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薬局・薬店の先生による健康サポート
~大人のアトピーも外用と内服薬の併用で~
近年、乳幼児から大人にいたるまで、アトピーの方の相談が急激に増えています。
既存の標準的な皮膚治療では飽き足らない方や、不安を覚えた方が多いためでしょう。
アレルギーの病気には漢方薬での治療が向いていることも多くあります。
当薬局でも2000例以上の実績があります。治療にいきづまっているかたは一度お試しください。
アトピーの原因は?
東洋医学的には、アトピーの原因は外因・内因に分かれます。
- 外因:インスタント食品や、添加物・保存料などのホルモン撹乱物質の摂取偏食・食べ過ぎ・外気汚染なども原因として考えられます。
- 内因:現代生活の日常の運動量の低下に伴う、免疫・抵抗力の低下が成人アトピーが増えた原因でしょう。ストレスもアトピー症状を悪化させます。
漢方薬でのアトピーの治療は?
具体的な方法は?
1.外因・内因の除去

外食は出来るだけ止めて、食事を出来るだけ家で作ること。
子供は特に、食事は大人の場合昭和30年代の日本食を基本にする。
インスタントだしを止めただけでアトピーが回復したケースもあります。
アクの強い、竹の子や山菜(フキ・わらび・ぜんまいなど)は食べないように。 → たけのこで悪化したケースも。
加工食品はよく材料をみて、買ってください。保存料や着色料に注意。
現代人は、日常の運動量が極端に少ない傾向があります。運動量の確保も必要です。週に数回は汗をかく習慣をつけましょう。
(ウオーキングなど、基本的にはなんでもよいかと思います。)
2.漢方内服薬による免疫力の回復(自然治癒力の増強)
漢方薬を内服する場合、皮膚症状や季節によって使いわけます。
効果判断は炎症の激しい場合で数日から2週間、炎症・乾燥の軽度な状態には2週間から4週間を目安にします。皮膚の状態は個人個人で違うので他の人に効いた漢方薬を真似て服用しても、効果が薄いことがあります。
専門家に必ず相談して使用しましょう。
A:皮疹はまだ紅くなく、毛穴が膨れているサメ肌状態
・ 十味敗毒湯加レンギョウ(じゅうみはいどくとうかれんぎょう)
・ 越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)
B:全身が皮疹が紅く、ジュクジュクした状態
・ 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
・ 猪苓湯(ちょうれいとう)
・ 因陳高湯(いんちんこうとう)
・ 消風散(しょうふうさん)
C:全身が乾燥・落屑しているとき
・ 六味地黄丸(ろくみじおうがん)
・ 当帰飲子(とうきんし)
・ 加減一飲煎(かげんいちいんせん)
D:顔面の紅潮・炎症
・ 白虎加人参湯(びゃこかにんじんとう)
・ 皮炎湯(ひえんとう) → 煎じ薬のみ
E:眼瞼周囲の軽い炎症・紅潮
・ 梔子柏皮湯(ししはくひとう)
F:小児の体質改善に
・ 柴胡清肝散(さいこせいかんさん)
・ 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
3.外用薬での皮膚面の炎症(紅潮)や乾燥への対応
A:炎症の強いときには
・ モクタール軟膏(2%・10%・20%・30%)
・ 中黄膏(ちゅうおうこう)
モクタール軟膏は顔面は10%、身体部は20%、乳幼児は2%が標準になります。
B:軽い炎症状態と乾燥が混在するとき
・ タイツ軟膏
C:乾燥状態が主なとき
ワセリンなどの市販の保湿クリームやローションを入浴後すぐつける。
もちろん昼間でもこまめに塗布すること。
D:乾燥し、傷や亀裂があるとき
紫雲膏を併用します。
以上のように、東洋医学では内面的な治療と外部の炎症・乾燥を静める為に、外用と内服薬の併用が治療には不可欠とされています。
海水浴が皮疹の改善に関係します。夏は海水浴へ。
温泉は場合によっては逆に悪化するケースがあります。(とくにイオウ泉はよくない)
まずは今のお体の状態にあう方法を見つけることが大切です。
上記の漢方薬は一例です。
漢方薬は必ず専門家に相談してから、ご使用して下さい。
寺町漢方薬局
窪田 信明先生-
明治薬科大学薬学部卒
在学時より漢方研究部に所属して、創医会で中医学と東洋医学の基礎理論を学び、卒業後、大阪御幸漢方薬局にて、実地研鑚して、35年前に開局し、現在に及ぶ。