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治療例集 №10 不妊(Part3) 鹿児島 漢方専門厚仁堂薬局
★32才、女性。身長160cm、体重49kg
【主訴】
不妊。三人目ができない。プロラクチン値がやや高い。ホルモン治療は行わず漢方のみの治療を希望。基礎体温表は、二層に分離するものの高温期への移行に数日かかり、その結果高温期が短い。
【病歴】特になし。
【併用薬】なし
【全身症状】
四肢:強い冷え性。冷えのぼせあり。
二便:大便:1日1回。
   小便:1日5~6回。
食欲:普通
全身:体力は普通。
胃腸症状:特になし。
頭項:肩凝り。
月経:周期(26~28日)、経期(7日間)、月経痛(下腹痛・2日目・激痛⇒鎮痛剤使用、カイロを当てることで軽減)、経血(色:暗赤色、量:平)、血塊(少量)、初潮11歳。
面色:白
舌:舌苔微白、舌質:淡、瘀点あり。
皮膚:しもやけが毎年できる。

<漢方的病理分析>
強い冷え性、冷えのぼせ、しもやけなど「冷え」が基本にあり、強い月経痛から「血瘀」も考えられる。プロラクラクチンはゴナドトロピン(FSH、LH)の分泌を抑制する。結果、今回の場合については高温期の短縮という「黄体機能不全」を思わせる症状が現われている。
<実際に使った漢方処方>
「冷え」を取り除くために当帰四逆加呉茱萸生姜湯、「血瘀」を取り除くために折衝飲、これら二方を併用してもらう。
<結果>
上記処方を9ヶ月間服用後、妊娠。2200g、男児。安産なり。

治療例集 №9 めまい(Part2) 鹿児島 漢方専門厚仁堂薬局
★68才、女性。身長156cm、体重70kg
【主訴】
めまい。発作的に起り、1~30分ほど続く。起床時~午前中、および疲労時に好発。横臥してもよくならない。一週間に2~3回の頻度。めまいは体が揺れているような感じ(本人曰く「視線が流れる」)で、足元がフワフワしておぼつかない。吐き気(-)。
【病歴】
12年前にストレスによる突発性難聴。これにより右耳に重度の難聴(耳鳴あり)の後遺症。
20才の時、扁桃腺摘出手術。
【併用薬】
現在病院でデパス、メリスロン、メチコバールが投与されているがめまいの改善なし。
【全身症状】
四肢:下肢冷(+)
二便:大便:1日1~2回普通便。
   小便:1日7から8回、量少。
食欲:平
胃腸:呑酸(すっぱい水が上がってくること)がしばしばある。
浮腫:下肢(++)
頭:頭痛(+)
面色:白
舌:舌質:赤紫、舌苔:微白
体型:肥満型
血圧:低い傾向にある。

<漢方的病理分析>
めまいの原因で最も多いのは痰飲(「水毒」ともいう)である。今回の場合も、尿不利・下肢浮腫・呑酸および体型などから痰飲によるものと思われる。また、疲れやすく、疲れたときにめまいが好発することから、この痰飲は体力不足が背景にあるものと思われる。
<漢方的治療方針>
体力を向上させつつ、痰飲を取り除く。
<実際に使った漢方処方>
①当帰芍薬散合苓桂朮甘湯
②沢瀉湯(めまい発作時の頓服)

<結果>
7日間の服用でめまいの頻度が半分ほどに軽減。
その後も同処方を続ける。
また途中、呑酸がひどく、これも何とかしてほしいとのことで
③茯苓飲合黄連解毒湯
を①と時間をずらして服用。
都合、3ヵ月半でめまいはほぼ消失。この後、再発が心配とのことで量を減らして服用を継続している。
<考察>
痰飲によるめまいの典型であろう。
痰飲は排尿、浮腫、胃腸症状、体型、舌等に特徴的な症状をあらわすので、これを探し出すことはさほど難しくない(今回の場合は舌には反映されていなかったが・・・)。
当帰芍薬散は若くて虚弱な女性のための漢方薬のようによく言われるが、高齢者の痰飲めまいにもよく用いている。

治療例集 №8 脂漏性湿疹 鹿児島 漢方専門厚仁堂薬局
★30才、男性。身長182cm、体重60kg
【主訴】
脂漏性湿疹。口周囲の盛り上がりのある発赤。患部および顔全体が油っぽい。痛痒(-)、落屑(+)。3年ほど前から。
【病歴】
蓄膿症、腰部ヘルニア。
【全身症状】
寒熱:冷え(-)、のぼせ(-)
二便:大便:1日1行
   小便:1日5~6行
飲食:平
全身:疲れやすい。
面色:青白い
舌:舌質:平、舌苔:微白

<漢方的病理分析>
脂漏性湿疹は漢方的には「湿熱」(ジュクジュクとした熱)によるものと考えられる。
<実際に使った漢方処方>
湿熱による脂漏性湿疹の基本処方は十味敗毒湯である。更に発赤に対応できるよう黄連解毒湯を合方する。すなわち十味敗毒湯合黄連解毒湯とする。
<結果>
服用2週で発赤・落屑・油肌が消失。ただし、脂漏性湿疹の根本治癒には比較的長く時間がかかるので、継続服用を進め、都合8ヶ月間服用の後に廃薬。
<考察>
「脂漏性湿疹」の根底には「脂漏体質」がある。表面の湿疹がなくなっても根本にある脂漏体質が改善されない限り根本治療はできない。程度にもよるが、多くの場合、長期間を要する。

