7月のある日、ネットのニュースにコオロギせんべいが取り上げられていました。みなさんは昆虫食って聞いたことはありますか?豚や牛を育てるのには、エサや水が大量に必要です。さらに牛は、体内に4つの胃を持っていて、第1胃でメタンガスが発生してゲップとして出します。メタンガスは二酸化炭素よりも熱を吸収する効率が高い温室効果ガスです。一方昆虫は栄養価も高く、環境への負荷が少ないので、2013年にはFAO(国連食糧農業機関)が昆虫食を推奨する報告書を発表したそうです。コオロギせんべいの開発の発はフィンランドだったことなど、とても興味深い記事でした。
その記事を読んだ次の日、肝経のツボを調べていて、「蠡(れい)溝(こう)(れいこう)」は虫に関係しているツボであることを思い出しました。蠡は木に穴をあける木喰い虫を指し、溝とは狭く小さな窪みのことです。場所は脛骨内側面上で、足背を上に反らしたときにできる小さな窪みにあります。内くるぶしの一番高いところから5寸なので、指4本幅+3本幅のところです。まるで虫がはうような感じの陰部の搔痒にも効果があると解釈されます。
かゆみに同じ高さの腎経の「築(ちく)賓(ひん)」を使うことはありましたが、今回陰部のかゆみには「蠡溝」がいいことを知り勉強になりました。かゆみがあるときに「築賓」に反応がなければ、陰部でなくても「蠡溝」を使ってみるとよさそうです。主治は赤白帯下、月経不順、遺尿、ヘルニア、下腿の萎縮・麻痺です。睾丸の腫脹・疝痛には「中極・関元・三陰交」を配穴するそうです。別名は「交(こう)儀(ぎ)」です。名前の由来が分からないのですが、肝経は生殖器の周囲をめぐりますし、字からも妊活中の方にもよさそうと連想させるツボです。不正子宮出血には2寸(指3本)上の「中(ちゅう)都(と)」が使われます。