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掌蹠角化症

寺町漢方薬局 (広島県広島市)

60歳の主婦。


5年前から、両手・足裏が乾燥し始めて、固くなり痂皮を形成して、歩くと痛みがでて、歩行も困難になった。近所の皮膚科、総合病院の皮膚科にも受診・治療するも、ほとんど効果がない。

ネットで探した他県の漢方薬局での、煎じ薬を1年で100万使うも効果なく、本人が動けないので家族が代理で来局され、画像を持参される。手もだが、特に足裏(蹠)の角質が3センチの厚さになり、歩くこともままならない。両掌・蹠の熱・炎症は、漢方では陰虚にぞくしていて、その対策に補陰薬をつかいます。

初めは、紅斑・熱をもっていたので、犀角地黄湯(さいかくじおうとう)を、角質の熱がとれた2ヶ月後に、滋陰降下湯(じいんこうかとう)、角質の肥厚がうすくなり

四物湯加減(しもつとうかげん)を煎薬で、外用は初めは紫雲膏を、毎日夜に厚く塗ってもらった。痂皮が薄くなり、クリームに変更して毎日塗擦してもらう。

1年かかったが、現在では歩行はもとより、患部のややピンク色に痕跡を残すのみとなった。
薬が合った結果だが、地道に続けた結果にすぎるものはないようです。

 



以前から、倦怠感・めまい・ホットフラシュなど更年期様症状で漢方薬を希望されて、体調が戻り倦怠感と食思低下から、漢方薬の補中益気湯(ほちゅうえっきとう)の煎じ薬を服用してきたところ、毎月の血液検査で、正常値より高かったクレアチン値(1.2)がここ3ヶ月の服用で、クレアチン値が0.8まで下がった。特にクレアチン値を目標に漢方薬をのんでいただいたのではないのに、クレアチン値が下がったのは補中益気湯中に入っている黄耆(オウギ)の薬効のような気がします。
時に軽症のかたほど、早く確実に効果があるようです。

漢方薬の黄耆(おうぎ)で、クレアチン値の下がることが多く、一度、服用を試していただく価値はあります。ほかに有効な方法がない現在。


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漢方薬の黄連(オウレン)は、よく使われる生薬です。
アレルギ―性の病気にも当然使われますが、このたび(ここ1年で)
この黄連が原因と思われる皮膚アレルギーを経験しました。

1)59歳の女性。

もう5年前から、アトピー性皮膚炎で漢方薬を飲んでいるかたです。
毎年、春や秋口に顔の浮腫を伴う紅斑がでます。漢方薬の煎じ薬で、
治まり、仕上げにオウレン含有の軟膏を使ったところ、どうも塗った
場所だけ痒みが強くでます。

別の漢方薬の軟膏に変えたところ、治まりました。

2)52歳の女性

このかたは初めから、オウレンの入った軟膏を塗ると、その場所だけが
痒く、浮腫状に腫れる、他の新薬を含む外用薬では起こらない。

内服の黄連解毒湯でも、皮膚に痒みが増強するという。

3)18歳の男性。

アトピーで漢方薬の内服を主に使って、経過のよいかた。やはり皮膚乾燥
に、オウレン含有のクリームをつかって、紅斑こそ出ないが痒みが起きる。
他の外用薬で痒みが治まる。

   

痒疹に漢方薬

寺町漢方薬局 (広島県広島市)



1年前から、両腕と両下肢に、毛孔がざらざらしだした。
はじめは無意識に掻いてしまった。

1週間後に、痒い範囲が広くなり、皮膚科を受診する。はじめは抗ヒスタミン薬と痒み止めが、次にステロイド系の軟膏(ランク3)がでて、数ヶ月前からはステロイドの内服も増えた。

さすがに、これではいつまで経っても、治りきらないと思われ、来局される。

患部は毛孔部が5ミリ程度に膨らみ、各場所のほとんどに掻破痕がある。猛烈な痒みで、昼は我慢するが、夜間就寝中に掻いている。

患部の状態から、毛孔部の浮腫と炎症に対応する、桂麻各半湯(けいまかくはんとう)を煎じ薬にして、体質改善目的で、十味敗毒湯のエキス剤を併用し、塗り薬はそのまま使っていただいた。2週間で、痒みが楽になったとのことなので、そのまま続服したところ1ヶ月で半減し、3ヶ月でほぼ毛孔部の皮疹は治まり、現在十味敗毒湯のエキス剤のみ続けている。

   

変形性膝関節症

寺町漢方薬局 (広島県広島市)



60歳の主婦。

1年前から、右膝関節が、立ち上がるや階段を下りる時に痛むようになる。しばらくして

から整形外科受診するも、痛め止めのロキソニンと湿布薬をもらい、週2回リハビリに

行くことになった。数ヶ月通うが、痛みが治まらないため、近所も鍼灸院に通いだした。

そこから漢方薬を薦められ来局する。

体型は、小柄・肥満症で、下肢のむくみが常にあり、膝関節部の裏側がぶよぶよし

ている。また全身がビヤ樽型で、いかにも水っぽい感じが濃厚である。変形性膝関

節症の診断があるものの、関節腔内ではなく周りの筋が関係している、先人の教え

とおりに、筋に効く疎経活血湯(そけいかっけつとう)の

加減
を服用していただいた。

すると、2週間で足が軽くなった。4週間後には、体重が3kg減ったうえ、痛みは半

減した。その後防風通聖散や防已黄耆湯

も併用しながら、体重を20kg落としたところ、半年後には足関節の痛みを感じなくなっ

た。

やっぱり、肥満がキーポイントです。

 

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