今回は人工授精についてお話ししたいと思います。
人工授精は、人工的に採取した精子をシリンジなどを使用して子宮内へ注入する方法です。
精子は洗浄し、動きがよいなどの条件を整えて治療に用います。
・精液検査で異常が見つかった場合
・性交障害で膣内射精ができない場合
・精子が子宮に進んでいかない場合
が適応します。
人工授精の流れ
精液検査→問題がある→早めの治療開始
精液検査→問題なし→3ヵ月後~1年後に治療開始
生理中に一回診察。治療プランを立てる
卵子の発育が確認できたら、その翌日か翌々月に人工授精実施。
1回の治療周期
トータル3~5回の通院が必要
精子は自宅で採取。ただし、病院に2時間以内の持参できる場合
通院にそれ以上かかる際は、来院して採取する。
ポイント
女性:排卵誘発剤を使用して身体の状態を整える
男性:精子の状態が整う可能性の高い精子になるように2~3日前に射精をして準備する。
体外受精などの生殖補助医療へのステップアップの場合はどんな時?
・抗精子抗体が陽性の場合
女性がその抗体をもっていると、精子が卵子と出会えるところまで行けない。
・精子の条件が極端に悪い場合
WHOの基準正常;(精液量1.5ml以上、精子濃度1,500万/ml以上、運動率40%以上)を極端に下回るケース
漢方を併用する意味は
・ホルモン剤の使用により瘀血(よどんだ血液がたまりやすい)のため、血行をよくする漢方薬の併用が必要。
・多くの卵を短期間につくるため、その素材である「血」「精」が必要で、長く治療をするにつれて減少。
精血を漢方(例:地黄、芍薬、当帰、阿膠、竜眼肉、鹿茸、紫河車など)で補う必要あり。
・水分代謝が悪く、ドロドロした水分が多い場合(着床しずらい、育たない)
漢方を併用することで身体本来の機能を高めるため、
人工授精の準備期間に自然妊娠されるというケースもあります。
以上です。
参考になれば幸いです。