潰瘍性大腸炎・筋委縮性側索硬化症・パーキンソン病・原発性硬化性胆管炎・・・・
難病と言われる病気は多いですが、
時に、漢方薬でうまくコントロールできることもあります。
病名で漢方処方を決定する事はありませんが、
「証」を吟味し、試行錯誤を繰り返しながら
「合った処方」に持っていければ、何とかなる事も体験します。
ただし、東洋医学的な見解は重視しつつ、
現代医学的所見も、しっかり押さえて、病院の検査結果も参考にしないといけません。
現代医学的に満足いくものでないと
結果として患者さんも医療者も不満足になりかねないからです。
例えば、体調はいいけど病気はどんどん進行している・・・ ではいけません。
病気の進行も抑えられている、体調もいい、 そういうのを目指すのです。
原発性硬化性胆管炎の例を。。。。
γーGTPの数値が異常に上がって、検査したところ
原発性硬化性胆管炎と診断された方。
次第に、胆道系酵素といわれる、ALP、LAP、γ-GTPもかなり高い数値になり、
高熱・何とも言えないしんどさ に襲われるようになった。
漢方では、まず、「肝腎」を補おうと「補剤」を服用してもらった
すると、体調は少しマシになったように思ったけど
血液検査の結果、GOT、GPT が異常に上がったため服薬中止。
病院では胆汁の流れを良くする「ウルソ」が処方されるが、
これまた服用すると「しんどい」という。
そこで、主治医は、高脂血症に用いる「べザトール」を処方。
この薬で γーGTPの数値が下がるという報告があったためと思われるが
これが当たって、血液検査の数値は下がりだした。
しかし、体調不良は相変わらず。
ここで、本人が良く咳をしていた事、すぐに風邪をひくと言っていた事、
排尿異常も伴っている事、冷えを感じて仕方ない事、異常に疲れやすい などより、
また、前例より、
腎・肺を補う処方をベースに、白朮・茯苓・人参を加えたような処方で、
常用量の三分の一にして服用してもらった。
すると、今度は、血液検査の結果も良好で、自覚症状も回復、
無理すると疲れるけれど、日常生活は全く問題ない。
その人にとっての適切な処方、量があるものなのです。
それがうまくいけば、難病でもコントロールでき得ると思われる症例です。
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更新日: 2014/06/27 |