治療例集 №7 メタボ 鹿児島 漢方専門厚仁堂薬局
★63才、女性。身長158cm、体重62kg
【主訴】
 高脂血症・高尿酸血症の治療を希望。2年ほど前の血液検査で発覚。
現在のところ自覚症状は何も無い。現在の数値は次のとおり。
 中性脂肪267(30~149)
 尿酸7.8(女性2.3~5.5)
 コレステロール及び血糖は基準内。
 現在、病院の治療は受けていない。
【全身症状】
色白で肩幅大きくがっちりした感じ。
飲食:過食の傾向、肉を好んで食べる
    飲水(平)
寒熱:下肢冷(-)、冷えのぼせ(+)
二便:大便は毎日あるが、硬く量は少ない。
    小便は1日7~8行。
舌:舌質紅、舌苔白膩
【病歴】
子宮筋腫にて子宮摘出。下肢静脈瘤手術。慢性蓄膿症、慢性扁桃腺肥大あり。
【併用薬】
なし。

<漢方的病理分析・漢方処方>
一貫堂医学で言うところの臓毒症・血瘀症・解毒症の複合型と判断し、防風通聖散・通導散・一貫堂竜胆瀉肝湯の三方を合方して投与。
臓毒症(食毒)・・・肥満傾向、過食、体型、大便の状態、舌苔白膩
血瘀症・・・冷えのぼせ、大便の状態、子宮筋腫及び下肢静脈の手術歴
解毒症・・・舌質紅、慢性蓄膿症、慢性扁桃腺肥大、高尿酸血症
<結果>
投薬後の血液検査の数値及び体重の変化は次のとおり
      H17.2.28   H17.12.1   H19.10.24
尿酸     7.8       6.9       5.8(基準値内)
中性脂肪  267      130       97(基準値内)
体重      62       56       56(BMI:22.4)
<考察>
近年、生活習慣病の治療に防風通聖散(食毒症)が喧伝されているが、実際の生活習慣病においては食毒症の他に血瘀症・解毒症を兼ねていることが多く、結果、防風通聖散単独より防風通聖散合通導散、防風通聖散合一貫堂竜胆瀉肝湯、あるいは防風通聖散合通導散合一貫堂竜胆瀉肝湯などとしたほうが有効な場合が多い。

治療例集 №6 月経痛と冷え性 鹿児島 漢方専門厚仁堂薬局
★27才、女性。身長163cm、体重60kg
【主訴】
月経痛および冷え性。月経痛は下腹部でいつも同じところがピンスポットで痛む。痛みは、終日同程度で刺すように痛み、かなり激しく、鎮痛剤は必ず服用しているが効かないことも多い。夜、痛みで目がさめることもある。月経の始まる1日前から痛み月経開始2日目まで続く。月経周期は21~35日と一定しない。経期は3日間。経血の色は濃く量は少ない。ワカメ状の血塊が多く出る。冷え性は、上肢より下肢(特にくるぶし以下)がひどく、触ると氷のように冷たい。夜は靴下を二枚重ねて寝ている。手指に毎年ピンク色の霜焼けが出来やすい。月経痛はここ四五年前から。冷え性は中学の頃から。以前ある漢方医の診察を受け当帰建中湯を半年ほど服用したが全くの無効であった。
【病歴】
なし
【併用薬】
なし
【全身症状】
四肢:下肢冷(++)。冷えのぼせが強い。冬季、寒い外から暖かい部屋に入ると耳まで真っ赤になる。
二便:大便2~3日に1行。便は硬い。下剤は使用してない。
小便1日10行。色は透明、量は多い。
食欲:普通。
汗:普通。
頭:天気の悪い時、締め付けられるような頭痛がある。歯が痛くなりやすい。
舌:舌質淡・胖大。左舌辺に赤紫色の瘀斑あり。
皮膚:あざが出来やすく、傷がケロイド状にのこりやすい。
<漢方的病理分析>
月経痛の特徴、短い経期、濃い経血、多量のワカメ状の血塊、および冷えのぼせ・舌診・あざやケロイドが出来やすいことなどから胞宮血瘀(子宮に悪い血が溜まっている状態)による月経痛であることは間違いない。便秘は血瘀が大腸に波及したもので、頭痛・歯痛も血瘀が上衝したものであろう。また下肢冷は胞宮血瘀を治すだけで改善することも多いが、今回の場合は非常に冷えが強いので、これはこれで別に対応しなければならない。
<実際に使った漢方処方>
胞宮血瘀には桃核承気湯、手足の血流をよくし冷えを改善するために当帰四逆加呉茱萸生姜湯。この二方を併用。14日間服用。
<結果>
便通が良くなり、寒冷時ののぼせ感が楽になってきた。下肢冷は同じ。
更に同一処方を14日分投与。体が軽くなってきているのがわかる。
更に同一処方を14日分投与。今回漢方薬を服用後始めて月経を向かえたがまったく月経痛がなかった。出血量も増加し、血塊もでなかった。ただし経期3日間、周期21日は変わらず。
この後3ヶ月同一処方を続けたところで下肢冷も非常に改善してきた。経期は5日間、周期は25日で一定している。また漢方薬を服用し始めてから頭痛、歯痛および霜焼けは一度も出ていない。更に継続して服用することを勧めたが、この時点で患者の経済的理由にて服用中止。
<考察>
 女性の疾患は何病に限らず血瘀よることが多い。便秘が同時に起こると、その血瘀は更に頑固なものになる。このような場合、血瘀と同時に便秘を治さなければ治療効果は上がらない。血瘀治療の大原則である。桃核承気湯、大黄牡丹皮湯、通導散などがこのような状況によく用いられる。今回用いた桃核承気湯は、「血瘀が便秘を形成し、この血瘀が更に頭面部へと上逆して頭痛・歯痛・鼻血などの症状を引き起こすような状態」によく用いている。


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