冷え性が、自律神経の漢方薬で改善した症例です。

極度の“冷え性”で、トイレが近く、膀胱炎になりやすい、とのご相談がありました。

その女性は、極度の冷え性で、漢方外来で3種類もの冷えに効く漢方薬を飲んでいました。
しかし漢方薬を飲んでも“冷え”は解消されず辛い日々を送っていました。

夏もクーラーがだめで、冷えると体がしびれてうまく歩けなくなります。この冷えに対して、「八味地黄丸、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、附子、」という漢方でも最大級に温まりそうな漢方薬を3種類飲んでいましたが冷え症は改善しません。頻尿になり、膀胱炎を繰り返しています。いくら食べても痩せてしまい、過敏性腸症候群の痛みも時々あります。便秘気味も悩みです。夏は汗をかきやすく、動くとすぐ汗が出るそうです。お仕事と家庭を両立してがんばっている女性です。

いろいろとお話を伺う中で、「この方の冷えには自律神経の緊張が関係しているのでは？」と考え、逍遥散、をお出ししました。

また、カラダ全体の体力と温める力を高める腎陽虚の薬、霊鹿散もお飲みいただきました。

結果；薬を飲むようになってからはあれだけひどかった冷えもあまり気にならなくなり、トイレの回数も減り、そのうえ毎日快便、過敏性腸症候群の症状もおさまっていて調子がよさそうです。お肌もつやつやと輝きが増した感じがしたので聞いてみると、「自分でも化粧の乗りが良くなったと感じているのよ、」と言っていました。

この方は、冷えている症状があっても、冷えの原因は自律神経の緊張にありました。症状は同じでも、原因はいろいろです。原因を突き止めきちんと対応することでお悩みが改善し、より快適な生活を手に入れることができます。お気軽にご相談ください。

「冷え症」と一言で言っても、症状も体質も様々ですので、冷え症にはこれ、というふうに漢方薬を決めてお出しすることはありません。
「冷え」の原因や体質を知るために、具体的な冷えの症状をお聞きします。食事や生活習慣時にはお仕事の内容などもお聞きし、舌診も参考にしていきます。

冷えるし、血色が悪くめまいや立ちくらみ不眠で悩む血虚タイプ
　　　　　血液の量が少ないために、全身に血液が行き渡らなくて冷えています。

　　　　 　血液量を増やして温める　婦人宝　がおすすめです。

カラダが冷えて、気力体力が低下している気血両虚タイプ
　　　　　血液量が少ないうえ、血液を全身にめぐらす「気」の力も衰えているため
冷えています。
　　　　　病後や頑張りすぎている方に多いです。

婦人宝 で血を補い ラリアン錠 で気を補います。

冷えるし、肩こり、頭痛、生理痛などがつらい瘀血タイプ
　　　　　血行不良のため冷えています。
　　　　　生理痛は生理の二日目あたりがひどく、レバー状の出血などがあります。
　　　　　瘀血を取り除くことで血流がよくなり冷えが改善します。

　　　　　　　芎帰調血飲第一加減　　がおすすめです。

手足が特に冷えるほか、お腹が張ったり便秘と下痢を繰り返す気滞タイプ
　　　　　気の流れが悪いために体が冷えています
　　　　　気の滞りを改善することで血の巡りもよくなり冷えを改善します

　　　　　　　柴胡疎肝散　航気散　五加参がおすすめです。

足は冷えているが手は温かく、顔はのぼせる肝気鬱血タイプ
　　　　　いらいらしたり、おこりっぽかったりします

　　　　　　　カミセーヌCがおすすめです。

ここでは特によく使う漢方薬を掲載しました。
漢方薬は実に多くの種類のお薬があり、
お客様の症状や体質に合わせたオーダーメードのお薬をお選びします。

また、冬の屋外での仕事やゴルフ、スーパーの生鮮売り場、釣りなど生活環境により、体に冷えの邪が侵入している場合もあり、生活環境をカバーするお薬をおだしします。カラダを冷やす食べ物の多食が影響している場合には、食事のアドバイスもさせていただいています。