60歳の主婦。 1年前から、右膝関節が、立ち上がるや階段を下りる時に痛むようになる。しばらくして から整形外科受診するも、痛め止めのロキソニンと湿布薬をもらい、週2回リハビリに 行くことになった。数ヶ月通うが、痛みが治まらないため、近所も鍼灸院に通いだした。 そこから漢方薬を薦められ来局する。 体型は、小柄・肥満症で、下肢のむくみが常にあり、膝関節部の裏側がぶよぶよし ている。また全身がビヤ樽型で、いかにも水っぽい感じが濃厚である。変形性膝関 節症の診断があるものの、関節腔内ではなく周りの筋が関係している、先人の教え とおりに、筋に効く疎経活血湯(そけいかっけつとう)の 加減を服用していただいた。 すると、2週間で足が軽くなった。4週間後には、体重が3kg減ったうえ、痛みは半 減した。その後防風通聖散や防已黄耆湯 も併用しながら、体重を20kg落としたところ、半年後には足関節の痛みを感じなくなっ た。 やっぱり、肥満がキーポイントです。 |
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更新日: 2022/01/26 |
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秋の乾燥した季節の皮膚病には漢方薬
寺町漢方薬局 (広島県広島市)
夏に両肘関節から手首・手甲かけての水疱性湿疹が、漢方薬の内服と黄連軟膏にて 改善したが、そのあと10月になり、空気の乾燥と気温の低下から、表皮が乾燥して、 痂皮になり、炎症ではなく皮膚木枯燥から痒みがでて、その場所を掻いて、さらに 痒みを助長させてきた。この時期には非常に多くのかたがこの症状で相談に来られる ケースです。 このような時は、従来の皮膚治療では、ワセリンと抗ヒスタミン薬を主とした塗薬しか ないのですが、漢方薬なら、飲む保湿剤があります。 この方には当帰飲子にバクモントウ・ゲンジン・オウギを多量に加えて服用して、 さらに外用には、紫雲膏や、紫雲膏と親水クリームを加えた混合クリームを 利用して、対処すると、2週間ほどで痒みは半減し、30日ほどの服用で、ほぼ改善し 正常に復した。 |
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更新日: 2021/11/12 |
ジュクジュクの浸出液の多いアトピーに漢方薬
寺町漢方薬局 (広島県広島市)
以前より、ストレスが溜まるとアトピーの皮膚炎がでてくる。今回2ヶ月前から右手差し指先に発疹がでると、次々に他の指にもでき、手持ちのステロイドの軟膏を塗っていたが、左手指にもできだし、来局される。 右・左の手の指が、炎症を起こし、浸出液がでて仕事にならない。夏時期なので、高温多湿の影響がある湿熱型のアトピーなので、毛孔部の炎症もあるので、消風散・越婢加朮湯の組み合わせ処方とした。 半月で半減し、1ヶ月で治まったが、こんどは乾燥して落屑が気になりだした。血虚証を呈してきたので、保湿作用のある当帰飲子(とうきいんし)に越婢加朮湯の組み合わせで服用する。 残り2ヶ月の服用で治まり、薬をやめて、保湿クリームだけで様子を見るまで、回復した。 |
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更新日: 2021/10/27 |
指の炎症・浮腫を伴うアトピー
寺町漢方薬局 (広島県広島市)
子供の時にアトピーで、皮膚科を通った経験がある。成人になるまで、治療を行うほどひどい皮膚にはならなったが、成人になるまで、特に酷くなったことはない。 ところが、半年前に家族的なことで、ストレスがあり、そこから、また皮膚の紅斑・炎症が再燃してきた。 両手の指部分が表側・掌側も乾燥して、落屑をおこして、指全体はむくんで、膨れてきている、痒みは我慢できないほどではない。 夏は浸出液がでる皮膚炎が多いが、これは逆に乾燥状態の皮である。皮下に水分が溜まっているが、まずは皮膚表面の乾燥状態を改善することにした。 冬の乾燥皮膚によく使われる当帰飲子(とうきいんし)では、皮膚乾燥に対して弱すぎる感があるので、より乾燥に対する保湿効果をもち、なお抗炎症の生薬も含んでいる滋陰降下湯(じいんこうかとう)を選択して、飲んでいただく。副方に皮下血液循環の桂枝茯苓丸加ヨクイニンを選んだ。 2週間の服用で、かなり乾燥状態が改善したので、続けること30日で、ほぼ正常に復した。その後は体質改善を目的として荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)を半年続けて、再燃がないので、薬をやめることにした。 よく当帰飲子が乾燥状態の皮膚につかわれますが、抗乾燥に対する力は弱く、増液剤のテンモンドウが配剤されている滋陰降下湯は皮膚病に応用が利きそうです。 |
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更新日: 2021/09/14 |
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