用中

<既往歴>平成5年~10年 小児喘息

<愁訴>
手のひらが赤い 不安になりやすい 皮膚が乾燥 身体がかゆくなることが多い吹き出物がでやすい

<生理環境>
生理血が黯紫色  生理が7日以上遅れる 生理2日が多いが3日目は極端に少ない  生理閉経3か月以上あり  生理前  胸張・過食があった。現在 プロゲステロン・プレマリンで生理を起こしている。

<基礎体温表>
ジグザクで二層なし デュファストン・プレマリン服用も基礎体温はバラバラ。

<ホルモン検査>
高温期検査でLH FSH PRL E2 プロゲステロンもさほど問題なし

<原穴反応>
内関緊張(気滞)三陰交(血虚血瘀) 陰陵泉(湿痰) 太衝(肝鬱)

<腹>胸脇苦満 中脘抵抗(湿痰気滞) 神闕十字(肓兪・陰交・水分)点圧痛

<脈>滑やや弦

<舌>
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<舌象>淡紫略脹胖挟瘀点 根淡黄滑膩苔 裏絡脉紫紅鬱血 裏中央白色ガラス状

<舌象分析>
苔は舌根にかけて膩苔で灰黄色を帯びて下焦の湿濁化熱傾向。舌形はやや脹胖で
三焦全体に湿濁が溜まって通利が悪くなってきて、側面からも餅状で湿痰が詰
まった邪実象。既往歴に小児喘息があり、痰湿壅肺は以前からの様相あり。
舌裏は痰湿阻滞による絡血の戻りが悪いため、舌裏中央は白ガラス状で膜腠
緊張気味で中央任脈(腎経)の血の納めが悪くなり白くなり、逆に舌縁の絡脈
は渋滞気味で紫紅色となり、戻りが悪いため、手のひらが赤く、吹き出物ができ
やすい。縁瘀点が生じて絡血が相火鬱熱して凝滞血瘀を生じてきて生理血が
黯紫色となって遅れがちとなっていった。さらに 経脈→絡脈→経脈の環周が
不利で、疏泄~蔵血の肝経通脈が阻滞気味から、肝経・腎経・胃経を統合する
衝脉鬱塞となり職場ストレスから肝鬱気滞が重なり閉経を起こしたと想定。

<弁病>三焦湿濁阻滞→内陥衝脉→肝鬱気滞→衝脉鬱塞による閉経

<治法>蕩滌湿濁 活血化瘀 衝脉通絡 黄連温胆湯合折衝飲 


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