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紫根 味苦寒 「心腹の邪気、五疸を主り、中を補し、気を益し、九竅を利し、水道を通ず」とある。紫根は色合いは紫で、古典での紫式部のように、紫色は高貴なものものとしてとらえていたようです。

紫根を使った軟膏に 紫雲膏 があり(紫根・当帰・豚脂・胡麻油・黄蝋)ますが、痔の痛み。床ずれ、汗斑、さらに凍傷、火傷後の皮膚再生に使うが、その目標の多くが舌診すると、舌色がまさに紫根と同じ色合いの暗絳色や瘀斑で汗斑のように色素が沈着したものがみられることが多い。

特に末梢血流の悪くなった傷んだ血は瘀血と称して古くなRばなるほど、色素が沈着した色で暗色になる、これらは瘀血から瘀毒と称して、強度の圧迫から組織の挫滅損傷から敗血症を起こすにいたる過程にある。

瘀について
瘀は停滞した血液に、老廃物としてきたなさを付け加える説と、単に停滞している血液というだけでとらえている説とがある。
§【証治准縄】汚れた血が瘀血である
§【臨床指南医案】【医林改籍】長患いが絡に入ったものが瘀血したものとしている
§【血証論】経を離れた血が瘀血だとしている
§瘀血とは循環せず、汚れて不潔で、経脈を離れ体内に停留している血液であり、長患いが脈絡に影響を及ぼして現れる病変である。


【聖済総録・傷寒統論】では毒熱が深部で瘀滞すれば瘀血に変わると述べている
【重訂広温熱論】では伏火が血液を蒸せば、血が煮詰められて瘀になると述べている
§瘀血による病変の軽重や新旧によって中医学では 滞血・留血・閉血・蓄血・宿血・乾血・老血・死血・敗血・悪血・賊血とか 書かれている

滞血・留血・閉血の概念は瘀血と同じで血液が蓄積して流れず、滞って塞がったもの。蓄血は一般に発病が急激であり、中・下焦の瘀血である。宿血・乾血・老血・死血は経過が長く、瘀積が久しく、短時間では散らせないものをいう。敗血とはその血がすでに腐敗し、正常な生理機能が失われた状態である。悪血・賊血は瘀血が人体に及ぼす危害が凶悪で残忍であることを形容している。

【血証論】で上・中・下焦、経絡、臓腑、腠理、肌肉、躯殻、攻心乗脾などというふうに詳細に分類している。また「瘀熱在裏」として傷寒論では茵陳蒿湯があり。
湿邪が気機を遮ったことでそのために湿熱がこもって黄疸になったり、胆汁が鬱積して濁毒ができる。また熱が鬱結して尿閉になったり腎気が衰えたり、三焦の気機が通らなくなったり、膀胱の気化作用が機能しなくなったり、小便が通じず濁毒が内に溜まったりする。
温病条弁・上焦篇11条】では
「脾が鬱して皮膚が黄色くなり、その黄色がひどくなれば清竅がほとんど閉じたということであり、穢濁によって竅がふさがれたものは死ぬ」
血鬱・血瘀・血結という名称は、瘀血を軽重、新旧の違いから三つの段階に分類する概念である。これらと対応する治療法が活血行血・化瘀通絡・破血散結である。

これらの概念に私自身が臨床上で一番注目しているのが、瘀熱(伏火→瘀毒)による絡鬱である。上記では敗血に近い概念を想定している。臨床上では舌前乳頭の形状の色合い・舌裏状況の細絡の拡張や色合いが、瘀・熱・毒・絡鬱塞の新旧の程度を計り知ることができると考えている。単純には鮮紅は熱の度合いを紅から絳色が強くなれば瘀毒を意識している。

そのなかで 色素成分の多く含んだ紫根・大青葉はよくつかえる薬草である。

PMS 月経前症候群

命門堂漢方薬局 神戸店 (兵庫県神戸市東灘区)

女性 40代
<主訴>PMS 左右耳前の痺れ(歯のしみることあり)
        左大腿部に朝方6時頃痺れる 現在もぼんやりと痺れる
①生理10日前より下腹部の張りを感じてくると下肢ふくらはぎの浮腫
②生理前軟便3日ほど 過食
③生理と同時に頭痛でコメカミ両方が押さえつける感
④生理痛は下腹部のキリっとする痛み 鎮痛剤服用
   
