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いやはや夏がやってまいりました。
これから2か月、どうやって生き抜こうかと思案投げ首の毎日ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

最近の「夏」というのは、私たちの子供の頃のように”いわゆる夏バテ””暑気あたり”だけが問題になる訳ではありません。
夏特有の「食べ物」や「生活環境」が色々な症状の引き金になって来るようなのです。
多分、一度は耳にしたことがあるでしょう?そう、『冷え』って奴ですよ。

症例1:Aさん(38才女性)近所のスナックのお姉さんです。主訴は生理痛で「毎月、生理は不順で月に2回来ることもある。今回は痛みが酷く仕事にならない」と言います。仕事柄、結構涼しい場所で冷たいものを飲む機会も多いようです。手持ちの鎮痛消炎剤(ロキソニン)に当帰建中湯エキスを併用としました。数日後「楽になった」との報告がありましたが、今後は本格的な治療を考えなければいけないよ、とお答えしました。

症例2:Mさん(70才男性)症例1のAさんが勤めるスナックのマスターです。電話で相談をよくされる方で「最近、明け方に足がつる」と言います。「芍薬甘草湯エキスを飲んだが効かない。何かないか?」と言うのです。この人、結構”健康マニア”なんですが、知識だけ先走って実行が伴わない、という欠点をお持ちです。確か以前こんなこと言っていたなあと「夜、エアコンと扇風機使っているでしょ?」「短パンとランニングで寝ているんだよね」と聞いてみました。「おお、その通り。俺、暑いの苦手だからさあ」・・・・なるほど。まあそんな訳で、漢方薬はそのままに、袖付きの衣服で寝る事、エアコンはタイマーで、扇風機には直接当たらず、足にはタオルケットをね、と伝えておきました。「無理だよ、死んじまうよ!」とMさん。「まあ、騙されたと思ってやってみて」と私。翌日「うん、昨日は大丈夫だった」・・・まあ、三日坊主だろうけど。

症例3:Eちゃん(10才)小学校の吹奏楽クラブに所属しており、月末のコンクールを目指して朝から午後まで学校で練習しているそうです。以前、”おねしょ”の相談を受け、漢方薬で良くなっていたのですが、最近また時々あるのでどうしましょう?との相談です。まあ一度は治っていたのですから、多分、日中と夜間の”飲水バランス”が悪いのだろうと考え、「練習中は水とか飲んでる?」と問うと「水筒を2本持って行っている」と言うのですが「学校でトイレに行く?」と問うと「う~ん・・・?」と余り行かないようです。「じゃあ、お家に帰ったらお茶やジュースやアイスとか、沢山飲んだりする?」と聞くと、お母さんが隣で「そういえば」と頷いています。日中の水分摂取が不足していて、その分を夕方から寝るまでの間に摂ろうとするので夜間尿(冷たいものの摂取過多は『冷え』につながる)になるのです。水筒を3本持たせて、お昼のお弁当の味付けを少し濃いめにしてもらいました。漢方薬は”アセモ”がちょっとあったので黄耆建中湯としました。

生活が便利になっている現在、へたをすると、冬よりも夏の方が『冷え』の影響を受けやすいのかもしれませんね。

くれぐれも『冷え』には注意して、楽しく夏をお過ごしください。

そろそろ夏が近づいてきましたが、まだ身体が暑さに慣れていないこの時期、熱中症が多発しています。

熱中症の本質は”脱水”ですが、脱水は暑さ以外でも起こるのです。
例えば、下痢、嘔吐、発熱など、誰にでも起こる病気の症状の1つなのです。

特に子供と老人は脱水症をおこし易いと言われています。
子供(乳幼児)は①尿が薄いままたくさん出る②大人の2倍汗をかく③元もと身体が水っぽい④自分の意思で水分補給ができない などの理由で。
老人は①元もと身体の水分が少ない②喉の渇きが自覚できない③なるべくトイレに行かないよう水を我慢する④腎機能の低下で尿が薄く多量になり易い⑤経口摂取の減少 などの理由が考えられます。

