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前回の健康トピックスで “玄米” についてお話をし、その折
“よく噛むこと” をお伝えしました。
最近の食べ物は、軟らかく食べやすいものが普及しています。
そのため現代人は咀嚼そしゃく回数が減り、噛む力も弱くなりました。

ちなみに一回の食事で噛む回数は、神奈川歯科大学の発表によると
 弥生時代 ~ 4000回
 鎌倉時代 ~ 2500回
 江戸時代 ~ 1500回
 現代人  ~  620回 
回数の減少により顎骨が細くなり、不正咬合や顎関節症が増加しました。
また噛まないと唾液は分泌されませんので現代人は唾液不足になっています。
唾液は大半が水分ですが、重要な成分も含まれています。
 ・アミラーゼ、リパーゼ ~ 消化酵素
 ・リゾチーム、ラクトフェリン ~ 殺菌消炎
 ・ムチン、アルブミン ~ 口の中を潤し乾燥を防ぐタンパク質 など
どれも大切な成分で口腔ケアには必須ですね。

最近 身近な問題では唾液減少によるドライマウスが増え、口の苦み、それに伴う
口臭に悩む方が多いようです。
漢方薬では 百合ひゃくごう沙参しゃじん玉竹ぎょうちくなどの薬草に潤す作用があり、
ドライマウスをはじめドライアイ、ドライスキン(乾燥肌)の方に良く使われています。

「食べる力は、生きる力!」 
毎日の食事から「穀気」(エネルギー)が生まれ、全身を廻り、生命力を育みます。

日本食の基本は なんといっても“お米”です。だだし今回は白米ではなく
玄米のお話です。

玄米は “天然の完全食” と言われており、食物繊維・ビタミン・ミネラル等が
バランス良く豊富に含まれています。
低GI食品(血糖を上げにくい食品)としても注目されています。
さらに、玄米の“米ぬか”には ガンマ-オリザノール という成分が含まれている点も
見逃せません。

〇自律神経のバランスを整える効果
  幸福感を生み出すドパミン受容体の機能を高め、脳ストレスを緩和

〇血中脂質改善効果(コレステロール低下作用)

〇美肌効果
  乾燥肌の改善。シミの原因メラニンの生成抑制

こんな素晴らしい和食の原点ともいうべき“玄米食”に挑戦してみてはいかがですか。
ガンマ-オリザノールを含む医薬品もあります。当店でも取り扱っておりますので、
ご相談くださいませ。
(注意! 玄米は良く嚙むことが大切です。)

更年期障害というと、女性特有の症状のように思われがちですが、実は、男性にも表れます(なんと6人に1人!)
それは男女共に“男性ホルモン(テストステロン)”が関与しているからです。テストステロンの低下により、更年期症状が表れます。
テストステロンは別名“前向きホルモン”ともいわれ、生活全般にわたり「やる気!」「元気!」にかかわっています。
不安定なホルモンで、少しのストレスでも下がる事があり、もし下がれば、生活習慣病や癌のリスクも上がるといわれています。
精神面にも影響を与え、イライラ・不安感から うつ病につながる事もあるそうです。
このようにテストステロンは“生き生きとした生活”を送るのに必要なホルモンですが、残念ながら食事から直接補うことはできません。
(実はホルモンはコレステロールからつくられますが、食事でコレステロールを増やすことには少し抵抗がありますね)
運動することも大切です。筋肉が活発になればホルモンの受容体が増えテストステロンが増加します。
生薬では鹿茸ロクジョウ鹿腎ロクジン冬虫夏草トウチュウカソウなどが、男女を問わず更年期の諸症状に良く使われています。

アレルギー性鼻炎の季節がやってきました。
最近では通年性(一年中)の鼻炎も増えてきましたが、やはりこの時期、
スギ花粉に悩む方が多いようです。
とりあえず鼻炎薬で鼻水を止める事が先決ですが、鼻水を止める薬は
鼻水だけでなく唾液、胃液、腸液も同時に止めてしまうことも。
唾液が止まれば、口渇! そして腸液が止まれば便秘! という別の悩み
ついてまわります。やっかいですね。
しかし漢方薬ならば鼻水だけを止めたり、そしてさらに、花粉に襲われても
鼻水の出ない体質に変えていく事も。いわゆる体質改善ですね。
花粉に限らず、細菌・ウイルスに襲われたときのために、
体を守るための防衛力(免疫力)を身につけなければなりません。
漢方では“黄耆おうぎ”という生薬が有り、その黄耆おうぎの入った「玉屏風散ぎょくへいふうさん」などの
漢方薬もよく使われています。
体質改善についてお悩みでしたら、ぜひご相談くださいませ。

“学校薬剤師”という職種をご存知ですか?
各学校には学校医と共に必ず薬剤師も配属されています。
主に生徒に間接的にかかわる環境衛生の検査を行います。
実は私も地元の小・中学校を担当しています。
特にこの時期は教室の二酸化炭素(CO2)濃度を測定します。
今でこそコロナ禍で換気するようになりましたが、以前は暖房効率が優先され、密閉されていたので、授業開始10分位でCO2濃度が基準値(1500ppm)を大幅に超えてしまいます。
CO2濃度が上昇すると頭痛等の症状が現れ、それと共に学習効率が2~7%低下し、テストの平均点も5~9%低下するという報告もあります。この現象は、学校教室にとどまらず、そのまま家庭内のリビングにも当てはまります。
家族団らんの食事時間帯こそ要注意! 換気の励行を忘れずに!
ところで学習効率を上げる漢方薬があるのをご存知ですか!
お隣の韓国では日本以上に厳しい受験戦争が繰り広げられています。
「記憶力アップにつながる」と受験生に人気なのが、“聡明湯そうめいとう”という漢方薬です。
日本では“帰脾湯きひとう”という漢方薬があり、聡明湯と同じ成分が入っていて、認知症の予防に使われています。


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