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治療例集№23 不妊(Part16) 鹿児島漢方専門厚仁堂薬局
【医案 不妊 】
41歳、女性。身長153㎝、体重42㎏、既婚。子供一人あり。
<主訴>
二人目不妊。一人目(自然妊娠)は現在2歳。
月経周期32~33日、経期5日間。経痛(+、下腹部)。経血(以前より量が少ない、エコーでは内膜の厚さには問題ないとのこと)、血塊(20㎜×数個)。
基礎体温表は二相に分かれるものの高温相が弱い(黄体機能不全か)。現在病院でクロミット・デュファストンの内服およびゴナドトロピン注射を行っている。
人工授精1回あり、婦人科器質病変はない。
夫42歳、精子の検査の結果異常なし。

これとは別件であるが…ゲップが多発、ゲップがうまく出ずに胸が苦しくなる、ものを飲み込むのが苦しいなどの症状をストレスにより頻発。心療内科にてリーゼ・サインバルタを投薬され、これでとりあえず強い症状はコントロールされたものの今も時々軽い症状は出ている。現在は飲んだり飲まなかったり。
血圧123‐66、貧血(-)
<全身症状>
寒熱:冷え症で寒がり
二便:大便1日1行。
小便1日6~7行、夜間1行、色・量ともに平。
飲食:食欲(平)、飲水(平)
全身:疲れやすく風邪をひきやすい
浮腫:なし
睡眠:良好、昼食後嗜眠
心神:良好
汗:平
頭:立ちくらみあり
胸・腹:胃痛(-)朝歯磨き時のえずきあり
腰・肢:肩こりあり
目・耳・鼻:良好
口唇・咽喉:幼少のころ扁桃腺を腫らしやすかった
面・舌:面色萎黄、舌質淡・胖大・有歯痕、舌尖に瘀点あり、舌苔微滑
体型:痩せ型
皮膚:無痛性の外痔核あり
嗜好:飲酒(-)、煙草(-)。
血圧:123‐66、貧血(-)
<経過・結果>
【第1診】
咽中炙臠から強い気の滞りが見て取れる。月経状態から血瘀が、全身症状から虚寒、気虚がうかがえる。咽中炙臠を解消したのちに婦人科に取り掛かるのが定石であるが、時間が惜しい(41歳!)ので両者を同時に治療することにする。病院治療は並行して行う
処方1)芎帰調血飲第一加減+四逆散+半夏厚朴湯 14日分
【第2診】
のどの調子がすこぶる良好である。尿量(↑↑)。元気(↑)
処方1) do.  14日分
【第3~6診】
のど良好。基礎体温表は高温相36.8~.9×10日間。
処方1) do. 14日分×4回
【第7~9診】
基礎体温表が良好だったので人工授精を試みたが失敗に終わる。
体外受精の準備をはじめる。
処方1)は気血の流れを良くすることはできるが気血を補う力は弱い。のどの調子が良好なことから四逆散+半夏厚朴湯は外してもよいと判断。更に気血双補を治療の基本とする。
処方2)当帰芍薬散合補中益気湯 14日分×3回。
【第10診】
体外受精成功せり。
<考察>
二人目不妊は芎帰調血飲第一加減を基本とするが、今回の場合、のどの症状があったので四逆散+半夏厚朴湯を併用した。結果として当帰芍薬散+補中益気湯が奏功した。経験則であるが、この組み合わせも非常に相性が良いようである。

治療例集№22 不妊(Part15) 鹿児島漢方専門厚仁堂薬局
39歳、女性。身長166㎝、体重47㎏、既婚。子供なし。
<主訴>
不妊。子供なし。妊娠歴なし。
月経周期28~30、期間4~5日間。経痛(微)、経血(量平、色平、血塊なし)。基礎体温表は二相に分離するものの高温相の立ち上がりが遅く、36.7℃を超える日が6~7日ほどしかない(黄体機能不全と思われる)。20代前半に多嚢胞性卵巣症候群の履歴あり(現在はない)。プロラクチンがわずかに高値。
病院でカバサール、デュファストン服用中。
夫は39歳、未検査。
<全身症状>
寒熱:強い冷え症。指先・つま先の冷えが強く、指先は冷えが強いときは真っ白になる。ただし冷えるのは仕事中だけで、仕事が終わった後や休日は冷えない。また布団に入るとすぐ温まる。
二便:大便2日1行。緊張すると下利しやすい。
小便1日7~8行、夜間0行、色・量ともに平。
飲食:食欲(平)、飲水(平)
全身:疲れやすい。
浮腫:下肢に少し
睡眠:良好
心神:緊張しやすく、その時は手掌の発汗・動悸を伴う。もともと上り症
汗:手掌・腋下にでやすい。
頭:頭痛(肩こり由来、頚項強)
胸・腹:胸焼けしやすい
腰・肢:肩こり
面・舌:面色白、舌質平、舌苔微白
体型:やや痩せ型、下腹墜張
皮膚:平
嗜好:飲酒(機会飲酒)、煙草(-)。
血圧:92-60
脈拍:64
貧血:なし
<経過・結果>
【第一診】
平素から緊張が強く、これにより手足の冷え、緊張性下利・発汗が起こっていると考えられる。更にはこれが黄体機能不全に影響しているおそれも考えられる。そこでまずは緊張をほぐすことを第一の目標とする。
処方1)四逆散+桂枝加竜骨牡蠣湯 14日分
【第2診】
高温期が上がってきた。手足の冷え(↓)
処方1) do. 14日分
【第3診】
高温期36.7×12日間。手足冷え(-)
処方1) do. 14日分
【第4診】
ここで直接的に妊娠対策をとる。
処方2)芎帰調血飲第一加減+補中益気湯+香附子 14日分
【第5診】
体の芯が温まっている感じ。元気が出てきているのが実感できる。
【第6診】
高温期36.7×14日間。現在、病院の薬はカバサールのみ。
処方2) do.  14日分

第6診後ひと月ほどしてから妊娠したとの報告あり。

<考察>
気と血とはともに全身を巡行している。気のめぐりが悪いと血もめぐらない。今回の場合、まずストレスによる諸症状の改善つまり気の巡りをよくし、そののちに血の調理を行い成功した例である。


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