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時々、腎不全の漢方薬を説明させていただいています。今月初めの漢方研究会の発表でも、その話がでていました。何回もここで、書いている黄耆(おうぎ)です。ただ、日本の漢方薬の書物に乗せている量では効果発現には少ないようです。

75歳の女性。3年以上前から、腎蔵機能の低下があり、毎月のように検査をされていたようです。本人は特に薬もでていなかったので、あまり深刻には受け止めていませんでした。ところが、先々月に腎臓透析の準備で、シャントを作りますといわれ、びっくり。その足で、すぐ来局される。

小柄・やせ型のご婦人。早速クレアチン値を聞いてみると、58で、次回にも透析を開始するとのこと。さすがにクレアチン値が50以上のケースは初めてで、お断りしようと思ったが、ダメもとで飲みたい希望をいわれ、いつもの黄耆に身体の冷えをとる炮附子(ほうぶし)の入った漢方処方を加えて製剤する。求めに応じて真空パックの漢方薬を。

1ヶ月後の検査ではクレアチン値が52に下がっている。続けて服用中だが、すこしでも透析を遅らせればと考えています。

 

ガンなどの手術後に、痛みなどのいろいろな支障を起こす事が多々あります。術後の泌尿器系の出血に漢方薬が良く使われます。

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80歳の男性。中背・普通体系。

膀胱と尿管にガンが見つかり、手術することになった。抗がん剤で、がんを小さくしてから手術をする。3ヶ月抗がん剤治療をしたのちに、手術をしたが、術後2週間退院したくらいから、排尿に支障はないが、尿がピンク色になり、検査をすると尿出血とわかり、すぐ止血剤を使うが、身体に薬疹がでて、使えなくなった。

本人からの依頼で、家族が来局する。

当薬局で、下腹部の出血によく使う猪苓湯(ちょれいとう)を煎じ薬で飲んでいただくことに、わずか3日で、ピンク色の尿はほとんどわからないまでになった。2週間ほど飲んでいったん、やめてしまっていたが、1ヶ月後、次の定期検査で、尿潜血をわずかに指摘された。

また。あわてて、飲み始め、都合3ヶ月間飲んでやめているが、その後の検査では潜血反応がでていない。

  猪苓湯の構成生薬のチョレイ・ブクリョウはいわゆる菌体で、アガリクス茸や霊芝などの抗ガン生薬の仲間です。

 

いぼに鳩麦(はとむぎ)を使うのは、民間療法てきにも良く知られています。ハトムギの表皮を摂ったヨクイニンでの年齢別の効果では、乳幼児で71%、学童で74%、青年で57%、成人で20%の報告もあります。

しかし、これに少しの漢方生薬を加えることで、より効果は高まります。

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74歳の主婦。小柄・やや肥満。

数年前から、首に小さいいぼができはじめ、皮膚科で薬(漢方薬?)をもらうも効果なく、知人に連れられて来局される。

皮膚科の漢方薬はヨクイニンの錠剤であった。これに煎じ薬を薦め、ヨクイニン、ハトムギ、カゴソウ、オウギを組み合わせて、煎じ薬のして、毎日煎じてのんでいただく、上記のとうり成人は子供より効果が低いことも説明する。

1ヶ月後の来局時はそれほど変化はなく、なんとなく良い感じなので、続けるといわれた。漢方薬の味はおいしく感じるとのこと。

2ヶ月で、いぼが少なくなっきた。

4ヶ月後には、ほとんど消失してしまった。成人でも、続ける事と、煎じ薬のして、より効果がでたようです。

 

ときどき、思惑と違う良い知らせを聞くことがあります。

当薬局で、漢方薬以外に扱っている製剤にMRE kigen という商品あります。

中身は土壌菌を、生薬(霊芝などの)で増殖させて、製剤化したものです。効能は、免疫機能の強化薬として、腸内細菌の活性化です。

酒さ様皮膚炎で漢方薬を飲んでいる老齢の方に、皮膚病が治った段階で、風邪予防の目的でMREをお渡しして、飲むようにお願いした。

ところが、ご主人の体調が悪いので、自分用に買ったMREをご主人に飲ませたところ、2ヶ月前に見つかった胃内の7mmのポリープが、MREを飲み終わった今月に消えてなくなっていた。


NONALNUM-55S75YOPMg-E



 

乾癬は皮膚に銀白色雲母状の鱗屑ができて、乾燥・落屑する皮膚状態を呈します。良く出る部位は頭・膝蓋や肘・体幹などです。昔は白人系などの肉類をよく食べる人種に多かったそうです。魚の食事が多かった日本人には少ない病気でした。痛風などとも関係があるのかもしれません。

40歳の会社員。長身・やせ型

3年前の夏から、左膝下部に小さい湿疹状のものができて、痒みもないので、何の治療もせずにしていたところ、秋ころになって急に皮疹の範囲が大きくなり、すぐに皮膚科に受診したところ、尋常性乾癬といわれ、ステロイド軟膏や、ビタミンD3軟膏をもらい、治療を続けてたが、ステロイド軟膏だけでは効果が一時てきで、すぐ再燃しては、ステロイドを塗布することの繰り返しで困っていた。

落屑が多い(白いフケ状)が多いので、炎症と保湿を兼ねる温清飲のキンギンカ・レンギョウを加えた煎じ薬を服用し、外用は抗炎症作用のある漢方外用薬を試していただく。

2週間ほどで、患部の紅斑・炎症・浮腫は治まってしまった。以後は紫雲膏(しうんこう)を外用して、内服は荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)をやはり煎じ薬にして、服用し、半年もたたないうちに患部は黒い瘢痕を残して、治ってしまった。


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