28歳の独身女性。乳幼児時代から肘、膝にアトピー性の皮疹があって、
時々治療をしていた。中高時代は症状がなかったが、大学に入った頃から
顔面に特異的に発疹がでて、治療をするも変わらないので、漢方治療を求
めて来局された。
◇
本人の体格は中肉、中背でやや便秘気味、食欲はある。患部の状態は顔
面の全体に紅斑があって、かゆみが強く掻破痕と痂皮もあり、市販の保湿
とかゆみ止めの軟膏をつけている。
「皮炎湯」の煎じ薬を内服、患部に
「モクタール軟膏」を外用。その後
内服を黄連解毒薬」と「六味地黄丸
の合方に変更。
まずは顔面に特異的に効く皮炎湯(ひえんとう)の煎じ薬とモクタール
を含む軟膏を夜のみ付けて治療を開始してみた。数日後に顔面の
状態が悪化し、浸出液が多く出るようになった。これは漢方薬服用
開始と同時に温泉療法をしたためと思われ、これをやめるよう助言
した。温泉療法をやめて漢方薬を皮炎湯から黄連解毒薬(おうれん
げどくとう)と六味地黄丸(ろくみじおうがん)の合方に変えて
服用してもらったところ浸出液はすぐ止まり痂皮も数日でとれ、かゆ
みも無くなるとともに掻破痕も消えて、皮膚の状態がきれいになって
いき、数ヶ月でほぼ正常な皮膚になった。
顔面紅潮型のアトピー性皮膚炎
寺町漢方薬局 (広島県広島市)
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更新日: 2011/05/30 |
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