先日のTVで、漢方薬や鍼灸のこと、ガンのことを特集で放送していましたね。
多くの人が、「見ました」と。
マスコミの力と多くの人の関心の高さに驚かされます。
私も少しだけ見る事ができました。
その中で、
ガンについて解説しておられた先生の話に、
「これは取り上げて、補足しておかないと!」って思う事があります。

それは、
「ガン家系」と良く言われるけれど、
遺伝的に明らかにガンになってしまったというのは全体の5%に過ぎない。という話。
それはそれで正しいのですが、
ガン家系と言われる人たちの問題は、その生活様式や性格、趣味嗜好に問題があります

例えば、
幼いころより、味付けが濃く、お肉中心の食事で、
野菜をほとんど食べない食卓の家で育ったらどうなるでしょう。

親が、出無精でスポーツ音痴で、その影響を受けて、
本人も運動不足が子供のころより続いていたらどうなるでしょう。

心配症、頼まれたら断れない性格で無理してしまう、
そんなストレスをためやすい性格を親から譲り受けた人はどうでしょう。

親が愛煙家だったらどうでしょう。などなど。。。。
遺伝的な素因もあれば後天的要因を決定するのに、家族や親が深く関わっているのです。

ですので、全くの遺伝で、本人が努力しても防ぎきれないものは数%として、
残りは、「ガン家系」であっても自分の努力で何とかなるものであり
防ぐことができるものであるにもかかわらず、子供の頃よりの習慣や性格が邪魔してしまうのです。
これが、「ガン家系」の正体です。

それと、毎日、ガン細胞なんて いっぱいできていて、
せっせと体のシステムで壊しているというような話もあったと思いますが、
これはその通り。
なので、日々の生活が大切なのです。
特に、ストレスNG 運動不足NG そして、色の濃い野菜をしっかり!

色の濃い野菜には、細胞の活性化というか、細胞を傷める活性酸素の除去作用があります。
また、それだけでは心もとないという人のために
免疫強化の機能性食品があります。それらを服用するのも有効な手段の一つと考えます。

それと、漢方薬は、どの漢方薬も、大なり小なり、活性酸素除去作用があります。
平素の健康に、予防に、漢方薬というのは、「未病を治す」という東洋医学の考えにも合致します。
「平素の漢方」を服用される事をお勧めします。

 

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不眠に漢方でどう対応するかと言うと、
いわゆる睡眠剤みたいなものはありません。

漢方薬の場合、合成薬品の入眠剤のように、
寝る前に頓服的に飲むというタイプではなく、
体質に応じて服用していただき自然な眠りに導くという感じです。

例えば、
ストレスやイライラして眠れないという人には
「気」の巡りをよくしたり「気」を鎮める漢方
を使います。
冷えて眠れないという人には「温める」漢方を、
ほてって眠れないという人には「ほてりを冷ます」漢方を、
「眠れない」ことに不安な人には「不安を取り除く」漢方を、
「凝って」眠れないという人には「凝り」をほぐす漢方を

というように体質を考えながら他にある症状等をヒントに処方決定します。
うまくいけば眠れるようになるだけでなくその他の症状も改善していきます。

それでも、「何か、頓服的なモノを!」と言う方には、
平素は、上記のような考えで漢方薬を服用していただき、
敬震丹」を「頓服」として服用するというスタイルをお勧めします。

 

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突然襲われる顔面神経麻痺。
程度によって、簡単に治ったり長引いたり。

経験から言えば、
軽症の場合、針治療だけで、2~3回、約2~3週間で治った例もあります。
しかし、これはホントに軽いケースで、大抵は半年から一年くらいみておかないと。
それでも、ほぼ治ります

漢方では、「大三五七散(だいさんごしちさん)」という処方が良く効きます。
附子(ぶし、トリカブトの根)を服用できる「証」の人でないといけませんが、
これはいいです。

針では、急性期は通常週に2回程度、回復してきたら、
徐々に間隔を開けていきます。
針治療に対する反応はいいです。
針をしたら しばらく楽ですがまた戻ってしまいます」
という証言が多いですが、
その「戻り方」が少しずつ変わって来るのを実感できるようです。

顔面神経麻痺の治療の選択としては、経験上、針も漢方もかなり有効と考えています。

 

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前立腺癌で、
以前よりニンニクレクチオとスーパーオリマックスを服用してもらっていた方
フリーラジカル除去を期待して、
また、ある医師が、併用でNK活性が上がると報告されていた事もあって
漢方単味も併用していました。

前々から、この組み合わせで、体調は絶好調だったのですが、
血液検査でも、腫瘍マーカーのPSAが下がり続け、
現在は、0.2 レベルで推移し素晴らしい。

そこへ飛び込んできたニュース。
検査したら腫瘍が小さくなっていた!とのこと。
よし!良かった!!

もともと、悪性度の低い、高分化型の腫瘍ではあるけれど、
場所が微妙で骨転移の可能性がゼロではないと思っていただけに
良かった!!

ガンの代替補完療法も当たれば、こんなにうまくいきます。 
うれしくて、うれしくて。
でも、
油断禁物なので引き続き病院での検査は継続するよう指示して帰ってもらいました。

   

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潰瘍性大腸炎・筋委縮性側索硬化症・パーキンソン病・原発性硬化性胆管炎・・・・
難病と言われる病気は多いですが、
時に、漢方薬でうまくコントロールできることもあります。

病名で漢方処方を決定する事はありませんが、
「証」を吟味し、試行錯誤を繰り返しながら
「合った処方」に持っていければ、何とかなる事も体験します。

ただし、東洋医学的な見解は重視しつつ、
現代医学的所見も、しっかり押さえて、病院の検査結果も参考にしないといけません。
現代医学的に満足いくものでないと
結果として患者さんも医療者も不満足になりかねないからです。

例えば、体調はいいけど病気はどんどん進行している・・・ ではいけません。
病気の進行も抑えられている、体調もいい、 そういうのを目指すのです。

原発性硬化性胆管炎の例を。。。。

γーGTPの数値が異常に上がって、検査したところ
原発性硬化性胆管炎と診断された方。

次第に、胆道系酵素といわれる、ALP、LAP、γ-GTPもかなり高い数値になり、
高熱・何とも言えないしんどさ に襲われるようになった。
漢方では、まず、「肝腎」を補おうと「補剤」を服用してもらった
すると、体調は少しマシになったように思ったけど
血液検査の結果、GOT、GPT が異常に上がったため服薬中止。

病院では胆汁の流れを良くする「ウルソ」が処方されるが、
これまた服用すると「しんどい」という。

そこで、主治医は、高脂血症に用いる「べザトール」を処方。
この薬で γーGTPの数値が下がるという報告があったためと思われるが
これが当たって、血液検査の数値は下がりだした。
しかし、体調不良は相変わらず。

ここで、本人が良く咳をしていた事、すぐに風邪をひくと言っていた事、
排尿異常も伴っている事、冷えを感じて仕方ない事、異常に疲れやすい などより、
また、前例より、
腎・肺を補う処方をベースに、白朮・茯苓・人参を加えたような処方で、
常用量の三分の一にして服用してもらった。
すると、今度は、血液検査の結果も良好で、自覚症状も回復
無理すると疲れるけれど、日常生活は全く問題ない。

その人にとっての適切な処方、量があるものなのです。
それがうまくいけば、難病でもコントロールでき得ると思われる症例です。


   

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