こんにちは。
誠心堂薬局船橋店 関根です。
成人の8人に1人が慢性腎臓病と言われている今日、腎臓にまつわる話をしていきたいと思います。
腎臓は、
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代謝性老廃物の排泄、
・
体液調節
・
骨代謝
・
造血機能調節
など様々な機能を担っています。
これらが機能しなくなると色々な症状をきたすことになります。
例えば
わかりやすい症状では、
高血圧、むくみ、夜間の多尿、貧血、出血などがおこります。
治療としては、
生活習慣の改善(肥満の改善、禁煙、適度な運動、過労を避ける、十分な睡眠や休養をとる)
食事療法(食塩摂取制限、低たんぱく食を中心に考える)
を基本として
その他
薬物治療を行います。
では、
漢方ではどのような治療をするのか?
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腎陽不足・・・加齢や虚弱体質、過労などにより“腎”が衰え、水分代謝をうまく行うことができなくなる体質です。
内臓を温めて機能を正常に維持する力が弱っている状態です。
“腎”は水や骨を主るため、働きが弱ると、全身から回収した余分な水分を尿に変えられず老廃物が溜まりやすくなったり、骨が弱くなったりします。
漢方では、八味地黄丸、真武湯などを検討します。
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湿熱下注・・・体内に炎症が起きている状態で、炎症により腎臓の細胞の働きが悪くなっている体質です。
脂っこいもの・辛いもの・飲酒といった飲食の不摂生、ストレス・細菌などの外邪(外部からの要因)によって、余分な熱とドロドロとした老廃物が体に溜まりやすくなっています。
漢方では、猪苓湯、竜胆瀉肝湯などを検討します。
・瘀血内阻・・・血液の流れが滞り、老廃物を体外に排泄できない体質です。
血行不良が長引くことで、細かい血管で動脈硬化が起こりやすくなり、重症化しやすくなる傾向にあります。
漢方では、当帰芍薬散、桂枝茯苓丸などを検討します。
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痰湿阻滞・・・ドロドロとした老廃物が溜まり、血流が滞りやすい体質です。
胃腸虚弱や暴飲暴食といった飲食の不摂生などで、水分代謝が悪くなり老廃物が詰まりやすくなっています。
漢方では、五苓散、柴苓湯などを検討します。
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気血両虚・・・エネルギ―である“気”や全身を滋養する“血”の不足により、腎臓の栄養状態が悪くなっている体質です。
“気”や“血”の量が足りず十分な栄養を送ることができないため、腎機能の低下につながっています。
漢方では、帰脾湯、十全大補湯
などを検討します。
以上参考になれば幸いです。