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病気と漢方

民間薬で病気を治そう ~昔から使われてきた薬草で、病気知らずの元気な体。~

 
  マタタビ
 

 旅人が、この果実を食べることで元気になり、また旅が続けられたので、マタタビの名が付けられた。

マタタビ   マタタビ

別名・地方名 ナツウメ、ワタタビ
科 名 サルナシ科/ラテン語の科名 Actinidiaceae
学名(植物ラテン名) Actinidia polygama(Sieb. et Zucc.)Maxim.
英名 silver vine
中国名 木天蓼子、木天蓼
生薬名 木天蓼(もくてんりょう)
出 典 新修本草(659年)
生育場所 山野、渓谷などの樹上にからまりつく。
薬用部位と採集時期 果実、虫こぶ(木天蓼)、木部。8~9月。
調整法 木部はそのまま。果実、虫こぶはそのまま、または5分間熱湯に浸して乾燥する。
主な成分 葉と果実は各種シクロペンタン誘導体を含む。
【1】アルカロイドとしてはアクチニジン
【2】マタタビラクトン類としてはイリドミルメシン、イソイリドミルメシン、ジヒドロネペタラクトン、イソジヒドロネペタラクトン
【3】マタタビオール、アロママタタビオール、極めて少量のネオマタタビオール(ジヒドロネペタラクトール)
【4】マタタビエーテル、5-ヒドロキシ~および7-ヒドロキシーマタタビエーテルなど
葉はさらにβ-フェニルエチルアルコール、3,4-ジメチルベンゾニトリル、3,4-ジメチル安息香酸を含む。虫瘻となると、果実の成分の上にマタタビ酸やイリドジオールの多種の異性体を含む。
薬効と使用方法(常用量) 【1】夏期に蔓を切って出る液は浮腫に効果がある。

【2】果実、木天蓼を1日に3~10gを煎じて服用すれば身体を温め、強壮、利尿、麻酔鎮痛剤として腹痛、リウマチ、神経痛、腰痛、脚気、疝気、腎臓病、膀胱カタル、頻尿、淋病、黄疸、冷え症、高血圧に効果がある。(橙皮の粉末を混ぜて煎じて服用すれば更に効果がある)。蔓を代用しても効果がある。中風で顔面がゆがむのにも効果がある。

【3】果実の煎液を飲み、さらに蔓、葉を浴湯料とすれば身体が温まり、前記の効果は著しくなる。

【4】木天蓼を刻み、酒に漬けて木天蓼酒(果実、蔓を代用してもよい)を作り、服用すれば血液の循環をよくし、保温、強壮、利尿剤として効果がある。

【5】茎や葉を1日に5~10g煎じて服用すれば胃腸病に効果がある。

【6】根を1日10gを煎じて服用すれば腰痛に効果がある。
薬食健康法 新芽や若葉を生のままテンプラとするか、塩をやや多く入れたお湯で茹でて、水に良く晒し、お浸しや炒め物、味噌和え、酢味噌和えにする。花は甘酢漬けとする。

果実酒
よく熟した果実を摘み、きれいに洗い、水けをふきとり、3~4倍量のホワイトリカー、ウオッカなどに漬けると、6~18ヶ月で、淡緑色~橙黄色になり、量や熟れ加減により、激しい香りと渋み、いがらっぽさ、苦みなどのまじる辛口に仕る。青い果実が入ると飲みにくくなる。

果実の漬け物
マタタビの果実を塩水(5~10%の濃度)に一昼夜つけ込み、果実が黄色を帯びたら半日干し、もろみの中にガーゼに包んで(平たく、薄く広げる)、漬け、3ヶ月以上置いた物を食べると美味しい。
もろみの代わりに、塩を混ぜた糠(米のとぎ汁でねる)や味噌に漬けても美味しい。

虫えいの果実味噌
【1】マタタビの虫コブとなった実はよく洗い、熱湯で5分ゆで、天日で3日干す。
【2】味噌1、みりん1を合わせた中へ①を漬け込み、2ケ月以上置く。
【3】この味噌漬けの実とショウガ、クルミを細かく刻んで合わせ、同量の味噌床と混ぜる。
【4】蒸したサトイモや大根や温かいご飯に添えてたべる。

マタタビ醤油とミカンの皮煮
【1】マタタビの実は洗って5分ゆで、生シイタケとともに天日に3日干す。
【2】ビンに①と醤油を入れて半年熟成する。
このマタタビ醤油を使ったミカンの皮煮。
【1】ミカン類の外皮(厚めのミカンがよい)の白わたをそぎ、黄色い部分を千切りにして水につける。熱湯で3回ほどゆでこぼして苦みを抜く。
【2】マタタビ醤油と同量の酒、少量の砂糖を合わせ、刻んだマタタビの実とシイタケと絞った①を加え20分煮る

備考(アドバイス) マタタビはネコが好むので、乾燥等の時は注意が必要。
アクチニジン、β-フェニルエチルアルコール、マタタビラクトンはネコ科動物(ネコ、ライオン、トラ、ヒョウなど)を陶酔状態にさせる作用がある。
応 用 薬用・食用・酒用
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