秋にオススメの漢方薬についてお話しています。今回はこのシリーズの最後として、感染症の予防にオススメの漢方薬をご紹介します。
前回もお話したように、秋は乾燥する季節です。乾燥すると、感染症にかかりやすくなります。なぜかというと、空気が乾燥してくると、喉や鼻の粘膜が乾燥し、粘膜によるウイルスや細菌などの除去機能が弱まり、免疫力が低下するからです。
また、漢方医学の考え方としても、秋は肺のトラブルをおこしやすい季節になります。肺の働きが失調すると、体のバリアの働きをする衛気の力が弱まり、免疫力が低下し、病気にかかりやすくなります。
乾燥による様々な症状には、前回もお話したように瓊玉膏がオススメですが、感染症の予防となりますと、それに板藍根を加えることがオススメになります。
板藍根粉末顆粒
板藍根は、アブラナ科のホソバタイセイの根のことです。この植物はインジゴを含み、古くから藍色の染料として用いられてきました。抗ウイルス作用や抗菌作用、解熱作用があることが知られています。ですので、風邪やインフルエンザによる熱症状や、のどの痛みに大変効果があります。
また、昔から中国では風邪やインフルエンザの予防としてよく使用されています。つまり、感染症の予防薬としてもオススメになります。
これからが本格的な感染症の時期になります。板藍根を飲んで感染症の対策をされてみてはいかがでしょうか。
4回にわたって、秋の養生法と漢方薬についてお話してきました。この時期は、行楽や運動会など、たくさんの行事があると思います。夏の疲れを癒し、体の内側から潤いを充実させて、秋の季節を楽しんでいきましょう。
秋の養生法と漢方薬④――感染症の予防に板藍根――
栃本天海堂薬局 福島店 (大阪市福島区)
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更新日: 2017/10/06 |