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元々アトピー性の体質はあったようですが、1年前より突然悪化し、ステロイド剤や医療用漢方薬を服用するもなかなか改善が見られず、ご相談に見えられました
。顔や首、肘の内側、膝の裏側、腹部、背中など、ほぼ全身に湿疹、炎症、黄色い汁らが出ています。顔色は少し黒っぽく、痩せ型、甘いもの、スナック菓子を好みます。肉、魚、野菜はまんべんなく食べるといいます。
   ストレスや皮膚表面の熱を取る自家製漢方煎じ薬を調合。飲み始めて1か月後、途中で汁がたくさん出て、今は少し減っているといいます。さらに1か月後、汁の排出は減ってきて、患部の皮がよくむけるといいます。
そのまま継続し、約1年半できれいな状態の肌に回復されました。

漢方薬は病名治療ではなく、その方に合わせないと効きが悪いものです。また、アトピー性皮膚炎は良くなる戻るを繰り返します。辛抱強く頑張らなければなりません。もちろん養生も大切です。

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これまでに3度自然妊娠されたようですが、3回とも8週~10週のうちに心拍が停止したといいます。
体質は、身長158㎝体重69㎏とやや太めで、顔色は赤黒く、足の冷え、肩こり、便秘、頭痛があります。婦人科で、子宮にいくつかのポリープが見つかり、除去したといいます。チョコレートやケーキなどの甘いものを好みます。
 漢方薬の桃核承気湯を調合しました。飲み始めていくと、便秘、肩こり、足の冷えなどが徐々に改善していきました。
漢方薬を飲み始めて半年後、自然妊娠されました。漢方薬を桂枝茯苓丸加大黄に変え、芎帰膠艾湯と併用してもらいました。
10週が過ぎても赤ちゃんは元気に育ち、そのまま出産まで漢方薬を服用し、元気な赤ちゃんが産まれました。

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年は忘れて考えない (考えすぎる方に、三黄散)
沖縄の泉重千代さんの長寿十訓からの言葉です。
人は不安を感じる動物です。特に先への不安はより強く感じてしまいます。取り越し苦労は、過去にあった辛い思い出から作り上げてしまうこともあります。「年は忘れて考えない」とは、過去未来にとらわれないで、今を精一杯生きるということかもしれません。泉さんの言葉の意味深さが読み取れます。
 さて、ここで漢方医学の話を少し。考えすぎることを漢方では「気の病」と言います。「病は気から」ともいいますが、考えすぎて頭が充血してしまう事をいいます。頭に熱を帯びてしまいますから「頭を冷やせ」となるわけです。パソコンで言うフリーズ状態です。この状態のときに「三黄散(さんおうさん)」という漢方薬を使います。大黄、黄連、黄芩の三つの「黄」からつけられました。この成分は、身体の鬱熱を冷やす働きがあるため、当に頭を冷やす漢方薬なのです。火傷、高血圧、動脈硬化、脳血管障害、便秘、二日酔い、血尿、神経衰弱、ノイローゼ、不安、イライラ、心悸亢進、のぼせ、どもり、不眠、痔の出血、皮膚病、めまい、耳鳴り、難聴、結膜炎、眼底出血、口内炎、歯痛等等、多くの症状に使われます。これは、私たちが手作りで作っている漢方薬の一つです。
 泉さんは、「健康はお天道様のおかげ」とも言っています。考えすぎず、自然に沿った生き方で、感謝の気持ちを忘れなければ、きっと健康で長生きをさせてもらえると思います。

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水毒体質は妊娠の大敵

体の中に余分な水がたまっていると、冷えを招いて、赤ちゃんが授かりにくくなります。
「甘いものを食べすぎない」「適度な運動をする」を心がけて、余分な水分をためにくい体をつくりましょう。

色白でぽちゃり、むくみやすい人は要注意
 体の中に余分な水がたまっている状態を漢方では「水毒」といいます。「余分な水」といわれても、あまりピンとこないかもしれませんね。でも女性には、けっこうこの水毒体質の人が多いのです。
 試しにあおむけに寝て、自分のおなかを軽くたたいてみてください。「チャポチャポ」と水が揺れるような音が聞こえたら、あなたは水毒体質です。また、顔や足がむくみやすい、舌にギザギザと歯形が残りやすい、トイレが近すぎる、逆に遠すぎる、こんな症状の人も水毒体質の可能性が高いでしょう。
 低気圧が来る前に頭痛を感じる、めまい、耳鳴り、皮膚に水疱ができやすい、アレルギー性鼻炎、ぜんそくがある、色白で貧血ぎみ、ぷよぷよとした水太りタイプ、汗をかきやすい、胃が弱い、下痢をしやすい・・・・などにあてはまる人も水毒体質だと思われます。