脱水症の基本的な治療は「経口補水」です。
この考え方は古くからおこなわれていたもので、例えば”お茶に羊羹と漬物”とか、”重湯と梅干”とか、疲れた時や病気の時に「水分」と「塩分」「糖分(炭水化物)」を補給する、というやり方がそれに当たります。

経口補水液はOS-1(大塚製薬)、アクアサポート(明治製菓)などが市販されていますが、ご家庭で簡単に作ることが出来ます。

基本レシピは水1000ミリリットルに塩3グラム(ティースプーン軽く1杯)、砂糖40グラム(カレースプーン軽く3杯)です。
もう一工夫されるのであれば、水900ミリリットル+グレープフルーツジュース(100%)100ミリリットルとするか、水950ミリリットル+レモン果汁(生)50ミリリットルとしても良いでしょう。

いずれにしても、これらの経口補水液は健康な人にはあまり美味しいものではありません。
逆に脱水症の傾向のある人には美味しく感じるようです。これも脱水症の目安になります。
使い方のコツは”一気に飲まず、500ミリリットルを30分~1時間位かけて飲む”ことです。

以上の内容は『熱中症・脱水症に役立つ 経口補水療法ハンドブック』日本医療企画 谷口英喜著 (定価2000円)にもっと詳しく書かれています。
少し専門的な内容も含まれていますが、全体的に分かり易く書かれていると思います。

今年は”冷夏”になるという予報ですが、今はとても暑いです。
各地で行われた運動会(最近は春の運動会、多いですねえ)でも熱中症で体調を崩した方がいたようです。
熱中症の基本的な病態は「脱水」です。できるだけ早く「補水」を行い体温の上昇を防ぐ必要があります。

よく「”日射病”と”熱中症”はどう違うの?」という質問を受けます。
「お日様に当たると日射病になり、暑いところにいると熱中症になる」などと言うのは真っ赤な嘘で、本当は従来の古い分類から来ている誤解です。

※従来の(古い)分類は以下の通りですが・・・
①熱けいれん:運動等で多量の汗をかきナトリウム(塩分)が失われ、真水だけを補給した場合に起こる。痛みを伴う四肢の筋けいれんが特徴
②熱疲労:発汗があり体温が上昇(~41℃)、全身倦怠、脱力、めまい、嘔吐、頭痛などが起きる。
③熱射病:体温調節機能が破たんし、発汗も無く、多臓器不全に陥る。
④熱失神(日射病):炎天下や高温多湿に環境で長時間活動した時に起こる。突然の意識消失、発汗はあり体温は正常である。
これだと、重症度の鑑別ができないため、治療方針が決められなかったのです。

最近は重症度と治療法がセットになっている分類が使われています。
※熱中症の重症度分類(脱水の程度による分類)
Ⅰ度(軽度)熱中症:熱は出ない、めまい、立ちくらみ、食欲低下、こむらがえり、筋けいれんなど
Ⅱ度(中等度)熱中症:熱が出る、頭痛、吐き気、嘔吐、全身倦怠感など
Ⅲ度(重度)熱中症:異常な体温(41℃~)、意識消失、けいれん、血圧低下など、死に至る場合もある

Ⅰ度熱中症であれば、市販の経口補水剤(OS-1:大塚製薬、アクアサポート:明治製菓)で回復します。この場合、いわゆる”スポーツドリンク”では塩分が少なすぎるため効果がありません。
Ⅱ度熱中症でも、比較的早期に(あまり体温が上がってない時)経口補水を行うと回復しますが、念のために医療機関を受診すべきでしょう。
Ⅲ度熱中症は迷う事なく救急車を呼ばなくてはいけません。

市販の経口補水剤は薬局などで入手できますが、ご家庭でも台所にあるもので作ることができます。

※手作り経口補水剤(ORS)
水1リットルに対して食塩3グラム(ティースプーン軽く1杯)、砂糖40グラム(カレースプーン軽く3杯)、お好みで濃縮レモン(ポッカレモン)や”飲めるお酢”などを加える。

