それまでは、不妊治療は保険適用外での治療だったわけですが、どうやって保険適用が開始されたのでしょうか。
保険適用に至るまでは、
・令和2年(2020年)9月に国によって閣議決定がされました。
・同じ年の12月、全世代型社会保障改革の方針の中に記載されている工程表に従って準備が進められました。
内容:
・厚生労働省の子ども家庭局で実施された不妊治療の実態調査の結果と
・日本生殖医学会により作成された生殖医療ガイドライン
を参考に議論がされました。
議論の期間は、『1年半』になります。
・令和2年10月~ 医療保険部会で不妊治療を保険適用の対象とするかどうかの議論がされ
・令和3年1月~ 中央社会保険医療協議会で議論が開始されました。
保険適用は、有効性や安全性が確認されていることが必要です。有効性や安全性がよくわからないものは保険適用外になり、特殊療法と言われます。
保険適用と特殊療法を一緒に行うことが混合診療と呼ばれますが、混合診療を行うと保険適用となっている診療項目の質が一定に保てなくなるという理由からこの場合はすべて自費での診療という扱いになるようです。
では、今後保険適用の項目や内容は変更しないのかが気になるところです。
保険適用の診療項目の改定は2年に1回行われます。
毎月学会から保険適用にしたい項目の提案が提出されているため、それを審議して適用可否を決定しているようですので、保険適用外の治療項目でも有効性や安全性が認められれば保険適用になる可能性はあります。
今は保険適用が始まったばかりですが、今後保険適用外だった診療項目も保険適用になることが考えられ幅広い治療が提案される未来になることを願います。
治療に取り組んでいる医師や患者の現場の声を厚生労働省に届けていくことが大切ですね。