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これからの時期に増えていく「夏バテ」とか「重だるさ」。

その実態は、体の水はけ・風通しが悪くなることだと思います。
水はけが悪くなると、体に湿気が溜まる。風通しが悪くなると、体が茹だる。
そうして行き着く先には、溜まった「湿気」と「蒸れ」で、気力・体力が疲弊する構図です。
荷物が溜まる分だけ、体は余計に消耗しやすくなります。

人の体には水と風をそれぞれ通す、道のようなものが存在します。
「水はけが悪くなる」とは水の通行が、「風通しが悪くなる」とは風の通行が
それぞれが悪くなることを意味します。

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夏バテ対策というのは、とどのつまり
水や風の通行を増やしたり、整えたりすることに相当します。

だからこそ、水分は摂らなければなりません。
クチから水が入ってこないと、水の通行も何もありませんから・・・。
逆に、水を欲しがらない、あまり飲まない人は
水の通行が悪いと見立てることができます。
それは通行量が少ないんじゃなくて、通り道の具合が悪いからだと思います。
そういう人は「拡張工事」とか「交通整理」が必要になります。

夏バテ対策は、適量の水分を摂れるように、
体の方(=水の通行)を整えておく点が肝心ですよ。


沖縄や東京など、一部の地域では早くも
インフルエンザによる患者さんが発生、増加傾向にあるとか。

漢方ではごく普通の感冒と、インフルエンザのような感染力の強い上気道炎は区別して扱います。
前者には皆さんご存知の葛根湯や、汎用性の高い参蘇飲が
後者には柴葛解肌湯や銀翹解毒散が当てられます。
この違いは中風・傷寒と温病という病証の違い、
それに応じたお手当ての違いによるものです。
ちなみに、中風や傷寒に当たるのがごく普通の感冒
対して温病に相当するのがインフルエンザです。
(厳密に言うと、中風と傷寒もまた別の病態です)

では中風と傷寒、温病が全く別の異なる疾患かといえば、
その違いは必ずしも、明瞭・明確なものではありません。
あるときは緩やかに、またあるときは
急激に様相を変えていくのが、中風・傷寒・温病の関係です。
即ち、中風(=風邪に中る)は寒邪を伴って傷寒に及び、
さらに寒邪が熱邪に転じて、温病に及びます。
(時には、中風かいきなり温病に及ぶ場合もあります)

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見方を変えると、中風に用いる漢方薬には
病が中風から傷寒(あるいは温病)に及ぶのを防ぐ役割があると言えます。
それこそ、漢方は「未病の医学」と呼ばれますから、
感染症のシーズンにおける未病は、中風を制する点にあるのではないでしょうか?

漢方では、中風の始まりには陰陽の不和が伴うという考えがあります。
中風に用いる漢方薬といえば、葛根湯から葛根・麻黄を除いた桂枝湯が之に当たります。
「陰陽の不和が、外部からの邪の侵入を招く」という見地からすれば、
陰陽のバランスを整える桂枝湯は、万事に通じる妙薬にすら思えてしまいます。

感染症シーズンに服んでおきたい漢方薬とは即ち、
陰陽を整えて、悪風を防ぐ漢方薬を意味します。
それには桂枝湯やその変方、加味方に一服の価値があります。
感染力の強いウイルス予防も視野に入れた場合には
板藍根と同服すると良いでしょう。


秋の夜長。

漢方では日中は陽の時刻、夜中は陰の時刻と言われます。
秋の夜長は即ち、陰の時刻の延長
引いては陽の時刻の短縮に及びます。

睡眠は陰の時刻に行う、最も基本的な動作です。
けれど、陰の時刻が延長したからといって必ずしも
睡眠の質が良くなるという訳ではありません。

結局のところ、陰がどれだけ深まることができるかは
それと対極にある陽がどれだけ嵩(かさ)むことができるかに影響されます。
西洋医学ではこの作用はしばしば
「セロトニン」と「メラトニン」の関係で説明されます。

ただし、秋の夜長を迎えて睡眠障害を訴える人が皆
セロトニンやメラトニンの「不足」に陥っている訳ではありません。
厳密には、秋の深まりと共に減少していく
セロトニン(あるい尽きがちになるメラトニン)を
上手に「補完」できていない状態が、睡眠を祟る不調を招くと推察されます。
そういった傾向は特に、季節感に乏しい生活をおくる人ほど顕著に現れます。

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夏と秋の狭間に起きる変調を「補完」する働き。
漢方ではそれを「陰陽のバランス」に求めます。
万事がそこに行き着くのが、漢方の知恵とも言える訳ですが、秋の場合は特に
深まる陰気と釣り合うだけの陽気を養うように努めることが大切です。

