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病気と漢方

民間薬で病気を治そう ~昔から使われてきた薬草で、病気知らずの元気な体。~

 
  イチョウ
 

 1896年にイチョウの精子が平瀬作五郎氏により発見された。

イチョウ   イチョウ

別名・地方名 鴨脚樹、銀杏、公孫樹
科 名 イチョウ科/ラテン語の科名 Ginkgoaceae
学名(植物ラテン名) Ginkgo biloba Linn.
英名 ginkgo、maidenhair-Tree
中国名 銀杏、公孫樹、鴨脚樹、白果(果実)
生薬名 銀杏
出 典 日用本草(1328年)
生育場所 庭や寺社境内に植えられる。
薬用部位と採集時期 種子(銀杏)は10月ごろ。葉は春~秋。
調整法 外種皮を去り、種子を乾燥する。
主な成分 ビロボール、ギンゴール酸、イソラムネチン、ギンゲチン等を含む。
有効成分 ビロボールbilobol、ギンコール酸ginkgolic acid
効能・効果 白果は咳や喘息、頻尿などに用いる。西ドイツでは葉を抗炎症、血小板活性化などの作用を有するので、内出血、血管障害用の製剤が作られている。
薬効と使用方法(常用量) 【1】銀杏を焼くか、煮て食べるか、煎じて服用すれば鎮咳、去痰、滋養強壮剤となり、夜尿症、頻尿その他の泌尿科系疾患、酒の中毒に効果がある。また銀杏の渋皮を除き、ゴマ油に3カ月ほど漬けたものを、1日3粒づつ食べても効果がある。

【2】銀杏、葉の煎液をしもやけに塗布すると効果がある。

【3】銀杏を生食すれば去痰、殺虫剤となり酒毒を消す。しかし量が過ぎると中毒を起こす。銀杏を飯粒で練ってはると歯痛に効果がある。銀杏の絞り汁は毒虫の刺傷、そばかす、疥癬に外用して効果がある。

【4】イチョウの気根を煎じて服用すれば乳汁不足に効果がある。

【5】イチョウの葉を黒焼き末とし御飯粒で練ってはればウオノメに効果がある。

【6】葉を煎じて服用すれば抗炎症があり、血小板を活性化するので内出血等に用いられ、動脈硬化、肩こり、冷え性等の血管の障害、老人性痴呆症などに効果がある。
また抗活性酸素作用、血行促進作用、 抗酸化作用があり、 糖尿病や循環器系に有効で、脳や下半身への血液の供給を促進し、記憶力を高め、老化を防止する。また、血液凝固を阻害するので、血行不良が原因で生じる耳鳴りやめまい頭痛にも効果がある。さらに、抗酸化作用のため、ガンや老化の原因といわれているフリーラジカルの形成を防止する効果が期待されている。

【7】イチョウの樹皮や気根はホルモン作用が強く、乳腺が発達し、乳汁分泌不足を解消し、ホルモンの分泌が盛んになるため、肌のつやが良くなり、張りが出て、皮膚が若返り、シミやシワも解消できる。
使用上の注意(相互作用など) 副作用はまれで耐性は見られないがモノアミン酸化酵素(MAO)阻害薬に影響を与える可能性は否定できない。
副作用 頭痛、胃腸障害がまれに起こることがある。
薬食健康法 銀杏を食用にする。中身を取り出すのが面倒な人は、割った鬼皮のまま封筒に数個入れ、電子レンジでチ~ン! して中の実を取り出す。薄皮の付いたまま鍋又はフライパンに入れ、少量の塩水を加えて、蒸し焼きにすれば、薄皮も簡単に取れる。あとは松葉に適当に刺して松葉銀杏の出来あがり。
銀杏の採集は、自然に落ちたものを、ひろいあつめる。じゅくじゅくする外皮の汁が、素肌につくと、かぶれをおこす人もあるので、ゴム手袋か割り箸などをつかい、あつめた実は、土か砂に埋めておく。外皮がすっかり腐ったら、水で、きれいに洗い流し、日に干して乾燥させる。乾燥できたものが、白くて、新しいギンナン。フライパンで、空炒りして、皮をむき、あつあつを味わう。とれたての新しいギンナンは、翡翠(ひすい)のように、艶やかな緑色、香りがあり、ねっとりした感触と、濃厚な味がすばらしい。

ギンナンご飯
ギンナンは空炒りするか、ゆでるかして、白く硬い皮をむき、甘皮(薄皮)もむく。酒と塩少々をふりこんで炊いたご飯に、きれいに皮をむいたギンナンを入れて、すこし蒸らすと、できあがり。薄皮は、なべの中のゆでたギンナンを、杓子の背でぐりぐりやっても、きれいにとれる。ギンナンの油炒め、天ぷらなども美味。

栽培の必要性と難易度 イチョウの雌雄の区別はスカートの形で雌、ズボンの形で雄、すなわち枝が上に立っている木は雌でほぼ水平なのが雄。苗の樹形を見て選んで植える。
備 考
(アドバイス)
ビロボール、ギンコール酸がイチョウの種皮の悪臭の原因物質で、皮膚の傷口から入るとカブレを起こすので注意を要する。
解説(トピックス) 精子が日本人の学者によって発見された。
応 用 薬用・食用
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