立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花。
美人を形容して言うこの言葉は有名ですね。
芍薬にしても牡丹にしても百合にしても
鑑賞用としてご存知の方のほうが多いかもわかりませんが、
実は漢方薬としても重用されます。

特に芍薬。寒冷地で排水が良くかつ保水力もある土地を好み
つぼみを全部摘み取って根を太らせて、
4~5年丁寧に育てて、根の外皮を剥いで乾燥したものを
漢方薬で使う白芍(びゃくしゃく)=芍薬といいます。

日本では足利時代(1400年代ころ)には栽培していたという記録があり
奈良県で栽培されたものは「大和もの」として高級品です。
やはり奈良の土壌・環境は優れているのだと思います。
そういう意味では、「高級品」をしっかり確保できる吉野にて
開業している事はありがたい事です。

ところで、この芍薬、抗炎症作用・鎮痛作用・鎮静作用・平滑筋弛緩作用
血管拡張作用・プロゲステロン様作用などが報告され、
漢方としては、補血作用・止痛作用などを期待して配合します。

婦人漢方として有名な当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)の芍薬もこれです。
美人を形容するのは見た目だけなく、
これを服用することで健康で美人になれるというような側面があるのかもしれませんね。
実際、この処方で「シミ」がきれいになってきて喜んでくれている方はいます。
漢方の良いところ、自然の恵みを是非、体験していただきたいものです。

 

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頸性神経筋症候群(CNMS)いう疾患.。
松井孝嘉博士が発見した頸部後筋群の異常から
起こっている頭痛・めまい・むち打ち症・自律神経失調症
ストレス症候群・うつ状態・慢性疲労症候群・・・など。


以前、私が記した「首コリ」もこれに含まれるのでは
ないかと思っています。
現在、この考えに基づいて入院加療を施す病院もあるようですが、
近くにない事がほとんどのケース。
重症でなかったら、入院までしなくても、
「首こり」のレベルで漢方や針灸で治療するのも一手。

例えば、風邪の初期には首筋のこわばりを感じる事が多く、
この時、実証の人には葛根湯を候補に考えます。
これを転用して広く首肩こりに使われているのが実態ですが、
なんでも葛根湯はいかがなものかと思います。
ちゃんと証を考えなければ効かないし、副作用だって考えられる。

CNMSという考え方と東洋医学的発想をコラボして
よりよい処方や治療を考えてみましょう。
頸椎を支える筋肉に針治療を加えて、
漢方を内服することで
かなりの効果を期待できます。

TEL0746-32-4568

 

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膝関節痛で悩んでおられる方の多い事!

TVのCMでよく流れる健康食品について
「飲んだほうがいいでしょうか」って良く質問されます。
その都度、
「中にはそれが合う人もいるかもしれませんので、
どうしても試してみたいと思うのなら3カ月続けてみてはいかがですか。
ただ、そんなに効果が高いなら医師も私も要りません。」
と伝えています。
何かにすがりたい気持ちは理解できますが、
なかなか難しいものです。
また、「水を抜いたら癖になる」といってかたくなに
抜水を拒否する方もいらっしゃいますが、
それは癖になるのではなく抜いても溜まってしまうだけです。
逆に抜かないとその水に含まれている成分で
余計に炎症を助長して悪化につながることもあります。

膝の腫れ具合を見て、「これは整形で抜いてもらってください。」
「これはもう少し様子を見ましょう」と
指示させてもらう事は良くあります。
そのうえで、漢方薬や針治療で膝の腫れ・痛み・変形の改善に
対応しています。
ありがたい事に、結構いい成績だと思っています。

膝に痛みを感じたり、歪んでいたりしても
「震源地」が膝でなく実は腰の場合もあります。
膝が痛いといって病院でレントゲンとっても異常なく
痛みどめと湿布で改善せず、
良く探してみたらそうだったというケースに
ときどき遭遇します。
人によりケースバイケースですが、
あきらめずに一度ご相談くだされば
いろいろ改善策を考えたいと思います。

TEL0746-32-4568

 

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私がまだ駆け出しのころの話。
ある日、大変スタイルのいい若い女性が相談に来られた。
モデルの仕事をしているが、ニキビが出て困るので
なんとかしてほしいとのこと。
仕事にかかわる事なのでたかがニキビといえど本人にとっては大問題だ。
当時の詳しい処方は忘れたが、師匠はある煎じ薬を出した。
ところがこの処方、良薬口に苦しを地で行くような成分だったので、
投薬時、「お薬は苦いかもわかりませんが、我慢して服用してください。
良薬口に苦しです。」みたいなことを言ったように思う。
それから一カ月後、再び来られた時は、
ビックリするほどきれいになっていて
苦いお薬と言われましたが、私は全然苦く感じなかったです。
全く抵抗なく飲めました。」というではないか。
さらに、
「あんまりきれいになったので、家族がびっくりして
我も我もと飲んでみると、苦くて飲めたものでない。
よくもまあ、こんな苦いお薬を飲めるなあと感心されました。」
というのだ。
お薬が合うとはこういことをいうのだなあと思った瞬間だった。
漢方薬が合う=良薬口に美味しいのかもしれない、ですね。

 

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