水毒体質の人は体が冷えやすい
 この水毒体質は赤ちゃんのできにくさにも、大きく関係しています。体に余分な水が多いということは、体が冷えやすい状態と考えられます。体が冷え、子宮や卵巣も冷たければ、赤ちゃんは授かりにくいでしょう。妊娠しても、子宮の中が水分過剰な状態では、赤ちゃんが流れやすいと漢方的には考えます。
人間の体は60~70%が水分でできています。体内の水分の割合がふえすぎると、血液やホルモンの濃度が薄まり、妊娠する力が弱まるのかもしれません。
冷え性の人には「体をあたためる」漢方薬がだされます。実はその多くが、「体内にたまっている余分な水分を除いて血行を促進させ、体をあたためる」ことを狙った処方なのです。
では、水毒体質にならないためにはどうすればよいのでしょう?
「水が多いなら、とる水分を抑えればいい」と思いがちですが、それはまちがい。水毒はもともとの体質も関係しますが、その大きな原因は「甘いもの(砂糖)のとりすぎ」と「運動不足」によって起こると漢方では考えます。
運動をして汗をかくことは、体の水のめぐりをよくするのに欠かせません。水毒体質の症状があてはまる人は、甘いもの(砂糖)をなるべく控えること、適度な運動をすること。この2つを心がけて、少しでも妊娠しやすい体に近づいてほしいと思います。

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力が結果に結びつかないこともある妊活中は、イライラ、クヨクヨしがちです。でもマイナスの感情が赤ちゃんをかえって遠ざけてしまうこともあります。ときには漢方薬の力も借りながら、体も心もよりよい状態にととのえましょう。

授かるためには一心の状態も大事です。
不妊治療、というと、足りないホルモンを薬で補ったり、妊娠を妨げるような子宮筋腫や卵巣嚢腫を手術でとり除いたり、必要であれば人工授精や体外受精を行なったり…と、体"を治すことをイメージする人が多いのではないでしょうか。でも赤ちゃんを授かるためには、心、の状態もとても大事です。心と体は一体である。というのが漢方の考え方です。ですから、心の状態が乱れていたり、不安定だったりすることも赤ちゃんのできにくさにつながるととらえ、漢方では体と同時に心にもアプローチして治療を進めます。「赤ちゃんが欲しいと思って、こんなに努力しているのに、どうしてできないの?」とイライラしていませんか? 怒りやイライラを感じると 赤ちゃんをはぐくむおなかは冷え、かたくなります。
「ストレスで胃が痛くなる」とよくいいますよね。これは胃の周りの筋肉がかたくなり、血流が悪くなるのが原因。怒りやイライラを感じると、血が頭に上りやすくなります。血が頭に上ると、おなかや下半身の血流は少なくなるので、おなかが冷えたりかたくなったりするのです。

不安やマイナス思考は血流を悪くする怒ったりイライラする理由は、人それぞれ。「仕事で理不尽なことがある」など、はっきりとした原因がある場合もありますが、「わけもなくイライラする」という場合もありますよね。いずれにしても、怒りやイライラは確実に体にダメージを与え、妊娠力を低下させてしまいます。漢方ではイライラしやすい、怒りっぽい体質になっている人に、柴胡、という薬草の入った処方を調合します。柴胡にはリラックス効果があり、甘草や芍薬という薬草と組み合わせて使うと、体の緊張をほぐし、妊娠しやすい体質へと導いてくれます。
クヨクヨと思い悩みやすい、気が落ち込む体質の人もいます。こういう体質の人はすべてをマイナスにとらえ、不安に感じがち。不安は、怒り同様に体を緊張させて、血流を悪くさせます。血流が悪くなるとおなかが冷えるので、やはり赤ちゃんは遠ざかってしまうでしょう。また、妊娠にかかわるホルモンは脳から排出されます。でもあまりに不安が強すぎると、そのホルモンの分泌も減ってしまいます。当帰、という薬草は、冷え性や女性のホルモンバランスをととのえる働きがあり、妊活中のかたによく使われますが、クヨクヨタイプにもおすすめ。当帰には独特の香りがあり、その香りが女性の心身を安心・安定させる効用も持っているのです。


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