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病気と漢方

民間薬で病気を治そう ~昔から使われてきた薬草で、病気知らずの元気な体。~

 
  タラノキ
 

 開けた山野に自生する。

タラノキ   タラノキ

別名・地方名 トリトマラズ、ウドモドキ
科 名 ウコギ科/ラテン語の科名 Araliaceae
学名(植物ラテン名) Aralia elata(Miq.) Seemann
中国名 刺老鴉
生薬名 そう木皮、そう根皮。
出 典 経史証類備急本草(1038年)
生育場所 開けた山野に自生する。
薬用部位と採集時期 樹皮(そう木皮)、根(そう根皮)。5~6月。
調整法 根の皮をむき採り、陰干しとする。樹皮も同様にする。
主な成分 根はα,β-タラリン、アラロシドA/B/C。葉はα,β-ファトシン、などを含む。
効能・効果 健胃、利尿剤となり、糖尿病、腎臓病などに
用法・用量 1日7~14g
薬効と使用方法(常用量) 【1】刺のついた枝(幹)を1日に20g煎じて服用または茶代用とすれば高血圧に効果がある。

【2】樹皮、根皮を少し焙じて1日に10~20g煎じて服用すれば鎮吐、健胃、利尿剤として糖尿病、腎臓病、浮腫、低血圧、高血圧、慢性胃カタル、胃炎、胃潰瘍、胃癌、胃下垂、神経痛、リウマチに効果がある。

【3】葉を煎じて服用すれば健胃剤として効果がある。

【4】根皮を常用すれば胃腸を丈夫にし、消化を助け、便秘を整える効果がある。
使用上の注意(副作用、相互作用など)   多量に服用すると胃腸障害を起こすことがある。
薬食健康法 新芽が5~10cm程度に伸びた頃(4~5月頃・20cm位でも、調理すれば案外トゲは気になりません)採集し、そのまま、テンプラ、油炒めとするほか、火で焼いて味噌を漬けて食べると美味しい。また茹でて(塩ひとつまみ入れると良い)皮を剥ぎ、ゴマ和え、白和え、マヨネーズ和え、おひたし、汁の身とする。果実、樹皮は薬酒の原料となる。

薬酒(枝)
枝を刻んで、約3倍量のホワイトリカーに漬ける。枝は15~30日で引き上げる。そのまま寝かせると3~6ヵ月で、淡褐色のリキュールになり、ほろ苦い味がする。
薬酒(果実)
果実は、1粒ずつ、実をばらばらにして、5~6倍量のホワイトリカーに漬け、果実を30~40日で引き上げる。

タラの芽の田楽
【1】若芽を塩ひとつまみ入れてゆで、冷水にとる。
【2】水けを拭きとり塩をふり、竹串に刺して焼く。
【3】いろいろの田楽みそで味わう。

タラの芽のゴマ和え
【1】タラの芽5~6個は洗って縦二つに割り、しばらく水につけてアク抜きし、酢少々を落とした湯で茹で、水にとってよくさらす。
【2】ボールに醤油大さじ2杯、酒小さじ2杯、溶きがらし小匙2/3杯、ごま油小匙1杯を合わせてよく混ぜ、たれをつくる。
【3】食べる直前に②のたれでタラの芽をあえ、小鉢に盛って残った汁をかける。

タラの芽の焼き味噌和え
【1】アルミホイルの上に味噌を敷く。
【2】その上に、タラの芽を置く。
【3】アルミホイルできれいに包み、ガスコンロで焼く。味噌の焦げる匂いがするまで焼くと、タラの芽が蒸し焼きとなる。

栽培の必要性と難易度 【1】切断した根を横に寝かせて、深さ10cmに植える。乾燥に非常に弱いので、厚く敷きワラをし、たっぷり水をやる。その後も、表土が乾いたら水をやる。
【2】1ヶ月半~2ヶ月で発芽するので10cm位に生長したら、定植する。
【3】植える場所は、日当たりのよいところを選び、植え付け1週間前に、苦土石灰(1平方mあたり2つかみ)を散布して深耕しておく。その後、元肥(1平方mあたり堆肥バケツ1杯と配合肥料1にぎり)を入れ、苗が直接肥料にふれないように10cmの間土し、苗の根をくずさないようにして、株間50cmで定植する。
【4】植え終わったら敷きワラをし、たっぷりと水をやる。非常に乾燥に弱いため水切れには注意。

季節はずれの出荷
穂木が乾燥しないよう紙とビニールで巻き、2~3度で冷蔵貯蔵。このあと昼間25度、夜間15度、湿度80%の条件でふかし栽培をすれば八月ごろまで芽を出し、出荷できる。

備考(アドバイス) うどに似ているので、うどもどきとも呼び、たらっぽ、たらんぼ、と呼ぶ地方もある。
解説(トピックス) 姿が似ているが、刺のないコシアブラも、タカノツメも、タラノメに似た味があり、姿の似ていないヤマウコギ、ケヤマウコギ、エゾウコギなどもふくめて、落葉性のウコギ科は、どの種類も、若芽をおいしく食べられ、秋の果実で、リキュールを作れる。
応 用 薬用・食用
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