病気とは気が病むことです。
漢方用語に、「気虚(ききょ)」という言葉があります。
「気」とは具体的はどういう意味なのでしょうか。
気をエネルギーと捉えた場合、エネルギーの定義は、
「仕事をすることのできる能力」であり、身体活動を
行う能力と言うことができます。体内でエネルギーが
出入りする反応は「代謝」なので、気虚とは「代謝効率が
落ちた状態」と言えると思います。
では、代謝とは何でしょうか。以下の二種類があります。
(1)同化…エネルギーを使って物質を合成する反応。
(2)異化…物質を分解することでエネルギーを合成する反応。
具体的には、食べ物から得た栄養素を分解して、細胞内の
ミトコンドリアでエネルギー(ATP)を合成することを「異化」と
呼び、「基礎代謝、消化、運動」などを行い、エネルギーを
使って内蔵や組織に必要な物質を作り出すことを「同化」と
呼びます。
すなわち気虚とは、
基礎代謝、消化、運動が不十分であること
と言うことができます。
この中で治療に関するものは、
(1)筋肉量が少ないことや筋緊張があること。
(エネルギー合成が行われるミトコンドリアの80%が骨格筋に
存在し、また、基礎代謝が行われる場所(筋肉20%、肝臓27%、
腎臓10%、脳20%、心臓7%)のうち、意識的に動かせるのは
筋肉のため。)
(2)胃腸機能が低下していること。
(3)冷えやすいこと。(エネルギーを使う時に熱産生も行われるため。)
気虚を発端に病気は進行していきます。
次に発症するのは「上衝(じょうしょう)」です。
次回へ続きます。
病気の仕組み
和漢薬舗 東洋堂 稲垣薬局 (東京都武蔵野市)
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更新日: 2019/01/28 |