今回は「熱」
熱が問題になるのは、漢方独特の観点の一つですね。
西洋医学では熱が生じれば、万事冷ませば良い。
即ち、悪いものは除き、清めるというのが通説です。
たしかに東洋医学にもそういう考えはありますが、
それが適用されるのは
熱が外からもたらされる場合
即ち暑邪(暑さ)や火邪(高熱・炎症を伴う症状)を伴う場合に限られます。
こういう熱はからだにとっての毒となるので、
解毒したり、清毒したりする治療が適用される。
けれど東洋医学では、外からもたらされず、
心身のアンバランスによって内に生じる熱もあります。
アンバランスですから、ときに
「からだの一部分が…、上半身が…、胸部が…」という訴えや、
「夕方になると…、週末になると…、疲れてくると…、」という訴えを伴う。
心身の調和が取れていないのが問題となるから、
冷やすのは根本の解決とはいえません。
また、東洋医学ではしばしば気(=エネルギー)が熱を帯びると考えます。
そしてその気がいささか過剰気味であるから、
ある部分に詰まり、欝滞して生じる実熱や、
そのまた逆に、気がいささか乏しく、
うまく流れない(制することができない)ことから熱溜まりが生じる虚熱
のような特徴的症状もあります。
そしてこういう症状には、時として「動悸」を伴いますが、これは
「心は火に属す」という漢方の考えとも合致して、
熱症状は心の臓や心の情にも影響を与えます。
熱症状の多くは、このような熱を制する機能が
疎かになったり、弱体化することで現れれやすくなります。
同時に心臓は、血液循環の要ですから、熱はやはり「血流」にも関与している。
然るに熱症状の一部には、この血流も深く影響しています。
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