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強い日差し。それに伴う日焼けや発汗。
あるいは、盛んになる湿気に伴う、肌のジメジメ感。
はたまた、外の暑さと室内の涼しさによる気温落差。

そうして、夏を経た肌(≒皮膚)には疲労が蓄積しています。
肌の疲労(≒機能の衰え)は湿疹や乾燥など、
特有のトラブルを招くと共に、肌の色や質感に影響を及ぼす側面があります。

漢方では、肌(肺)を薄く広がった臓器と考えますが、
その「薄く広がる」という点からは、何かを「蓄える」というよりも、
トレイのように何かを「載せる」というイメージを抱きやすい部分と言えます。
少々難しい言い方を使えば、
肌(肺)の器(≒何かを蓄える存在)としての働きは、
栄養や潤いなど有形の物体でなく、
エネルギーや機能など無形の存在に限られるという訳です。

それは裏を返せば、
調子が良い時や機能が整っている時、肌は元気だけど、
一旦、消耗が激しくなると、肌は途端に本来の元気を失う
ということでもあります。
そのようにして、ある種の不安定さの上に、肌(肺)の働きは成り立っています。
だからこそ、日々のスキンケアが欠かせない訳ですが・・・。

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厳密に言えば、肌(肺)が持つのは「不安定さ」ではなく、「ピーキー」な性格です。
「ピーキー」というのは、自動車のエンジンに用いる表現のことで、
エンジン回転数がピーク(peak)付近のときに、
強いトルクを発生する高回転型エンジンの特性(ウィキペディアより抜粋)という意味です。
わかりやすく言えば、特定の条件では高い能力を発揮するけれど、
それ以外の条件の時は、ガクンと性能が低下してしまう。
そうして、良い部分と悪い部分の違いが鮮明になる訳です。

肌(肺)の場合は、先に述べたような肌ストレスを通じて、
肌が持つピーキーさ(?)の良い面が隠れ、悪い面が際立っていきます。
漢方的にはそれを、肌(肺)の働きが鈍くなる
(=エンジンで言えば回転が落ちる)ことに伴うと解釈しますが、
それは裏を返せば、肌(肺)に疲労が蓄積しているサインでもあります。
(エンジンで言えば、吸気量が下がり、回転数が落ちる現象に似ていると思います)

肌(肺)の場合も、その働きを良好に保つには、「吸気」のコントロールが大切です。
この場合の「吸気」とは、機能維持に必要なエネルギーや栄養素のことを指すと考えられます。
また一方で、吸気には①エンジン自体が行う自然吸気と
②過給機(≒ターボ)の力を借りた過吸気の2通りがあるように
肺の「吸気」にも、また「自然吸気」と「過給気」の二面性があるように感じます。
早い話、肌(肺)が疲れて「自然吸気」が弱まるときは
「過給気」の恩恵を活かそうという話です。
そして肺にとっての「過給気」は、
互いに親子の関係を持つ「脾」や「腎」に相当すると推察されます。

夏の肌疲労に服んでおきたい漢方薬とは即ち、
肺と脾・腎の連携を促す漢方薬を意味します。
それには例えば、補気の生薬を配合した桂枝加黄耆湯や補中益気湯、
短気微飲を改善する苓桂朮甘湯や腎気丸類に一服の価値があります。

夏休みが終わる今の時期。
子供の不登校や心患いなど、
新学期に伴う神経症が心配になる頃でもあります。

前に連休明けに服んでおきたい漢方薬リンク でも触れましたが、
生活のテンポが大きく変化すると、それに体のリズムが影響されて、
なかなか元に戻りにくいというケースが存在します。
その中でも、9月を迎える頃の症状は、子供特有のものだと感じます。

子供は、大人と比べると多感(≒感受性が強い)であったり、繊細な側面があります。
漢方の言葉を借りれば、子供は大人と比べて「五臓六腑」の働きが未熟です。
五臓六腑は体と共に心を支える存在であり、
その成長途中では、いろいろなものに感化される可能性があります。

