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治療例集 №14不妊(Part8) 鹿児島 漢方専門厚仁堂薬局
26歳、女性。身長150cm、体重48kg。
<主訴>
不妊。妊娠歴(-)。カンジタ・クラミジア等の感染歴あり。ただし卵管閉塞(-)。基礎体温表は、二層に分かれるものの排卵後の高温期への移行に4~5日かかり、結果高温期が短い。子宮筋腫(-)、子宮内膜症(-)、PCOS(-)。高プロラクチン血症(+)。現在、病院からのカバサール、デュファストン、クロミット(途中でセキソビットに変更)を服用中。過去に人工授精を試みたが失敗している。
<全身症状>
寒熱:冷え性。特に手指。冷えのぼせ(+)
二便:大便4日1行で便秘症。
小便1日7~8行、夜間1行。色・量ともに平。膀胱炎になりやすい。
飲食:食欲(平)、飲水(平)。
浮腫:なし。
睡眠:良好。
汗:平。
目耳鼻:鼻炎あり。 
口唇・咽喉:扁桃腺が腫れやすい。
経行:周期(34~40日)、経期(5日間)、経痛(下腹部、開始1日目、鎮痛剤(+))、経血(色・量ともに平)、血塊(10mm×2~3個)
舌:舌質(胖大、瘀点あり)、舌苔(白)
血圧:132~90
脈拍:69/分
<分析及び治療方針>
カンジタ・クラミジア・膀胱炎など「下焦において化膿性の炎症を起こしやすい体質」が基礎にあるものと思われる。これに加えて高温期の弱さから「虚寒」が、月経の状態から「血瘀」があるものと思われる。よって、これらを治するため大黄牡丹皮湯、五積散、芎帰調血飲第一加減の三方合方を用いることにする。
<経過・結果>
服用後、25日目に来経(35日周期)、経痛(↓)、血塊(-)、血量(↑)、便通良好。
さらに6週間同処方を服用の後に2回目の人工授精を行う。妊娠成功。妊娠後は16週までは芎帰膠艾湯を、その後は出産まで当帰芍薬散を服用。予定日を5日過ぎて出産。

治療例集 №14不妊(Part7) 鹿児島 漢方専門厚仁堂薬局
31歳、女性。身長158cm、体重50kg。
<主訴>
不妊。高プロラクチン血症にてカバサール服用中。体外受精を試みるも失敗。基礎体温表は、二層に別れ、高温期の温度も十分にあるが、途中で体温が低温層レベルまで降下することが2~3回ある。近医にて当帰芍薬約散を一年服用するも無効。子宮筋腫(-)、内膜症(-)。
<全身症状>
寒熱:手足・腰が非常に冷える。冷えのぼせ(-)。
二便:大便1日1行、。
小便1日7~8行、夜間0行、色・量(平)。
飲食:食欲(平)、飲水(平)。
浮腫:なし
睡眠:良好
汗:出にくい
口唇・咽喉:平
経行:周期(28~30)、経期(5日間)、経痛(1日目、下腹、鎮痛剤(+))、経血(色、量ともに平)、血塊(-)、
面・舌:面色萎黄。
体型:ぽっちゃり型
皮膚:良好
血圧:104-66
脈拍:79/分
<分析及び治療方針>
手足・腰の強いひえ、高温期が安定しないことなどから不妊の原因として「虚寒」が強く影響しているものと思われる。「虚寒」による不妊の治療に用いるには当帰芍薬散、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、五積散などがその代表であるが、冷えの特徴からから五積散を選択した。
<経過・結果>
五積散、4ヶ月服用の後に妊娠。妊娠確定後は直ちに当帰芍薬散に変更し、これを出産まで服用。

治療例集 №13 不妊(Part6) 鹿児島 漢方専門厚仁堂薬局

37歳、女性。身長155センチ、体重51キロ。
<主訴>
不妊。病院にて高プロラクチン血症と診断されている。現在クロミット服用中。クロミット服用以前は基礎体温表が二層に分かれたり分かれなかったりと安定した排卵がなかった。現在、基礎体温表は二層に分かれるものの排卵後,高温層に移行するまで四日ほどかかる。また高温層の温度自体も36.5~7で十分に上がりきらない状態。
<全身症状>
寒熱:冷え性(++)。同時に手のひら・足の裏は非常にほてり、かかと・唇のひび割れがある。冷えのぼせ(+)
二便:大便1日1行、。
小便1日5~6行、夜間0行、色(清長)
飲食:食欲(平)、飲水(平)
浮腫:なし
睡眠:良好
心神:良好
汗:平
口唇・咽喉:平
経行:周期(35~42日)経期(7日)、経痛(月経2日目、下腹部、鎮痛薬(-)カイロを下腹に当てると軽減)、経血(平)、血塊(20mm×数個)、子宮筋腫(-)、内膜症(-)。
舌:舌質淡・有歯痕、舌苔白
体型:中肉
皮膚:皮下出血(+)
血圧:119-77
脈拍:70/分
<分析及び治療方針>
月経の状態から「血瘀」が、基礎体温の状況から「虚寒」が読み取れる。これらが不妊の原因と思われる。しかも、この血瘀は手のひら・足の裏のほてり・かかと・唇のひび割れといった「乾燥を伴う血瘀」である。このようなタイプの不妊には温経湯を用いる。さらに「虚寒」に対しては、高温期を強力に温める当帰シロップ剤を併用することとする。
<経過・結果>
温経湯と当帰シロップ剤を併用することすること5ヶ月弱にして妊娠。妊娠確認後は16週間は芎帰膠艾湯を、その後は出産まで当帰芍薬散を服用。無事出産。

