75歳の主婦。
1年前から背中・胸に湿疹ができて、はじめは買い薬のかゆみ止めを使い、その後皮膚科に受診して軽いステロイド軟こうと痒み止めの抗ヒスタミン薬を使ってきた。
痒みが増すばかりで、効果がなく、来局される。
小柄・やせ型。
皮膚を見させてもらうと、毛孔部が一部軽く赤く腫れているが、ほとんどが粉を吹いたような渋紙に似た皮膚状態で、無数に掻把痕がある。
この状態に血虚生風症、西洋医学的には皮脂欠乏性湿疹の状態であるので、補血潤燥・止痒作用のある当帰飲子(とうきいんし)に苦荊散(くけいさん)を合方して調剤する。
煎薬にして効果を上げたかったが、なるべく手間のかからない薬を希望されて、散薬にしてお薬を作った。
2週間の漢方薬を飲み終わるころには、全く痒みが覚えなくなる。うれしくてワザワザお礼の報告をしにきた。
Comments