<生理環境>生理血塊が多い 不順はなし
<愁訴>顔がほてりやすい(汗・ホットフラシュ?) 水っぽい鼻水がでやすい
      腹が張ってガスがでやすい 夜間尿1回 背中・手足先の冷え
<腹>脇下硬い 右脇緊張 心下痞鞕気味で中脘~水分硬結動悸
<脈>左右 関のみ浮滑小 滑も軟(舌も軟)→気虚不能陰火の統摂によるのぼせ
    右関浮滑 脾熱縮食不化   左関浮滑 肝熱頭暈
<舌>
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<舌象弁証>四象弁舌;舌豆腐象と餠象混合(寒湿~寒痰)
寒熱弁舌:豆腐象で豆腐苔も微黄苔(虚寒証に湿中陰火あり)
虚実弁舌;虚 豆腐象(気虚)
       実 餠象(痰滞~食滞による微黄から虚火(陰火とくに瘀斑があることから
             衝任脈の虚火あり?)
臓腑弁舌;舌柔で臓虚
三焦弁舌;白多黄少柔苔(湿多熱少・湿漸化熱) 
瘀斑混在 舌正中に右側に傾斜 上歯T1と下歯T1のズレ

<弁証>心下~中脘に脾虚湿滞があり、中焦から衝脉~任脈の痰滞阻滞内陷により衝任脈血分への内陷から舌縁瘀斑を生じて衝脉~肝胆疏泄不利して上焦ではコメカミの頭痛や耳前の痺れ下肢では胆経への痺れ、湿濁内陷による生理前下痢と下肢浮腫を生じて一部衝任脈の湿中伏火が陰火となって生理前の過食や面上へののぼせとなっている。

五苓散のお話

命門堂漢方薬局 神戸店 (兵庫県神戸市東灘区)

今年も台風の時期になりましたね。以前 低気圧の頭痛 でお話した五苓散について、今日は詳しくお伝えしたいと思います。五苓散は漢方の原典である『傷寒論』、『金匱要略』に記載されている処方です。『傷寒論』には急性熱性疾患(現代でいう風邪やインフルエンザなど)の発症から経過と治療法が記されています。記載されている症候の内、熱性疾患特有のもの(発熱、発汗など)を省いて考えると慢性疾患にも応用できることが経験的に知られています。
病邪が表から裏へ侵攻していく過程を6つのステージに分け(六病位:太陽病→少陽病→陽明病→太陰病→少陰病→厥陰病)それぞれの病期の病態と、適応処方を記しています。後で述べる太陽病とはこの6つのステージの一番最初の病気が始まるところで、病邪が浅い場所にあり身体症状として悪寒や発熱、頭痛や項背部の凝りや関節痛などがみられます。まさに風邪の初期症状ですね!
さて、五苓散ですが猪苓 沢瀉 白朮 茯苓 桂枝 の5つの生薬から成り立ちます。
それぞれの生薬の働きとして、猪苓、沢瀉、茯苓は水を巡らせ利尿の働きがあります。白朮は脾胃を補気し、水の運化作用を助ける事で水の停滞を防ぎます。桂枝は冷えから生じた陽気のめぐりにくくなったもの(表熱)を去り、陽気を通じて水をめぐらせ猪苓、沢瀉、茯苓、白朮の利水作用を助けるものです。全身の津液(水分)代謝を活性化させることが出来るといえます。
西洋医学の利尿薬との違いは強制的に水を排泄させるわけではなく、身体の中の水のムラをなくし、過剰に水がある時にはその水を排泄させ不足している場合には水を保持するように働きます。このことから、津液の偏在がある病態に適していると言えます。
傷寒論の中から条文をひとつあげてみてみましょう。
太陽病 71条
【太陽病、発汗の後、大汗出で、胃中乾き、煩躁(はんそう)して、眠ることを得ず、水を飲まんことを得んと欲する者は、少少与えて之を飲ましめ、胃気をして和せしむれば則ち癒ゆ。若し脈浮に、小便利せず、微熱し、消渇(しょうかつ)する者は、五苓散之を主る。若し浮、小便利せず、微熱、消渇の者は五苓散これを主る】とあるのですが、これは太陽病に汗をかかせることで邪を追いやったが、発汗させすぎた結果津液を損傷しそのため胃中が乾燥して煩躁して眠れず、水を飲むことを欲するものにはただ水を少しずつあたえて、胃の機能 を調和してやるだけで、自然に治って眠れるようになる。もし発汗後、脈が浮で小便不利 と微熱があり、口渇のはげしいものは、表に邪が残存し、裏には水飲が停滞しているから、 表邪を散ずると同時に、裏の水をさばく必要がある。これが五苓散の主冶である、という。
前半は汗が出すぎた事で乾燥してしまい、少しずつ水を飲ませてやれば徐々に胃の正常な働きも回復するから特別に薬を用いる必要はない、
後半は脈が浮という事は発汗させてもまだ太陽経の邪が残っており、太陽経脈の腑である膀胱の気化作用の働きが傷害されていることを読み取ります。
気化作用とは水を蒸騰して上に運び上げたり、不用の水を尿として下に排泄したりする事です。
邪によって膀胱の気化作用が失調すると、水が下に排泄できなくなるので尿不利となり、上に蒸騰しないので強い口渇感を感じるのです。しかもこの口渇は膀胱の気化不利により水が正常巡らないために生じているので、単に胃の中が乾燥した場合と異なりいくら水を飲んでも水がどこかに消えて解消しません。これを“消渴”といいます
そしてこのような尿不利・煩渴を治すことが出来る処方が五苓散なのです。
解表利水し、胃も正常に働くようになり水分代謝を正常化するので、水は上下に巡り、小便は正常に排泄され、口渇も自然になくなるのです。
五苓散の使用目標としては原典からもわかるように 口渇、尿不利 です。
のどが渇いて水をたくさん飲むのだけれど尿がその割に出ないという場合ですね。
『傷寒論』では急性疾患に対する応用が書かれていますが、慢性疾患に用いることもあります。
この間お話した低気圧の頭痛のように水の偏在による症状に用いられます。
例えばめまい、立ちくらみ、 頭重感、乗り物酔い、悪心、下痢、浮腫などですが、舌に歯型がつく「舌歯痕」は 特徴的な所見です。これも以前お話しましたね。
また、女性は高温期にはホルモンの影響で水を貯めこみやすくなり、水の偏在をきたし、尿や便の出が悪くなりむくみやすくなったり頭痛が出たりする人はいませんか?こうした場合の頭痛にも五苓散が使えるのです。
月経不順や月経困難症などの月経のトラブルがあり、上記のような水の問題がある女性には当帰芍薬散を用いますが、この当帰芍薬散にも五苓散の成分のうち、澤潟、白朮、茯苓が入っているのです。
今日は少し難しいお話になってしまいましたが、こういう場を設けていただいたのでいろいろな処方を紹介出来ればと思います。

