中村漢方薬局

元気の「気」と病気の「気」

漢方の「気」の概念は、中国の古典「黄帝内経」（こうていだいけい）から発祥しています。

古代中国の人々は宇宙、自然環境、そして命のいとなみのリズムを「気」という概念でとらえていました。気の遠くなるような時間をかけ、高度で緻密な観察力で天地の「気」と身体を流れる「気」を呼応させ、病気にならない生活習慣を考案しました。

「黄帝内経」には「自然の法則に反して自分勝手なリズムで生活するならば、健康で長生きはできない」と記されています。文明がどんなに発達しても自然の運行法則は営々として変わりません。植物に病気を癒す力がそなわっているのは人類が誕生するときに天然物を薬として利用するシステムが体内に仕組まれていたことを示しています。人体が天地自然の構成要素であることを自覚し、その息づかいに自らを合わせること。それが天地人合一であります。