体の上では、子供は大人と同じことができません。
(無理という部分もあるし、早すぎるという部分もあるでしょう)
心の上でも同じで、子供は大人と同じように振舞えない面があります。
その点では、大人と同じ心の有り様を全て、子供に求めるのも誤りであると感じます。
けれど実際は、「学校に行ってほしい」という責任を推しつけられてしまう。
「行きたくない学校」に「行かないといけない(という責任)」が合わさる。
成長途中の子供の心には、酷に思います。
そういう状態が、気の巡りを悪くして、伸びやかさやしなやかさを失い、
場合によっては病的な痰(≒水の滞り)を招きます。
その子の持ち味というとか、性質の良さは気によってもたらされますから、
それを失って招いてしまう痰は、まさに病的なものとして解釈されます。

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現実的に、「この漢方薬を服用すれば不登校が解消される」というものはありません。
それは「不登校がそんなに単純なものではない」という事よりも、むしろ
「不登校は病気でなく、体が自身を守ろう(バランスを保とう)としているサイン」
と捉える為だと思います。
特に、「急に学校に行きたくない」という訴える場合などは
同じはずの「学校生活」を「肯定的」から「否定的」に捉えるように変化しているサインです。
そういうケースでは、学校生活の変化だけでなく、
子供の心の変化にも目を向けなければいけません。

新学期の不登校に服んでおきたい漢方薬とは即ち、
五臓六腑に働きかけて、子供の心が持つ豊かさを支える漢方薬を意味します。
それには例えば、陽気(≒やる気?)を引き出す苓桂朮甘湯や、小建中湯、
決断を支える胆の働きを回復する温胆湯、あるいは五臓六腑の気を補う補中益気湯などに、
一服の価値があります。

8月も終わりを迎えて、日差しや暑さが急に穏やかになりました。
過ごしやすさすら感じる、今の時期。
この時期に雨が重なると、肌寒ささえも感じます。
夏特有の湿気はこの「肌寒さ」にも、深く関わってきます。

暑さが退き、気温が落ち着いても、夏の大気には湿気が残っています。
気温は同じでも、湿度が違うと体感が変わってくるように、
湿気の存在は、暑さ(≒暑気)や寒さ(≒寒気)に加担して、その影響を増幅します。
言葉を変えると、「肌寒い感じ」を生み出しているのは
気温が下がること以上に、湿気の存在による所が大きいという訳です。

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湿気を取り除く。大気から湿気を払うには、
エアコンのドライ(≒除湿)機能のように、冷やせば良いという考えがあります。
けれど、人の体にはこのやり方は通用しません(肌寒さを伴う場合、なお更です)。
漢方ではむしろ正反対で、人の体から湿気を払うには、温めれば良いという考えがあります。
この場合の「温める」には、「温めて湿気を発散する」という作用が込められています。

寒気と比べ、湿気を発散する場合には、それほど強い発散力は必要ありません。
どちらかといえば、湿気(もしくはそれに伴う肌寒さ)で体内の気が弱まり、
塞ぎ込むのを防ぐという方が本来の働きのように感じます。

「夏の終わりの不調」に服んでおきたい漢方薬とは即ち、
穏やかな気温に伴って湿気が招く「肌寒さ」に対処する漢方薬を意味します。
それには例えば穏やかな発散力を持つ桂枝湯や香蘇散、
体を温めて湿気を払う藿香正気散や補中益気湯、
あるいは体表の虚を補う、玉塀風散や桂枝加黄耆湯、参蘇飲などに一服の価値があります。


西洋医学的な解釈だと、かぜは
感冒(流行性感冒)や感染症に相当する病状ですが
東洋医学的な解釈では、
かぜは「病邪(≒邪気)に傷つく病状」と解釈されます。
かぜを招く邪気は、寒い乾燥した冬では「寒邪」や「燥邪」、
蒸し暑い夏では、「熱邪」や「湿邪」が主とされます。

