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忘れ去られた石菖[2]

~石菖って?~

石菖(セキショウ)って?

石菖はサトイモ科で学名は、Acorus gramineus、精油の主成分として、アザロン(asarone)・セスキテルペンを含んでいます。

生薬名は石菖根。漢方では鎮痛、鎮静、健胃(けんい)薬として胃痛、腹痛、てんかん、リューマチ、瘍腫(ようしゅ)などに用いられています。

日本では、セキショウ(Acorus gramineus)は、石菖、ショウブ(Acorus calamus)は、菖蒲として流通していますが、中国の生薬では、菖蒲とはセキショウのことなので混乱を生じやすいです。

一説によると、五月の菖蒲湯は、元々石菖を用いていたという説があり、私見ですが、日本での野生で存在は、石菖の方が多いようです。

▲ 湧水地の石菖

また石菖の方が菖蒲に比べて芳香の気味が強く、通竅(つうきょう)(意識をはっきりさせること)の効果が強く、新鮮な方が高熱の意識障害に対する効果が強い事が判明しているとのこと。

鎮静作用があり、物忘れ、ボケ、精神分裂症(痴呆)、ふらつき、難聴、躁や鬱などに用いるといいます。

中国では、主成分のアザロンが、認知症に効果があるとして、その研究が報告されています。


【文】有限会社 香りのデザイン研究所 パフュームデザイナー
別府大学客員教授
吉武 利文(よしたけ としふみ)
http://www16.ocn.ne.jp/~kagunomi/

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