秋から冬にかけて空気の乾燥が強くなると、人体の皮ふ、粘膜、髪、呼吸器などもその影響を受けて乾燥するようになりますが、寒い冬は体を潤し、栄養する作用のある血液は、大切な内蔵が冷えるのを防ぐため、体内深くに入り込み、そのため体表の血液は少なくなります。また、寒冷の気候が体表の毛穴を閉ざすため皮脂の分泌なども減少し皮膚の乾燥がおこりやすくなります。ひどくなると痒みがおこり、皮膚にブツブツ発疹が出たり、下肢や上腕部などから白い粉が落ちるようになります。指やカカトには赤切れができて痛み、足の裏は角化が進んで厚くガサガサになります。また、上腕やモモにできる鮫肌もこの時期に悪化します。お年寄りは皮膚を潤し栄養する血や体液が加齢により減少しているため乾皮症が発生しやすく、更に空気の乾燥、気温の低下が悪化条件となります。漢方では体表のスキンケアだけでなく、年齢的に不足した体の潤いを補腎薬で補い、気血を増して、体表にめぐらせることにより根本的改善をはかります。最近の若い人はスマートな人が多く気になります。ダイエットで体重を落としすぎたり、不規則な食事、バランスの悪い食事、暴飲暴食は元気の源である胃腸を衰えさせます。このようなことが続けば気血が不足し肌は張りと艶がなくなり老化が早まってしまいます。漢方ではドライスキン、皮膚の角化症などの皮膚トラブルは胃腸を立て直すことが大変重要であると考えています。アトピーなども同様です。みずみずしい張りと艶のある肌は胃腸から治す。お悩みの方は一度ご相談下さい。
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更新日: 2012/01/14 |
漢方は遠く2000年以上前から中国において様々な病に使われてきた古くからある医薬医療です。これに対しヨーロッパを起原とする西洋医学は現代の主流医学ですが、科学をそのベースとしている現代西洋医学は分析的に、より微細なものに真理を求めてきました。その結果細菌やヴィールス、ホルモンなどの体内の生理活性物質、遺伝子などを発見し、抗生物質の発明などで優れた効果を発揮しました。しかし、様々なシステムが協調統合して複合システムを作り生命活動をしている人体では、この複雑なシステムの異常による生活習慣病や様々なアレルギー疾患、慢性病などの治療においては、分析的により微細なものに原因を求めるだけでは解決できないことが分かってきました。人間という複合システムの異常に対して、分析的に抽出し、また創薬した単一成分で治療する現代西洋医学に対して、この地球という自然界に適合して生存している植物や動物などの丸ごとの生命力を利用して、その複合成分そのままを用いて治療に当たる漢方的な人体や病気の見方、考え方が、さらに「未病」というまだ発病する前に体に現れた前兆をとらえて発病を未然に防ぐことや、健康のための四季の養生法、病気の時に治療をバックアップする意味での食養生などの数千年にわたる知恵も兼ね備えている漢方が今見直されているのです。漢方は非科学的なのではなく、まだ現代科学では解明できない未科学な部分を多く内包しています。自然と調和し、人間の持っている生命力を高めることによって病と対峙してきた漢方は、今、最先端の医薬、医療ということが出来ます。
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更新日: 2012/01/12 |