秋の夜長の不眠に服んでおきたい漢方薬とは即ち、
①秋と共に深まっていく陰気を促す漢方薬、
あるいは②陰気と釣り合うだけの陽気の養生を促す漢方薬を意味します。
①には例えば、酸棗仁湯や帰脾湯、天王補心丹、あるいは当帰建中湯や温清飲など、
②には例えば、苓桂朮甘湯や香砂六君子湯、温胆湯などに一服の価値があります。


季節の移り変わりと共に、人々を悩ませるのが「頭痛」です。

漢方では、季節の変わり目、天候不順に伴う頭痛は
「風」を通じて起きると見立てます。
風は簡単に言うと、人の体調や身の周りの事象・物事に生じる変化のことです。
風は良いもの、悪いものを問わず、全ての変化に伴う存在です。

最近の台風被害に見られるように
強い風には物を飛ばしたり、倒したり、破壊したりする勢いがあります。
けれど、それは風が持つ性質の一面に過ぎません。
風が持つそもそもの性質は、「舞う」という動作にあります。
特に漢方では、風に当たって舞う(≒舞ってしまう)ことを、風に中る=中風と呼びます。
かくいう秋の頭痛も、この中風に端を発します。

では「中風は、体にとって何らかの異常か?」と問われると、
「いつもと違う」という意味では、半分正解だと思います。
けれどそれは、風が舞えば水面(みなも)が揺れるように、
ごくごく自然な出来事でもあります。

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そのごくごく自然なはずの出来事が、頭痛に及んでしまう。
その原因としては、①風の影響が増幅されて、水面が大きく揺れる、
もしくは、②元々持っていた不安定さが、風が舞うことによって露見する
という2通りに解釈できます。
言葉を変えると、①は「浮き足立つ」という点から、漢方的には陽証
一方で②は「一触即発」という点から、陰証として見立てたりします。
ちなみに、私個人としては、①が災いするケースが多いように感じます。
尤も、一色即発だからこそ、浮き足立ちやすいとも言えますから、
「一触即発」とは培ってきた体質的な要素を、
「浮き足立つ」とはその時々に持ち合わせる体調的な要素を
より反映するとも言えるでしょう。

秋の頭痛に服んでおきたい漢方薬とは即ち、
中風に伴う不具合・不調を改善する漢方薬を意味します。
中風に伴う「浮き足立つ」を改善する漢方薬には
苓桂朮甘湯や香蘇散、五苓散、川芎茶調散、清上蠲痛湯など、
対して、中風に伴う「一触即発」を改善する漢方薬には
半夏白朮天麻湯や香砂六君子湯、呉茱萸湯・真武湯などに一服の価値があります。

なお、漢方における「中風」には、
風が訳がわからない存在とか痒みを意味する点から
全く原因不明の障害、急に出現する異常を意味する側面もあります。
現代的には、 突発的な脳溢血や脳梗塞発作がこれに該当すると言われています。


秋は穏やかな季節な反面、
草木を枯死させる秋気も盛んになります。
その実体は、日に日に盛んになる燥気とも言えますし
日を負うごとに深まる陰気とも解釈できます。

素門(中国最古の医学書)では
秋はつとめて平静を保ち
草木を枯れさせる気が人体に悪影響を与えないように
緩和させなければならないと説いています。

秋気に伴う燥気旺盛や陽気不足は
ときに、秋特有の憂鬱感をもたらします。
「憂」という感情は、五臓の上ではを傷つけ、
肺の気が縮むことで、人は秋気に対してさらに脆弱になります。

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漢方には、病状・病名は同じでも
その性質は五つに分かれるという考え方があります。
簡単に言えば、一口に「自律神経失調症」と言っても、そこには
肝・心・脾・肺・腎という五通りの自律神経失調症が存在する訳です。
秋の憂鬱感とはこの内、肺の自律神経失調症に相当すると考えられます。

また漢方では、肺は魄(はく)を発揮する部位といわれ、
魄は本能的、無意識的な活動を担います。
魄を損なった人は、本能的・無意識的な消極性が強くなり、
それが気落ちや心身の脆弱性へと及ぶ訳です。
無意識にネガティブになる・・・、
そう考えると、少し怖さを覚えてしまう季節でもあります。

食欲の秋、読書の秋、スポーツ秋。
秋を謳歌する表現が様々にあるのも、
魄を引き出し、無意識の積極性を養うことを促しているのではないでしょうか?

秋の憂鬱感に服んでおきたい漢方薬とは即ち
肺を高め、気を巡らせて、魄を促していく漢方薬を意味します。
それには例えば、気の塞がりを開く香蘇散や香砂六君子湯
あるいは肺を妨げる痰を解消する温胆湯や半夏厚朴湯などに
一服の価値があります。


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