•<主訴>糖尿病性網膜症(目がかすむ)
• 1年以内に透析になる可能性を示唆されている
• 糖尿は40歳より 現在インシュリン 12単位×14単位
• ヘモグロビンA1C 7.9 クレアチニン2.65
•尿素窒素33.9 蛋白尿1+~2+•空腹時100 夜間尿2回 便秘と下痢
現在服用薬
•ニューロタン ノルバスク プレタール ベイスン エビプロスタ
•ハルナール ラシックス ビオフエルミン ソールドール
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来局時のデーター一部
2010.4月.27日 5月.25日
•クレアチニン 2.73 2.65
• 尿素窒素 36.2 33.9
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<面>T字鬱血 手のひらが赤い。
•<舌>淡紅 裂紋やや乾 舌中~根 苔腐膩
•<脈>左細弦帯数 右滑やや弦数

•左細弦帯数を どう考えるか。
••50歳以上は多くは弦脉をみることが多い。これは気血の自然衰減から、 血脈の濡養の弱りから脈がやや硬く張ってくる生理現象は良くみられる。
••一方、虚労、盗汗、労倦、失精は多くは細弦帯数 がみられる。
•• 弦緊は瘀血・疝瘕を、弦細で経脈拘急で血気の収斂伸張ができず鼓搏して壅迫→脈来頚急で兼滑 をみる。
•患者は左細弦で手のひらが赤く、腎絡が濁瘀阻滞して拘急し濁が降りず、清の蛋白が降りている状況。
網膜も血中濁で 絡通抵抗が強くなっていると想像する。
弁証 水虧木旺 気陰両虚 絡脈瘀濁 で 益気化濁 化瘀通絡で漢方対応。3ヶ月漢方服用
3ヵ月後の現在 血糖降下が強いので•インシュリン 10単位×2になる
•クレアチニン2.80→2.36→1.91→1.81
•A1C 7.9→6.6
•尿素窒素 32.5→26.4
透析のリスクが回避されてきている
命門堂漢方薬局のホームページ https://www.meimondo.co.jp/

<糖尿病性腎症診療のガイドライン>
糖尿病性腎症の診断
・糖尿病の罹病歴が5年以上である。
・網膜症や神経症などの糖尿病の合併症が存在する。
・持続性もしくは間歇性蛋白尿を認める。
・高度の血尿を認めない。
・他の腎疾患が除外される(場合により腎生検を考慮)。