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昨日のお話の続きです。

薬用人参は代謝を良好な状態に調節します。
低くなっているものは上げる、行き過ぎたものは調節する、という具合に。
つまりは、○○しやすくする(体に好ましいものの場合)。
あるいは、○○しにくくする(体に好ましくないものの場合)。

悪い状態を改善する。同時に良い状態を維持する。
難しい表現ですが、『恒常性(ホメオスタシス)』を保つという事です。
だから、良好とされる状態が、さらに右肩上がりに良くなるというものではありません。

以上は今日の一言(11月27日)で述べた内容です。
肝(自律神経)の正常な働きは、陰陽のバランスが保たれることで機能します。
陰陽とは相対するもの、この場合は交感神経と副交感神経。

そして薬用人参はこのバランスを保つ作用があり、
つまりは、交感神経を働きやすくする(副交感神経を働きにくくする)
あるいは、副交感神経を働きやすくする(交感神経を働きにくくする)

バランスを取って、これを保つというのは
私達が考える以上に繊細で難しいことです。
何しろ反対の働きをコントロールしていくわけですから。
けれども人間の肝は本来、それをやってのける部分。
そしてその働きがあるからこそ、からだの代謝や機能がうまく働く。
けれども繊細だからこそ、狂いも生じやすく、
季節や気温、精神状態やストレスによって
バランスは簡単に傾いてしまいます。

その肝の機能を補う作用が薬用人参にはあるわけです。
具体的には交感神経側にバランスがシフトすることで生じる
動悸や不眠、ノイローゼ
また副交感神経側にバランスがシフトすることで生じる
鬱感、頭痛、不定愁訴に効果があるとされています。

前回に、気の巡りと五臓の肝の働きについて述べました。

漢方では、気の巡りには肺や肝が深く関係しており
肺は気を身体のすみずみまで巡らせる部分を担い、
肝はそれを調節する部分を担っています。
肝のこの作用を指して、漢方の世界では『肝は疎泄を司る』と言います。

肝の作用には自律神経の働きが深く関わっていますが、
薬用人参には『その調子を正しく戻す』という作用があります。
ちなみに『調子』と言ったのは、
自律神経に対して、『失調する』という表現が使われるから。

薬用人参の効能の本質は、肝を養う点にあります。
肝を養う→肝が本来の調子を取り戻す→自律神経の調子を戻す
肝を養う→肝の働き(代謝)が活発になる→自律神経の働きが活発になる
という一連の流れを通して自律神経に作用します。

以前にお話ししたように
自律神経の働きは、アクセルの踏み込み加減に例えられます。
けれどアクセルが、突然にべた踏み
(これ以上は無理という段階まで踏み込むこと)できるものではないように、
肝の働きも突然に、活発になるものではありません。
常に活用される(養われる)からこそ、うまく働くようになります。

そしてこの『養う』という部分が、薬用人参の作用の本質です。
また『活用する』という部分が、養生の本質です。

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朝夕の寒さが厳しくなってきました。
今日は冷えのタイプについてです。
皆さんは、冷え=単に温めれば良いと思っている方も多いのではないでしょうか?
間違いではないのですが、生姜や熱性の物をたくさん摂って厚着をしても
逆に顔がのぼせてしまうことがあります。
もともと身体の水分量が少ない陰虚体質の人が、むやみに生姜などで温めるのは危険です。
身体の津液量がもっと消耗されてしまい、逆にのぼせてしまいます。
補陰をして、陰虚体質を改善しなければなりません。

常に足がむくみやすく、下半身が冷えている体質の人がいくら下半身を温めて
いても、なかなか温まりません。末端に冷たい水が常に溜まっている状態では、
温まりにくいからです。それよりも、まず、水分循環を良くして余分な水を取り除くことが
先決です。

胃腸が常に弱い人が、生姜や熱性の物をたくさん摂っても、一時的でまた
すぐに冷えてしまいます。エネルギーに変えて、熱を作り出し、全身に送り出す力が
弱っているからです。温めることも大事ですが、まずは脾胃虚弱体質を改善しなくては
温まりません。

このように、冷えの根本原因が何かによって対処が違ってくるのです。
根本原因を改善すると、案外、頑張って温めなくても、身体はちゃんと温まってくれます。
漢方では、こういったタイプ別の温め方ができるのが魅力ですね。

 屠蘇は、中国の華陀という名医が残した処方で、風邪の初期症状を改善し、ご馳走に満ち足りたお正月のおせち料理の食べすぎによる不快な症状(胃腸症状)を収めることにより、1年を過ごし長生き出来ますようにといった意味があります。語源は、「蘇」という悪鬼を屠(ほふ)るという説や、悪鬼を屠り魂を蘇生させるという説などがあります。
 中身の生薬を見ていきますと、丁子・防風・縮砂・桂皮(あるいは肉桂)・白朮・山椒からなります。(そのほかに桔梗、細辛、乾姜などを配合する場合もあり)これらは、体を温める生薬と体の湿を取り除く生薬から成っており、暴飲暴食になりがちなお正月にはピッタリな中身となっています。丁子は、いわゆるクローブのことです。お腹を温める作用があります。防風は、若芽を刺身に添えられます。「風邪を防ぐ」の意味があり、解表薬に分類され体を温めます。縮砂は、湿を取り気を巡らしお腹を温めます。桂皮は、ニッキやシナモンの近縁植物です。お腹や体表面も温める効果があります。白朮は、京都では大晦日の八坂神社のオケラ参りで有名ですがこれは湿を除きます。山椒は、お腹を温める効果に優れています。
 このように、屠蘇は体の湿を取り除き温める効果があることから、特別に熱症の方でもない限り普通に煎じて服用していただける内容となっております。

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昨日のお話の続きですが、
気の巡りには、五臓の肺や肝の作用が深く関わっている。
肺は、呼吸活動を司る部分。
肝は、自律神経を調節する部分。

自律神経はからだの特定の部位ではなく、全身に張り巡らされているもの。
ですから、これを司るというのは
身体全体の生理機能を司るということに他なりません。
即ち五臓の肝は、からだの生理機能や気血の巡りの調節役です。
自動車に例えるなら、アクセルの調節。
アクセルを踏み込むほどに
エンジンの回転数は上がっていきますが、
アクセルはその踏み込み度合いによってエンジンの出力を調節しているだけ。
エンジンの性能を変えているわけではありませんよね。

自律神経は交感神経と副交感神経に二分されます。
交感神経はアクセルを踏み込む部分を担い
副交感神経はアクセルを緩める部分を担う。
当然、両方とも必要だからこそ体に備わっています。
そしてこのアクセルの踏み込み加減を調節するのが肝の働きの中身です。

ちなみにアクセルの踏み込みは精神状態にも左右されます。
考えてみてください。
日中に良く知った道を走る場合の踏み加減と
夜分にぜんぜん知らない道を走る場合の踏み加減。
これは明らかに違いますよね。
これ以上は危ないという理性が働くわけです。
同じように肝の働きもこの精神状態や理性によって影響されます。
この辺りは人間であるがゆえだと言えますね。


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