湿滞 身重 しびれ の 命門堂 漢方薬局 の考え方

【主訴】身重左手のしびれ(麻木)
二週間前より風邪をひかれて、身体がすっきりせず、
・鼻水痰が出る?身熱を感じる
・扁桃腺が腫れ口内炎ができて、疲れるとしゃべられない。
・皮膚が痒い・胃が重く腹満で便秘ガスが出て残便感あり
右寸がやや浮渋で上燥主気で外感燥気に当てられている.他は濡に近い滑脈で湿帯の脈証左沈濡で沈取すると渋で湿滞血結と久病で血虚精極
舌は胖嫩で歯痕があり、灰白膩苔満布舌先は紅点充血淤点混在

心下痞硬し臍周囲の圧痛点多数

元来寒湿型の体質に風邪(風寒)にあてられ、寒邪は湿滞を助長し、風邪は相火を煽り湿伏されて、こもっいる身熱と思われ、湿帯伏火の状況で口内炎、扁桃腺腫れの状況となっている。左手のしびれも、一部湿滞からの痰で経絡阻滞してリンパの流れが悪いからと思われる。

漢方的には「風暑寒湿、雑感混肴、気不主宣、咳嗽頭脹、不飢舌白、肢体若廃」の
杏仁ヨクイニン湯とあたりと思われる。

臨床二題 生理痛(痛経) の 命門堂 漢方薬局の考え方

《主訴》
痛経(生理初日に痛みがきつくバァファリン錠を必ず飲む)
風邪後の胃痛が残る。
冷え性で、胃腸が弱く太れない。疲れやすい。
白色帯下が多い。

望面やや脱色  脈右沈濡細  左沈細如糸
舌胖淡白 腹部中脘穴から水分穴の抵抗水飲多く浸水音  臍下軟弱
舌淡白 脈沈軟で四肢冷えより衝任脈虚寒による血海陽気失宣して下腹部寒痛を起こしやすいものと思われる。
舌やや胖で中脘水飲があり、帯下多いことから、帯脈湿滞による衝任脈不利もあるようですので、温経通陽に健脾利水を兼ねるを考える。


◎臨床2題 
生理痛 下腹部痛で 便秘を伴い生理血塊が多い 命門堂漢方薬局の考え方

<主訴>
胃痛(握り締められるような感覚)小中学校より
一時間以上続く。毎日ではないが最近増えてきている
いらっとしたり食べ過ぎたり、食べ過ぎたりしたときに食事中から食後に生じる。
便秘 5~7日出ない。腹痛を生じて出る 出ると柔らかい
ガスが多い
顔が赤くなりやすい
生理痛 2.3日前より下腹部痛 いらいらしやすい 生理暗で血塊多い

<舌>
舌先瘀点で突出 舌裏年齢の割りに怒張拡張あり

<腹>
滑肉門 中脘圧痛 左右大巨圧痛  臍周囲触れて冷感

<脈>
右浮弦でゆったり 左浮やや渋


体表診で臍周囲触れて冷たく 左脈浮渋で裏滯に引っ張られて表衛傷を生じやすい 右弦で積滯で寒邪が経絡に留滞して気血収斂して経脈拘束して疼痛を生じやすい。冷たいものをとり過ぎないように指導。

肝鬱気滞が中心の生理前の緊張症状と生理痛と考え疏肝理気 化瘀通経の漢方対応を考える。


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