自分で気が付いている人もいるかもわかりませんが、
うつ状態では、少しの「事件」がすごく大きな「事件」に感じられます。
例えば、誰かに「おはよう」とあいさつしても
返事がなかった時。
調子が良ければ、いいように解釈できます。
聞こえなかったのかな? だとか、
忙しくて他の事を考えていて気がつかなかったのかな? だとか
自分に対するあいさつでなかったと思ったのかな? だとか。。。。
でも、うつ状態のときはそう思えない。
無視されたのは何が悪いのか?
自分に落ち度があったのか?
いろいろ思いめぐらし思えば思うほど
頭の中に自分は嫌われているのかななどと
いやあな考えが浮かんできて支配していく。

例えば、大切にしていたペットが死んだ時
うつ状態のときは
元気な時よりもかなり「ドカ~ん」と落ち込みます。
当然、回復するのに時間がかかる。
そんなもんです。

そんな時は誰かに苦しい胸の内を聞いてもらいましょう。
あるいは、なにか疲れないような趣味に頭を切り替えて
ゆっくりのんびりしてリフレッシュしましょう。

ちょっとした事件にとらわれるようになったと感じたら
それは・・・こころが疲れています。

のんびりのびのび・・・です。
余裕で物事に取り組めるようになるまで
ちょっと一休み!

 

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もう20年以上も前の話。
ご主人が飲ん兵衛でほとほと困った奥さんが相談に来られた。
なんとか、ご主人の酒をやめさせたいと必死の願い。
そこで、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)を工夫したような処方をご用意した。
何日か経って、ご主人が怒鳴りこんできた。
酒がまずくて飲めなくなったというのだ
内心、良かったじゃないかと思いながら苦情を聞いていた。
本人にしてみれば、浴びるように飲酒するのは罪の意識があるというか
良くないのはわかっていたから服薬したもの、
たしなむ程度には飲みたかったらしい。
これほどに効きすぎるのは良くなかったようだ。
もちろん、処方したほうもここまで効くとは正直思ってなかったように思う。
何とも難しいケースだったが、似たような処方で、
ここまで、劇的に効いたのはこの人がNO1ですね。
酒がまずくなるとはどういう感覚なのか
今思うと、その時にもう少し詳しく尋ねておけば良かった。
この方、今も元気にされているのだろうか。
難しくも懐かしい思い出である。
ただ、現在でも二日酔いを解決するのに
黄連解毒湯と五苓散を併用したり、さらに柴胡剤を加えたりという事は
よくやる手です。
人によって少し工夫するだけで
二日酔いの予防にも治療にも結構いけます。

福田漢方   TEL 0746-32-4568

 

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これだけ世の中の動きがあわただしくなると、
ついていこうと必死になって頑張るのは仕方ない事なのかもしれません。
むしろ、その努力は称賛されるべき事なのでしょう。

しかし、頑張って頑張って頑張って体を壊したら
当然、誰も代わってくれません。自分がしんどいだけ。


物事をいいように解釈して、
困難を乗り越えること自体悪い事ではありません。
でも、限界を超えたら・・・・
それは一気に疲労が全面に出て うつ状態となってしまいます。

疲れをポジティブシンキングで自分をごまかしているうちに
疲れ果てて うつ状態になる

ここらで、「弱い自分」も認めていいんじゃないでしょうか。
その勇気を持つ事は難しいことです。
いかにも自分が負け犬のように思えてくるし、
世間から必要とされていない価値のない人間になってしまったようで。
でも、「弱い自分」も認めてここは思い切って休みを取る。

そして復活したらまたバリバリする。
そう決めて、溜まりに溜まった疲れを一掃しましょう。
とことん弱音を吐いて、弱い自分を認めてしまっていいのです。

雨が降れば休めばいい。
また、晴れたら歩きだす。
それでいいのです。


 

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いよいよ花粉症シーズン到来です。
今年の花粉飛散量は大幅アップだとか。
吉野杉で有名なここ吉野では、
黄砂かと思うくらいに花粉が飛んでいる日が来る事でしょう。
世間ではいろいろ対策が紹介されていますが、
漢方もその一つ。
合成医薬品、特にステロイドなどの副作用が気になるという方は
漢方でトライしてみてはいかがでしょう。

漢方薬って面白いところがあって、
例えば同じ生薬成分配合でも配合量が違うと別の処方になったり、
わずか一つの生薬をその処方に加えるだけで別の処方になったり、
効果が全く違ったり。
生薬ひとつひとつが病気根絶チームの構成員です。
それらがうまく互いに力を引き出しながら
すばらしいハーモニーを奏でると良く効く。
オーケストラや料理やチームスポーツのようであります。

そんな体験談を紹介します。
くしゃみ・鼻水といった典型的な花粉症の方、
その他の情報から補中益気湯(ほちゅうえっきとう)に
辛夷(しんい)を加えて経過良好だった方が、
効かなくなったと訴えられて、
細辛(さいしん)を加えてみたら好調そのものに。
耳鼻科の定期健診では鼻腔粘膜がきれいで言う事なしだったと報告。
漢方ではひとつの生薬を一味(いちみ)といいますが、
一味の妙これに極まれりといったところでしょうか。

また、いわゆる花粉症には一般的に使わないような処方、
例えば、五苓散(ごれいさん)が効を奏した例も。。。
我々の仕事って
恋愛相手を斡旋するような職業かもしれません。
かならずいい相手(処方)が見つかるのではないかと。。。。


 

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立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花。
美人を形容して言うこの言葉は有名ですね。
芍薬にしても牡丹にしても百合にしても
鑑賞用としてご存知の方のほうが多いかもわかりませんが、
実は漢方薬としても重用されます。

特に芍薬。寒冷地で排水が良くかつ保水力もある土地を好み
つぼみを全部摘み取って根を太らせて、
4~5年丁寧に育てて、根の外皮を剥いで乾燥したものを
漢方薬で使う白芍(びゃくしゃく)=芍薬といいます。

日本では足利時代(1400年代ころ)には栽培していたという記録があり
奈良県で栽培されたものは「大和もの」として高級品です。
やはり奈良の土壌・環境は優れているのだと思います。
そういう意味では、「高級品」をしっかり確保できる吉野にて
開業している事はありがたい事です。

ところで、この芍薬、抗炎症作用・鎮痛作用・鎮静作用・平滑筋弛緩作用
血管拡張作用・プロゲステロン様作用などが報告され、
漢方としては、補血作用・止痛作用などを期待して配合します。

婦人漢方として有名な当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)の芍薬もこれです。
美人を形容するのは見た目だけなく、
これを服用することで健康で美人になれるというような側面があるのかもしれませんね。
実際、この処方で「シミ」がきれいになってきて喜んでくれている方はいます。
漢方の良いところ、自然の恵みを是非、体験していただきたいものです。

 

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