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もう30年も前になります。

何も考えず学生時代を過ごした私はとある製薬メーカーの営業(その頃は”プロパー”と言いました)に就職しました。
ほんの1か月ばかりで「運動部出身のオレ様は出来るはず、頑張れるはず!」という、全く根拠の無い自信は崩れ去り、何もできない自分に気付いて愕然としたものでした。
おまけに薬剤師免許は取っていたものの医療の経験は全くありませんで、まあ言ってみれば”頭でっかちのデクの坊”だった訳で、体調不良のひとつも治すことができませんでした。

そんな私の記憶に残っている症状と、今ならどうするか?を考えてみましょう。

社会人になった初日、「靴ずれ」ができました。それまでゲタ、サンダル、運動靴以外履いたことが無く、薬局に飛び込みバンドエイドを貼り、靴のかかとをつぶして履き、急場をしのぎましたが、その後もなかなか傷は治りませんでした。
→今なら「太乙膏」あたりを使うでしょうね。

季節は春から初夏です。慣れない背広とワイシャツの襟(糊でカチカチ)で酷いアセモができました。書き壊してジクジクした湿疹になってしまい、秋になるまで治りませんでした。
→この頃は仕事のストレス解消にと毎日飲んだくれていましたからね、初期なら黄耆建中湯、酷くなったら十味敗毒湯あたりでしょうか。

夏のナイロン靴下とビジネスシューズは水虫の原因です。特に気を付けてほしいのはビジネスシューズです。絶対に(重くても、高価くても)きちんとした”革靴”にしてね。安いのは通気性が悪くてダメですよ。
→当時はあまり良い外用剤がありませんでしたが、最近は良いものがたくさんありますから大丈夫です。

毎月の営業会議は嫌でしたねえ。今なら間違いなくパワハラ、モラハラの世界でしたもの。ヤケ酒、ヤケ喰いが多くなり、下痢・軟便が続きつつメタボ体型になりイボ痔なども発生するに至りました。
→あれれ、困りましたねえ。実際はこのころ仕事(営業)を辞め、カタギなところに就職しましたのでこれ以上酷くはならなかったんですが・・・。柴胡加竜骨牡蠣湯+桂枝茯苓丸とか、半夏瀉心湯の兼用でしょうか。過食には黄連解毒湯なども有効だったかもしれません。

いやあ、今回のタイトルは「新入社員へのアドバイス」でしたが、実は『新入社員(30年前のオレ)へのアドバイス』でしたね、こりゃあ。

急性腰痛に便秘が併発する事があります。
痛みのためにお腹に力が入らないせいなのか、神経が緊張してそうなるのか分かりませんが、便通を整える処方を使わないと良くなりません。

大黄附子湯、芍甘黄辛附湯などのような下剤(大黄)を含む薬方や、桂枝茯苓丸加大黄や大黄甘草丸などを兼用方として加えます。

今年の大雪の後、母(85才)が便秘を伴う腰痛になりました。雪かきで疲れていたのは確かですが、転倒したり尻餅をついた訳でもないので骨折などは無く、おそらく”筋・筋膜性腰痛”であろうと思いました。

最初は夜寝返りもうてない程の腰・背部痛で、上記の薬方を色々組み合わせて使うこと2週間、ようやく頑固な便秘は治ったものの体動時に起こる痛みは相変わらずです。
漢方、鍼灸と総動員するも、なかなか収まらぬ痛みにとうとう母が焦れてしまい病院に行くことになりました。レントゲンを撮るものの、ハッキリした所見は得られず「では、次週MRIを」ということになりました。

その結果、4週目にして腰椎の圧迫骨折が判明しました。「なるほど、それで痛かったのか」と母は納得、実はそのころには痛みも半減していましたが・・・。

今回の教訓は、「老人の骨は案外と脆い、便秘を伴う急激な腰・背部痛は、転倒が無くとも圧迫骨折を考慮すべき」ということでした。

ただ、漢方と鍼灸の併用は意外に効果があるなあという感じはありましたね。

今年は雪が多くて、腰痛や肩背痛になった人も多かったです。
ずうっと家に閉じ込められていたので、春が来て桜の便りが聞こえるようになると外に出て身体を動かしたくなるのも人情ですね。
しかし、やり過ぎはいけませんね。
Jさん、33才女性の事務職の方です。数年前にコアリズム(腰を8の字に回す運動・・・だそうです)で腰を痛めました。何でもしばらく一生懸命やっていたらウエストに”くびれ”が出てきて、嬉しくなってガンガンやったら腰痛になり(何もそこまでやらなくても・・・)、哀れ「ぼん!きゅっ!ぼん!」は夢と散りリバウンド(?)してしまったそうです。
そして今年は・・・ウオーキング(有酸素運動)ダイエットだそうです。
「まあ、見ていてくださいよ」とJさん。

かなりストイックにガンガンやる性格だからなあ、大丈夫かなあ?と心配していたのですが、1か月後「足が痛くなったので今は休んでいる」との事です。
痛むところは足首の関節の甲側、やはりオーバーワークによる炎症のようです。それ以外には足の甲の中間の動かない関節(リスフラン関節)に圧痛がありました。

こういう場合、お灸が意外に効くのです。
痛いところに台座付きのお灸(せんねん灸など)を据えてもらったところ、2週間位で痛みはほぼ無くなりました。

筋肉の強化や柔軟性の向上に運動する事は大切ですが、痛くなって運動できなくなる程の運動をしちゃいけませんよね。

何事もほどほどにね、楽しくやりましょう。

”ジェネリック”とは「一般的な」とか「銘柄に拘らない」という意味で、最近は”ジェネリック医薬品”という言葉を良く聞くのではありませんか?