治療例集 №12 不妊(Part5) 鹿児島 漢方専門厚仁堂薬局
35歳、女性。身長160cm、体重50kg。
<主訴>
不妊。3年前に稽留流産。基礎体温は二層に分離していた。今は計っていない。現在、産婦人科にてゴナドトロピン療法および排卵以降に黄体ホルモン剤(デュファストン)服用中
<全身症状>
寒熱:手足の冷え(+)。冷えのぼせ(+)
二便:大便:1日1回
   小便:1日5~6行。色・量ともに平。
   飲水:平
全身:疲れやすい
浮腫:なし
月経:周期(26~28日)、経期(6日)、経痛(下腹、腰)、血塊(10mm×数個)
   内膜症(-)、筋腫(-)、PCOS(-)
舌:舌質淡、歯痕あり
皮膚:皮下出血(+)、唇・手指のひび割れ(+)
血圧:104-72
脈拍:77/分
<分析及び治療方針>
冷えのぼせ、月経状態、皮下出血などから、「血瘀」が考えられる。流産が大きく影響しているものと思われる。また唇・指先のひび割れといった「乾燥を伴う血瘀」の症状も見受けられる。「流産後血瘀」には芎帰調血飲第一加減を、「乾燥を伴う血瘀」には温経湯を用いるところであるが、まずは芎帰調血飲第一加減を中心に流産により生じた血瘀を十分に取り除き、その後温経湯を用いることとする。

<経過・結果>
芎帰調血飲第一加減合五積散、プラセンタエキスを服用。二ヶ月ほどで手足のひえ、肩こり、経痛・血塊などが減少し、疲れにくくなってきた。そこで温経湯に変更。3週間後、妊娠確認。妊娠確認後は16週間芎帰膠艾湯を服用し、その後紫蘇和気飲に変更。無事出産。安産なり。

治療例集 №11 不妊(Part4) 鹿児島 漢方専門厚仁堂薬局
★30才、女性。身長149cm、体重45kg
【病歴】
不妊。過去2回流産している(6週目、2ヶ月目)。
基礎体温票は二層に分かれるものの高温期が短い。病院では「黄体機能不全」と診断。
【全身症状】
四肢:冷え性。冷えのぼせ(+)。
二便:大便:1日1行。やや固め。
   小便:1日6~7行。
食欲:普通
全身:疲れやすい
胃腸症状:良好
頭項:肩こり・頭痛(+)
月経:周期(26~38日)、経期(7~10日間)、月経痛(下腹・腰、激痛⇒鎮痛剤使用、血塊排出後軽減)、経血(色:平、量:平)、血塊(10㎜程度×5~6個)、初潮15歳。
面色:微赤紫
舌:舌苔微白、舌質:平。
皮膚:アザが出来やすい。
<漢方的病理分析・使った処方>
原因として「冷え」と「血瘀」とが考えられる。そこで芎帰調血飲第一加減と五積散とを服用してもらう。服用五ヵ月後、冷え性・下腹の月経痛は改善したが腰痛は変わらず。また経血が若い頃からすると少ないような気がするとも言う。高温期は依然として低くかつ短い。また初潮が15歳というのは遅いほうであろう。これらの症状は「腎虚」によるものと考え、これに対応すべく芎帰調血飲第一加減+五積散+八味地黄丸とする。6.5ヵ月後妊娠。漢方薬は直ちに芎帰膠艾湯に変更。また、しばらく病院でプロゲステロン注射併用する。3ヵ月後、漢方薬を当帰芍薬散+香蘇散+八味地黄丸に変更。⇒男児出産、2300g。
<考察>
★腎虚とは、大雑把に言うと、先天的な発育能力・生殖能力の弱さをいう。
★今回の不妊治療のポイントは黄体機能不全を漢方的にどう捉えるか、にある。黄体機能不全は漢方的には「冷え」「血瘀」「腎虚」等によるものと考えている。婦人科領域における腎虚の特徴的な症状として、黄体機能不全のほかに、無排卵・無月経、長期に渡る排卵促進剤の使用、習慣性流産、経血の減少、高齢(35歳以上)であること、初潮が遅いこと、月経時の腰痛、などが挙げられる。
★また、一般に腎虚の治療は長期間を要することが多く、年余にわたることも少なくない。


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