お子さんでしたら少しずつ時間をかけて500ml位を目安に飲ませると良いでしょう。
コツは量を飲む必要があるため、あまり濃い味付けにはしないことです。

日本は周りを海に囲まれていますので、広~い大陸みたいに空気が乾くという事は1年を通じて余り無い国です。
その代り四季折々の循環型気候、例えば暑さや寒さ、空気が乾いたり湿ったり、台風の当たり年があったり、という特徴があります。

主な原因は、地球の自転による「風」と太陽による「海水温の変化」なのです。最近よく耳にする”エルニーニョ現象”ですが、これは日本から数千km離れた海の水温がほんの1~2℃上がったことで、日本が冷夏になったり台風銀座と化してしまうのです。
まさに「お天道様には逆らえない」ということです。

こんな状況ですから、梅雨時(気温と湿度が高い)は漢方的に言うところの『水毒』によるトラブルが多くなってきます。
外気の湿度が高く、余分な水分を汗として発散することが難しくなるため、身体が何となく重く感じたり、食欲がなくなったり、眩暈(めまい)がしたり、頭痛が起きたりします。

症例1:22歳女性、生理不順があり排卵期に身体が浮腫みます。特に梅雨時は症状が酷く、顔がパンパンになるといいます。普段から生理不順のための漢方薬を服用していますが、こういう時は五苓散を兼用してもらいます。1~2日の服用で尿がたくさん出て顔がシュッとするそうです。

症例2:55歳女性、普段から「健康のために」水を1日2リットル以上飲むようにしている、との事です。それも何処やらの「美味しい水」なのだそうですが・・・。
慢性の頭痛持ちでバファリンやロキソニンを手放せません。何かありませんか?と言うので①水は適度に②毎日運動③毎日お風呂④尿の出が悪ければ五苓散、とお伝えしました。お薬だけじゃ駄目なの?と言いますので①~④セットでお勧めしましたがどうなりますかね。

はあ~今年もこれから暫く蒸し暑い日々が続き、その後は猛暑の夏なんですかね。
熱中症も夏バテも、もう始まっていますよ。

日本特有の『水毒』を上手にコントロールしていきましょう。

ここ数年で、今までのものとは全く違った働き方をする糖尿病治療薬が登場しています。

私たちの学んできた「糖尿病治療セオリー」は①運動②カロリー制限③薬物療法(Ⅰ型:インスリン、Ⅱ型:スルホニル尿素剤)でした。
使われる薬剤(インスリン、スルホニル尿素剤)は何れも『低血糖』という厄介な副作用があります。

絶食(あるいは過剰な食事制限)をしてこれらの薬を使うと低血糖になってしまうので、薬の使用に合わせた厳密な食事コントロールが必要だったのです。

ところが最近、この『低血糖』を起こさないものが登場してきたのです。
●GLP-1アナログ:小腸から分泌されるインクレチンホルモンの誘導体。高血糖の時だけインスリンを分泌させ、血糖を下げる。
●DDP-4阻害薬:インクレチンホルモンの分解を阻害し、高血糖の時だけインスリンを分泌させ、血糖を下げる。
※GLP-1アンアログとDDP-4阻害薬は、血糖が下がるとインスリンが分泌されなくなるので『低血糖』が起きない

●インスリン抵抗性改善剤:インスリンの分泌を促進するのではなく、インスリンの効き目を良くする薬剤。『低血糖』は無い。

●SGLT-2阻害薬:この薬は余分な血糖を尿で排泄して血糖値を下げます。上のものとは異なり『低血糖』の可能性はありますが、食事のコントロールが難しい人(例えば付き合いの多い営業の人とか)が使うには良さそうです。

ただし、基本は①有酸素運動(スイミング、ウオーキングなど)を1日30分以上②生活の質に合わせたカロリー(1日2000㎉ぐらい)③食品素材は30種以上、バランス良く です。

生活習慣を見直して下さい。最近の薬物療法は副作用も少なく、安心して行うことができますが、糖尿病は決して薬だけでは治りません。


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