ちなみに、ジェネリック医薬品は先発品(一番初めに売り始めた薬、独占権がある)が世に出てから20年以上経過してやっと製造販売が許可されるものなので、現在発売されているジェネリック医薬品(の先発品)は全て20年以上前に作られたものなのですね。

最近気が付いたのですが、ジェネリックの無い”抗生物質”ってほとんどありません。
例えば、クラリス、クラリシッド、フロモックス、セフゾン、メイアクト、セフスパン、トミロン、バナン等々、汎用されている抗生物質の大部分にはジェネリック医薬品が存在しており、多く使われているのです。

聞いたことがあるかもしれませんが、この頃「耐性菌」と言って、抗生物質が効かない細菌が増えています。上気道感染症(扁桃炎、気管支炎など)や耳鼻科感染症(中耳炎、副鼻腔炎など)に罹ると色々な抗生物質をとっかえひっかえ使ってもなかなか治らない方が多いです。
何故なら、細菌をやっつける薬、すなわち抗生物質は、ここ20年以上新しいやつが出ていないのです。
耐性菌(抗生物質が効かない細菌)が増えているのに、新しい薬は作られていない訳ですね。

さて、どうすれば良いのでしょうか。
まず、考え方を変えて下さい。抗生物質で細菌を殺して治すのでは無く「病気を治せる身体」を作っていくのです。
例えば、子供なら小建中湯とか黄耆建中湯などで身体づくりをしましょう。
大人の体質改善(なかなか難しいですが)には柴胡清肝散や防風通聖散、五積散などが良いでしょう。
また、感染症自体に対する薬方も沢山あります。皆さん良くご存じの”葛根湯”をはじめ、証に合わせた使い方をすれば十人十色どころか100人いたら100通りの薬方があるのです。

「なかなか治らない」とか「どうもすっきりしない」「体調の回復に時間がかかる」というような人は、是非一度漢方薬を使ってみるべきですね。

今年の冬もインフルエンザが流行しました。

最近は熱が出て「インフルエンザかも?」と思えば、当たり前のように病院で迅速診断キットで検査、「A型ですね」「B型ですね」と診断が下され、飲み薬ではタミフル、吸入薬ではリレンザ、イナビル、点滴ではラビアクタなどが使われています。
これら以外にも、アマンタジンという薬があるのですが、元々はパーキンソン病の薬であり、A型インフルエンザにしか効果が無いのであまり使われていませんでした。

確かにインフルエンザは歴史的な被害をもたらした大流行(パンデミック)を起こしたことがあります。
●スペイン風邪(1918~19年)
全世界で6億人が感染し5000万人が死亡しました。日本でも人口の約半分に当たる2300万人が感染し38万人が死亡しています。致死率は約2%でした。
●アジア風邪(1957~58年)
スペイン風邪に比べて感染者数、致死率ともに低く、死亡者数は全世界で200万人でした。日本の死亡者は7800人。
●香港風邪(1968~69年)
前記つのパンデミックに比べて被害少なく、死亡者数は全世界で100万人でした。日本の死亡者は3000人弱。

確かにすごい被害なのですが、それでは普通の〈毎年やって来る)「季節性インフルエンザ」ってどの位怖い病気なのでしょうか。
大雑把に言うと、毎年日本では1000万人が感染者し、内1000人前後(200~1800人)の方が亡くなっています。
更に、統計的に”インフルエンザに関わりのある死亡者”即ち「超過死亡数」は約1万人とされています。

数字が大きくて実感が湧かないので、他の数字と比べてもましょう。
とは言っても、これも死亡者数統計だったりするので軽~くスルーして下さって結構です。

※高度経済成長(昭和40年代)の交通事故死は年間1万人、負傷者は80万人でした。現在はおよそ半分にへっていますが、やはり年間5000人以上の方が亡くなっています。

※また、最近話題になっている「自殺者」は3万人。

※ガンによる死亡者も減少傾向にあるとは言え、年間38万人です。何と”スペイン風邪”の死亡者数とほぼ同数の方が毎年亡くなっている訳ですね。

ちなみに、国内でタミフルを初めとする「抗インフルエンザウイルス剤」が発売されたのは2001年からですが、発売後の死亡者数および超過死亡数に著明な変化はみられません。
細かく見ていくと、やはりご高齢の方や、持病のある方、体力の低下している方が亡くなることが多いようです。

私自身の記憶では、最後にインフルエンザ(だと思われる)に罹ったのは25年前、さらに遡ってみても幼少の頃虚弱体質であった私はよく風邪をひき、こじらせて気管支炎になりヒューヒュー、ゼイゼイ、ゼロゼロ、ゲホゲホとだいたい2~3週間は学校を休むことになっていましたが、高熱が出て苦しかったという記憶は余り無いのです(とは言っても、5~6才ころまでの記憶ですが)。
まあ、熱が下がっても咳が治らず苦しかっただけかもしれませんが・・。

私は面倒くさがり屋で、うがいもマスクもほとんどしませんし、予防注射も何だかインフルエンザに負けたような気がするので受けません。健康維持のための漢方薬は適当に飲んでいますが、それが良いのかもしれませんね。

あまりカリカリしなくてもそんなに簡単にインフルエンザには罹らないし、もし罹っても良い薬(病院の薬も、漢方薬にも)があります。

インフルエンザは熱が下がってもなかなか体調が元に戻りません。そんな時は漢方薬の出番です。一般的には柴胡剤(柴胡の入った薬方)や人参剤(六君子湯、補中益気湯など)や建中湯類(小建中湯、黄耆建中湯など)が効果的です。

ただし、高齢者と持病(心臓病、腎臓病、呼吸器病など)のある子供には予防注射をしておいた方が良いですね。


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