邪気には自然界の季節ごとに、当たり前に存在するものもあれば
人為的な環境や特定の地域、条件の元で盛んになる場合もあります。
ただし一方で、かぜを漢字では「風邪」と書くように
かぜの初期には、風邪の存在が深く関わっています。

ただし、風邪と言いつつも
「強い風が吹く日は、さぞ風邪の勢いも盛んで、かぜを引きやすくなる」
という話ではありません。
風邪は、物事の変化・変調が悪い方向へ転じる様子を象徴しています。
即ち、風の邪ではなくて、風が邪に転んだ様を風邪と呼ぶ訳です。

かぜの場合で言えば、「風邪のせいでかぜを引く」というよりも、
「風邪の影響を受けやすくなることで、かぜっぽくなる」と解釈されます。
ただ同時に、風邪の影響を受けやすい(≒体調に変調をきたす)のは、
かぜっぽくなったことが原因とも言えます。
(卵が先か、鶏が先かといった話)
要するに、風が邪に転ぶことで、
風邪の影響を受けやすくなると共に、かぜっぽさに及んだという訳です。

梅雨の時期は、雨に伴う気温の低下や、
憂鬱な気分(≒気が晴れず億劫)が災いして、
風が邪に転び、風邪を招きやすくなる時期です。
一方で、梅雨の雨音には
感受性を高めたり、繊細さ増長する面がありますから、
そうした時期に風が邪に転ぶとは、
当人がとても繊細(≒気弱)なのか、逆に大変に鈍感か
ということが関係しているとも言えます。

梅雨のかぜに服んでおきたい漢方薬とは即ち、
気の巡りを促して繊細さを整えつつ、
風邪の影響(漢方的には中風と呼ばれる)を予防・回避する漢方薬を意味します。
それには例えば、桂枝湯や香蘇散、参蘇飲
あるいは藿香正気散や柴胡桂枝湯などに一服の価値があります。


暑い+だるい(重だるい)=暑だる
「暑だる」を感じる時期の体は、
自分でも知らないうちに抵抗力が衰えています。

抵抗力を気にするのは、「暑い時期よりもむしろ寒い時期」。
そう訴える人は少なくありませんが、
冬は邪気や感染が強まる過程で、
それと拮抗する抵抗力の役割が大切になります。
「邪気(特に寒邪)が盛んになるから、
それに応じて抵抗力を上げておかないと…」という訳です。

一方で夏は、その肝心の抵抗力が「暑だる」に伴って衰えやすくなります。
湿気が強くなると、食中毒や感染リスクも増大しますが、
それとは別の所で抵抗力が衰えると、感染力と抵抗力の差はますます広がるばかりです。
また、抵抗力と治癒力は連動しているので、抵抗力が衰えると
実際に感染した後の治癒力も発揮されづらくなり、病状は長引きやすくなります。

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漢方では、暑だるに伴う抵抗力の衰えは、の働き(≒脾気)に行き着くと考えます。
暑だるに伴って進んでいく、気力の消耗。
その消耗した気の補給を担当するのが、脾の働きですが、
気力の消耗が著しい場合には、気の補給が追いつかずに枯渇しやすくなります。
その枯渇を何とか食い止めようとして、脾も頑張る訳ですが
すると次には脾そのものが消耗してしまう。
そうして気力の消耗は、脾へとさか遡っていく訳です。

ちなみに、気力の消耗が脾に達した体では、
からだ全体の気が不安定になり、節目節目でその失調を伴うようになります。
今の時期から出現が増えるこむらがえりも、その代表的な症状の一つです。

暑だるに服んでおきたい漢方薬とは即ち、
気力の消耗を改善して枯渇を防ぎ、
ときに脾の働きを整える漢方薬を意味します。
それには例えば生脈散や牛黄製剤、清暑益気湯、桂枝黄耆湯、
あるいは、藿香正気散や香砂六君子湯、四物湯などに一服の価値があります。



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