漢方には利尿剤という考え方が強くありません。
あるのは利水剤です。
身体に余計な水分がある場合にそれを体外に排出してくれます。多くの場合はいしゅつされる経路は腎⇒膀胱ですので、利水剤を服用するとおしっこが増えるものです。『五苓散』はその代表と言えるでしょう。
ところが余計な水分の排出経路は腎臓⇒膀胱だけではありません。
呼吸の呼気、ヨダレ、嘔吐、大便等あります。
中年の女性、最近急に太ってしまい困っているとのこと。手足は浮腫んでいる。漢方でなんとかならないか、という相談。
五苓散を軸にもう一つ漢方薬を合わせて服用してもらいました。
服用して1週間して再来店。
聴けば服用して2日目、3日目の夜に激しい下痢になったとか。
必ず夜に発生する下痢はまるで水のような下痢、しかしトイレに行った後はスッキリするのだとか。
これは体内の余分な水分が下痢という形で排出された訳です。感染症のような病的な下痢ではないと思われます。
件の女性、1週間で2㎏ほど体重を減らしたそうで、結果同じ漢方薬を継続して頂いております。
利水剤は利尿剤ではありません。
長全堂薬局 (山口県萩市)
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更新日: 2014/03/27 |